らくご錬金術 発ッスる 立川志ら乃師匠と江戸さんぽ
「落語」、数年以上寝かせていた趣味の一つです。聴きに行きたいけれど、回りに詳しい人もいないし、噺家さんがあまりに多すぎて、どう切り込んでいけばいいのか、分かりませんでした。飛行機に乗るときは、落語チャンネルがあれば聴くようにしているのですが、大御所の古典落語で、かつマクラが高齢者向けだったり、長くて途中で飽きてしまうこともたびたびでした。
しかし、渋谷らくごのポットキャストを見付けて、格段に落語関連の情報が増えて、ひつじ史上初の落語ブームが遅ればせながらやってきています。初心者ですので、説明があると非常に嬉しいし、知っていると更に楽しめます。
去る8月27日に立川志ら乃師匠の「落語錬金術~発ッスる~」に行ってきました。立川志ら乃師匠の事は、シブラクのポットキャストで知りました。クーポンと割引ついてのマクラが面白く、一度噺を聴いてみたいなと思っていたので、スケジュールがあった「らくご錬金術」へ行くことにしました。 あと、あらかじめ演目がお知らせされていたので、初心者でも楽しめそうな気配を感じました。
声優 石井マークさんとの二人会だったり、場所柄だったためか、普通の落語会とはだいぶ雰囲気が違います。小さな場所で通常決められた日にやっている落語会の様に、ご近所さんや顔なじみの人たちが世間話をしているようなこともなく、ご高齢の方もあまりいらっしゃらない。ほとんどの人が一人で来ているけれども、特に知らない人と話したりはしないという空間でした。行動は、基本ぼっちなので、私にとっては非常に居心地がよかったです。
初めのオープニングトークにお二人が出てきたとき、マークさんがスニーカーだったので、鵺ファッション的なものなのかなと思っていたのですが、忘れただけということで、イケメン苦手な私も、親近感がわきました。
【感想】
初心者なので難しい事は言えないので、単純に感じたことを。
1.壺算
壺を買いに、買い物上手と思われるの源さんと行く話。源さんがクーポンの話をしていた志ら乃師匠とかぶって、もうなんか大笑いしてしまいました。出だしの源さんに買い物を一緒に行くことをお願いしている場面も、まさかの絵でびっくりしました。奥様はそんなことはさすがに言わないだろうと思って話したと思うので、想定外だったかと思います。
2.そばーん
そばどんぶりが天高く舞っている間に、江戸の事件が解決する話。冒頭のシーンが、映画のようでした。江戸の町の空に舞う、そばどんぶりが見えました。また聴きたいです。
3.子ほめ
マークさんが演じると八五郎は、今どきのちょっと語彙力の弱いチャラ男の様に見えます。江戸にもこういう子いたよね、きっと…と思ってしまいました。出囃子が、「おもちゃのちゃちゃ」で可愛かったです。
4.十四夏
まさかのいい話。タツキチ(名前うろ覚えです)のフォーリンラブ前と後の変わりようには、親分でなくてもびっくりです。おそ松さん、観てればよかったです。
ちょっと色々思い出そうとしてるのですが、落語を聴いている時の興奮具合がひどく、ただただ面白かった、笑ったという感覚しかなくて、我ながらびっくりしています。メモをとるのも無粋だし、単純にこの空間と時間を楽しみたいという欲求に身を任せていたようです。もう少し違う楽しみをするのには、時間と経験がいるようです。
落語を聴きに行く事は、見たこともない江戸の街への小旅行のようなものです。宇宙旅行に行くのは大変ですが、江戸旅行には簡単に行けます。座布団の上で繰り広げられる噺で笑ってリフレッシュなんていかがでしょうか。
立川志ら乃師匠の10月の落語会は、「新作落語横取り!」とのこと。今から楽しみでなりません。
9月のシブラクに出演されるそうですが、これは時間的にいけなそう…。10月のシブラクの創作らくごネタおろし会「しゃべっちゃいなよ」にも参加されるそうで、「そばーん」を超える素晴らしいものが出てくるに違いありません。ネタは師匠の頭の中で、熟成中のようですよ!
階段を降りれば、そこは江戸の街
おさんぽで、ちょっとそこまで、江戸の街 なんて…。有難うございました。
ようこそ地獄、たのしい地獄展 国立公文書館で閻魔様と握手
先日、国立公文書館「ようこそ地獄、たのしい地獄」展へ行ってきました。
借金地獄、地獄の沙汰も金次第、地獄温泉など「地獄」を使用した文字は多いですが、地獄って一体何だろう、実際どんなところなんだろうと気になりまして。「鬼灯の冷徹」によると獄卒として働くには、何やら楽し気な所なのです。実際には地獄が含まれる単語は危険で裏社会的ないけない臭いがします。
それでは、地獄の一丁目からさんぽしていきましょう。
1.地獄についての考えは、古代エジプトが起源
地獄についての考え方は、平安時代あたりに、古代エジプトからインドへ、その後中国で道教の考えが混じり、日本の土着宗教に広がっていきました。
展示されていた地獄関連の文献は、圧倒的に平安時代あたりのものが多かったです。現世での行いは死後に裁かれ、罪ある者は各種地獄(衆合地獄、大叫喚地獄、黒縄地獄など)に送られて、獄卒(死者を苛む鬼)によって、責め苦を味あわされます。「往生要集」では極楽浄土へ生まれ変わる方法を解脱しつつ、地獄の恐ろしさを具体的に語り、地獄の苦しみから逃れるためには功徳を積むように説いたそうです。人々が善い行いをするように教育をするのに使われました。
(黒縄地獄 :岩石を負わされ、鉄縄の上を歩かされる。墜落すると下の釜で茹でられてしまう)
今の様に情報が氾濫しておらず、インターネットなんてない世の中、地獄が本当にあるのか検証なんてできません。尊敬するお坊さんにそんな説教をされたら、地獄は怖い、行きたくないから悪い事しないっという発想になってしまうのかもしれません。
2.地獄に対する大衆の考え方の変化
時代が下るにつれて、地獄の考えで人の行動を縛るのは難しくなっていくようです。「太平記」などの南北朝時代を代表とする軍記物語に登場する武士たちは、たびたび「勇猛に戦って地獄へ行こう」などのセリフを言ったりします。その後鎌倉時代、室町時代、戦国時代の武士たちは極楽往生を諦めて、凄惨な現実の戦場を見つめるような考えに傾いていったようです。
その風潮からか「地獄破り」と呼ばれる物語が描かれてるようになり、地獄を恐れない風潮に変わっていきます。その後、平和になった江戸時代には地獄は怖さが薄れ、お笑いになっていきました。それは世界大戦を経た今現在でも変わらない気がします。
(閻魔様もこんなにポップに描かれています。)
戦争や天災により大衆が、「あの世の地獄」より「この世の地獄」という考えにシフトしていったのも、道理のような気がします。生きているのはいつの時代だって、大変なのですから。
3.地獄は何処にあると考えられていたのでしょうか
サンスクリット語のNaraka(奈落の語源)は、「地下の牢獄」(=地獄)を意味し、仏典によれば、閻浮堤(えんぶだい、この世)の地下に広がっているといいます。しかし道教や日本古来の信仰と混ざった結果、地獄は様々な場所に広がっていきます。
「今昔物語集」には母を亡くした3人の子供が越中立山(現在の富山県中新川郡立山町の地獄谷)へ行き、亡き母と再会する話が語られるそうです。山中他界(山中に死後の世界があると言う民俗信仰)の考え方と仏教が融合した結果、火山活動による噴気地帯が地獄と捉えられていたそうです。日本各地にある地獄の付く地名も、当時の人々に地獄として捉えられていたのでしょう。
次にご紹介しようとしている理不尽で救いようの無いと思われる物語では、日高川の底が地獄の場所となっていました。
死後の世界、地獄の光景について、当時の人々の想像豊かなことに軽く感動しました。
4.安珍清姫の伝説 恋の地獄
「道成寺絵詞(どうじょうじえことば)」が展示されていました。道成寺が所蔵する「道成寺縁起絵巻」の異本に該当する絵巻で、オリジナルとは諸々詳細が異なるのですが、ラストが大きく異なります。
三井寺の僧の賢学は、長者の娘と深い因縁で結ばれていると夢のお告げを受けて、修行の妨げになると恐れて、その娘を殺害します。時が過ぎて、清水寺で美しい娘に出会た賢学は、契りを結びますが、その娘は以前殺害した娘であることに気が付きます。娘は一命をとりとめ、生きていたのです。恐ろしく思った賢学は娘を捨てて逃げ出しますが、娘は愛しい賢学を追いかけます。
(注:デコが写っちゃいました。霊とかではありません。)
日高川を渡るうちに娘は蛇体に変身し、ある寺に賢学を追い詰めます。
賢学は鐘の中に逃げ込みますが、蛇体の娘は空に絡みつき、金を壊して賢学を捕まえ、ともに「奈落の底(=地獄)」に沈もうと言って、賢学を日高川の底へと連れて行きます。
日高川でのシーンが非常に恐怖でした。
「どちらまでお逃げになるのでしょう?どれほどお逃げになっても、逃がしはしませんよ。私が幼い頃、何も悪い事をしていないのに、殺そうとなさいましたが、今、私をお見捨てになるのなら、その時、お捨てになればよかったでしょうよ」と蛇体の娘が船を追ってくる。夢のお告げで、修行の妨げになるから人を殺すって、何たる自己中ですが、それを追ってくる娘もなかなかです。
船頭さんのセリフも秀逸です。「何の因果でこんな人を船に乗せたんだろう」と。こういう人身近でいませんか。
男女というのはいつの時代も一筋縄ではいきませんね。恋人、夫婦の事は、他人からは何にも言えないものですね。最悪までこじれてしまえば地獄です。
本家の話もなかなか理不尽です。絵解き説法を聴いて、私のもやもやを晴らしたいです。どこをもって悲恋物語というのか興味があります。
5.最後に
いつの時代でも人々の不安や心の葛藤は変わらず、その犯す罪もまた変わらないようです。理不尽で遣る瀬無い事件が起こる現在において、「あんた、地獄に落ちるわよ」システムが働かないのは大変残念な事だと思いました。もし全ての事件や犯罪の抑止力に、「死後地獄の責め苦が待っているという考え」がなるのなら、人間はもっと平和に生きていけるのではないでしょうか。
動物としての本能と人間としての理性、そのせめぎ合いの中で生きている、とても不安定な人間としての在り方は、何千年経っても変わらないものなんだなと思いました。自分は不安定で、内面にカオスを抱えていること、また相手も然りだと思いながら、生きていくことしかできないなと改めて実感しました。
それでは、昼は朝廷の宰相、夜は閻魔庁の冥官の小野篁先生と共に、お別れしたいと思います。
それではまた、次のおさんぽでお会いしましょう。
怖い浮世絵 太田記念美術館~夏のひんやりさんぽ
立秋も過ぎて暦の上では秋のはずですが、依然暑いですね。今も昔も、怖い話で涼を感じようという試みは同じようで、妖怪、怖い話業界は、まだまだ宴もたけなわです。
【怖い浮世絵に惹かれ】
今回は、太田記念美術館で行われている「怖い浮世絵」展と三省堂書店池袋本店で開催された「怖い浮世絵 怖いトークナイト」に行って参りました。太田記念美術館は、原宿ラフォーレの裏手にある、浮世絵を専門に展示している美術館です。
怖いトークナイトでは青幻舎さんから出版された「怖い浮世絵」を執筆された太田記念美術館主幹学芸員の渡邉晃さんが、浮世絵の見どころを解説してくださり、その解説を元に浮世絵を鑑賞できたので怖さと理解が増しました。
江戸時代~明治にかけての浮世絵が中心に展示されているので、当時の大衆が興味あったもの、浮世絵師が感じたことを想像するのはとても楽しいです。
渡邉さんがおっしゃられるには、「江戸時代の怖い浮世絵は、1.幽霊、2.化物、妖怪、3.血みどろ絵」だそうです。これにプラスアルファで「火事や噴火等の自然災害」も挙げられます。現在の怖いものとさほど変わらないようなラインナップです。
歌川国芳、歌川国貞、月岡芳年、歌川系の弟子ちの浮世絵が展示されていました。浮世絵の素敵だと思うところは、怖い場面であるけれど、どこかユーモラスだったり、洒落っ気があったり、皮肉が織り交ぜられたり、写真とは違う味があります。トークナイトで聞いた話と実際の感想を織り交ぜて、初心者なりに浮世絵を紹介してみます。
【気になった浮世絵と背景】
1. 国芳と国貞
歌川国芳は、猫好きとして有名です。踊る猫又の絵はとても可愛くて、Bunkamuraで以前開催されていた「ボストン美術館所蔵 俺たちの国貞 私の国芳」展で猫又の付箋まで買ってしまった始末です。
ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞(くにくに) | Bunkamura
その踊る猫又が描かれている国芳の「五十三駅 岡崎」と国貞が同じ系統のモチーフで描いた「東駅いろは日記」の猫又を是非比べてほしいです。国貞の猫又は、主観的にみて可愛くない。踊っているけど、愛くるしくない。国貞と国芳の猫愛の温度差の違いにくすっと笑えます。もちろん絵のタッチやお二人が感じ取ったものと絵の表現も全然違うので、その差の見比べも楽しいです。
2.月岡芳年とエロスと郵便報知新聞
月岡芳年の作品も多く飾られています。彼の浮世絵はスプラッタが苦手な私には、凝視できないものも多くありました。迫力がすごいです。写生を大事にしていたという背景から、これを本当に妊婦を天井からつるしたのか、顔の皮を剥いでみたのかなど気になります。
たびたび出てくる赤い腰巻で上半身裸という女性の絵は、その絵の女性の肌の白さとの相乗効果で、残酷なシーンの絵ではありますが、何とも艶めかしいです。表現者は、そのエロスの趣味まで衆人環視のもとにさらすことになってしまうので、大変ですね…。
郵便報知新聞のニュースの挿絵が、いくつか展示されていて面白かったです。怖い話トークナイトで解説を聴いて、このシリーズにグッと来てしまいました。酒好きのグデン徳さんが生き返った話とか、自分から離婚したのに、自分の都合で復縁を迫り断られて逆切れの話とか、今でもありそうなニュースです。
特に大工の棟梁の奥さんのニュースが記事と挿絵とのギャップに完敗です。毎晩12時ごろになると真っ黒な坊主が現れて、奥さんの口や顔を嘗め回すそうです。すったもんだの挙句、「しばらくしたら、最近は出てこないのでいなくなったのかなあ」というぼやっとした、サゲなしの記事にも関わらず全力120%の不気味な挿絵を提供していて、「芳年、真面目か!」と突っ込みたくなりました。
「怖い浮世絵」展のポスターで頭を抱えて絶叫しているおばあさんは、芳年の「和漢百物語 頓欲ノ婆々」の舌切り雀の意地悪おばあさんです。大きな葛籠を開いたら妖怪が出てきちゃったのシーンが描かれているのですが、出てきた妖怪が可愛いのにおばあさんが失神寸前とうギャップが面白くて、ポスターに採用したそうです。浮世絵のこういうお洒落な所に惹きつけられます。
3.源頼光と四天王
結構人気のシリーズなのでしょうか。某妖怪展でも何作かお目にかかりました。酒呑童子を退治したり、土蜘蛛と戦ったり、ヒーローぽくて格好いいです。
四天王の一人、渡辺綱の羅城門での茨木童子との戦いを描いた芳年作品の「羅城門渡邉綱鬼腕斬之図」は、躍動感があって格好いいです。漫画の一コマのようで、豪雨の表現も大胆です。
そんな彼らですが「破奇術頼光袴垂為搦」(キジュツヲ ヤブッテ ライコウ ハカマダレヲ カラメントス、読めない…)では、熊とうわばみが戦っているのを観ている隙に、大盗賊 袴垂保輔に自分たちの荷物を奪われてしまいます。熊とうわばみの戦いは、袴垂保輔の奇術だったそうです。海外の日本人観光客みたいで、親しみがもてます。荷物を取った後、袴垂氏がどうなったかは知らないのですが。
青幻舎「怖い浮世絵」によりますと、「大蛇が一橋慶喜、熊が徳川家茂、頼光が井伊直弼を現していて、将軍継嗣の問題を風刺しているとの見方」もあるそうです。
ちなみに四天王の一人、坂田金時は、成人した金太郎だそうで、銀魂とは何の関連もなくて残念でした。
【最後に】
大田記念美術館は、場所柄外国人観光客も多く、こんな残酷な絵を見せて大丈夫なのかしらと思いました。隠してもしょうがないので、これもクールジャパンじゃと堂々としていればいいかなとも思いました。「怖い浮世絵」展は、8/28(日)まで開催しています。
次回は、「KUNIYOSHI HEROS!!」ということで、血沸き肉躍る水滸伝の世界で、国芳が大暴れするそうです。水滸伝なのに、顔が和風で面白そう。行くなら予習で水滸伝を読んでいった方が楽しめそうですね。
最後に怖い浮世絵で、縮こまったハートを浮世絵ラテで元に戻して、フィニッシュです。池袋 三省堂書店1階で注文できます。絵柄はランダムだそうです。
それでは、また次のおさんぽでお会いしましょう。
フラソング さんぽ 「Pua Mana」お家に名前をつけてみる?
私たちのハラウ(フラダンス教室)では、一番初めに習う人が多い、プアマナというフラソング。ゆったりとした曲の中に、フラでよく出てくるハンドモーション(手の振付)がたくさん出てきて、とても勉強になります。
プアマナと言うのは家につけられた名前です。マウイ島ラハイナにあり、海の近くのその家の周りには花がたくさん咲いていていい匂い。ヤシの木が揺れ、月がとても綺麗な場所にそのお家はあります。素敵なお家"プアマナ"はみんなに愛されているいう内容の曲です。
家に名前をつけるという習慣はあまり日本に無い感じがしますが、私は日本人で家に名前をつけている方を一人だけ知っています。
彼女の家には、名前が付いていました。ご自分の表札の横に、家の名前の表札があり、外壁にしっかりと取り付けられていました。彼女は、当時、私の勤めていた会計事務所のお客様で、児童文学の翻訳をされている方でした。「海外では家に名前をつける事は、割と普通なんですよ」と、教えてくれました。
個人の確定申告を私が担当していたのですが、ある年、資料がなかなか来ず、連絡してみましたら、病気でベットからも起き上がれない状態と言うこと。お見舞いも兼ねて、私は彼女の元に伺いました。
その後しばらくして、彼女は亡くなり、銀座の教会で呆然とした面持ちでお葬式に参列し、最後の確定申告をして、全てが終わりました。
プアマナを踊る時、いつも彼女の事を思い出しているわけでは無いのですが、死について考えてしまう、この時期なので思い出してしまったみたいです。
自分が帰る場所を愛おしく思う、この素朴なフラソングは、人をゆったりと優しい気持ちにさせます。悲しかった思い出も、何だか大切で優しい時間だったと思うことが出来るようになった気がします。
余談ですが、彼女は、大のSMAPファンでした。病床を訪ねた際も、「キムタクのお宝グッズが沢山あるんだけど、高く売れるかな、財産を旦那様に少しでも多く残したいなぁ」と、言っていました。今、このSMAP騒動を知ったら、彼女は何て言うのかな、怒るかな、面白がってしまうかな、なんてまた思い出してしまいました。
この時期はしんみりと、思い出をさんぽ。
渋谷らくご シブラクさんぽ
落語、最近少し流行っているような気がしますが、どう思われますか。
しばらく落語から遠ざかっていましたが、昭和元禄落語心中をアニメで初めて観て、落語熱が再燃しました。(ちなみにアニメ「じょしらく」には全く反応しませんでした。)
更に今月のポパイの特集で落語が出てきて、私のカラーバス効果じゃなく、流行りが来ているなと思ました。
ジャズと落語。 - ポパイ (POPEYE) マガジンワールド
これは、落語に行ってみるしかない!しかし、どうやって寄席や噺家さんを見付ければいいのでしょうか。
1.渋谷らくごとの出会い
以前少し落語を聴きに行っていたといっても、ほとんど素人でよくわからないまま、きままに寄席に行っていたので、何で調べたらいいのか、どんな噺家さんがいるのか全く分からない。ふらっと池袋演芸場や新宿末廣亭に行って、何かを観てくるという時間の余裕はないので、どうしたものかと思案していたら、とてもよい寄席を見付けました。
その名も「渋谷らくご」、渋谷の円山町の大人な場所にある、ユーロライブで毎月5日間開かれる寄席です。
現在8月の渋谷らくごが16日(火)まで絶賛開催中です!
Podcastで渋谷らくごでの「まくら」、たまに「本編」も聞くことができるので、雰囲気も事前に確認できます。Podcastでは、サンキュータツオさんが噺家さんついての説明などをしてくださるので、渋谷らくごに出演される噺家さんのことが分かり、興味が持てる噺家さんを見付けることができます。
2.創作落語
そのPodcastで初めて知ったのは、創作落語というジャンルです。これまで古典落語しか聞いたことがなかったので、え~なんか邪道じゃない?と素人判断で勝手に思っていたのですが、そんなことはありませんでした。無知もいい所です。
Podcastで、第51回滝川鯉八さんのまくらと本編を少し聴いて、「何これ、素敵」となってしまいました。ランニングしながら聞いていていたので、一人で噴き出したり、にやにやしたり不審者でした。
鯉八さんは創作落語しかされない噺家さんだそうで、落語の新たな進化の前線で活躍されている印象を受けました。落語には江戸時代の話が多いので、話の背景など理解しがたい部分(時間の単位とか働く習慣等)もあるのですが、落語のテイストそのままで、現代のお話になっています。
3.初 渋谷らくご、「しゃっべっちゃいなよ」
満を持しての8月13日(土)、「創作らくごネタおろしの会」へ行ってきました。お盆にも関わらず、席はほぼ満席です。噺家さんの詳細な感想、分析は、お詳しい人にお任せするとして、簡単な感想です。
昔昔亭A太郎さんが体調不良のため、春風亭昇々さんがピンチヒッターで出てくるという神回。前日に言われて新作の創作落語を颯爽と披露した姿は素敵でした。残念イケメンと言われている昇々さんの噺を聴けたことは、思わぬ幸運でした。
笑福亭羽光さんのアダルトな噺に大爆笑でした。この噺を共有したくても一応女子なので口にできない。もどかしいっ。鯉八さんが次の出番で、「羽光がすみません」と言っていた事にも笑ってしまった。
瀧川鯉八さんの「長崎」。始めはしんみり始まって、そのままよく分からない空気にのまれて、若いカップルの長崎旅行にどっぷり入り込んでしまいました。これはもう一度聴きたい。
彦いち師匠の「長屋革命前夜」は作りが凝っており絶品でした。一見、AKBとかけていると思いきや、先月の参議院選挙や都知事選を古典落語の登場人物ともからめられていて何度もじっくり聴きたい噺でした。もっと落語の知識があれば、と学習欲を掻き立てます。
談吉さんのシロサイは、○○県民としては、特にグッとくる内容で、まくらで、ご本人がファンタジー(メルヘンだったかも)ですと言っていたのには、ぶはっとなってしまいました。
トイレ休憩なしの2時間ぶっ続けの公演でしたが、時間はあっという間に過ぎました。最後に、彦いち師匠とサンキュータツオさんが、感想と説明をシェアしてくれたので、さらに楽しめて、次の10月の創作らくごにも来たいという気持ちになりました。
4.初心者でも安心、更にここから深まる落語愛
日本の伝統って敷居が高いものでなかなかとっつきにくい。バックグラウンドが分からないと楽しむこともできない、めんどくさいものが多いです。着物一つ着るにしても、袷だ単衣だ、訪問着だ小紋だ、季節の柄が、色合わせが、小物がって面倒くさい。でも入口さえ押さえてしまえば、知らないうちに奥深い世界を楽しむことができます。
落語もよくわからないことが多いです。どんな噺家さんがいるのか、話をするのか、どこでやっているのか。テレビではほとんど見ることができないし、そもそも触れる機会がない。
少しでも興味があるのなら、渋谷らくごのホームページからPodcastをダウンロードして、上から順番に聴いてみることをお勧めします。公演の様子も分かるし、解説も聴けるのでとっつきやすいと思います。その入り口から気になるならどんどん、ディープな世界へ向かっていけばいいと思います。
余談ですが、今とても気になっているのが、立川志の春さん( 立川志の春 公式WEB )です。そのキャリアがインパクト大です。
米国イェール大学卒業後、三井物産で勤務、その後噺家さんにキャリア変更されています。英語落語をされているということなので、近々聴きに行きたいと思っております。
それでは、また次のおさんぽでお会いしましょう。
#シブラク #さんぽ
彼のことが気になって 西武鉄道さんぽ
しばらく前に気になる彼を駅で見つけました。
恥ずかしくて隠し撮りもできなかったのですが、ネットで調べてみましたら、彼は、SEIBUパスモツカイ隊のメンバーのお一人でした。
(プロフィールを読んで、どうかなと思ってしまいましたが。)
小説も漫画もアニメもゲームもストーリーがあるものは何でも賞味します。昨今、アニメを観ていて、これ西武線だよなと思うものが多々あり、この施策はとても気になっていました。西武鉄道では、2007年に「アニメのふるさとプロジェクト」を行ったり、西武線沿線に多くのアニメスタジオやアニメ・漫画のゆかりの地があるそうで、それがアニメとの結びつきを強くしたようです。
西武鉄道とアニメとのつながりは、手塚治虫先生が沿線に住んでいたこともあり、レオをプロ野球・埼玉西武ライオンズのマスコットキャラクターとして採用した所から、始まっているそうです。地元民なのに知りませんでした。確かに絵のタッチは、手塚先生です。
妖怪ウォッチを射止めた、西武の「アニメ力」 | 鉄道ビジネス | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
アニメとコラボをして、アニメのモデルとなった場所に巡礼したり、内容とリンクした演奏会を開いたり、ウォール・チチブを守ったり、ターゲット層になかなか偏りが見られる仕掛けですが、電車に乗りつつ、イベントを楽しめるし、地域活性を促せるので、西武鉄道と沿線のビジネスがお互いに手を組めるので、とてもいい企画だと思います。
アニメや映画の舞台となった場所を訪れて、その時の登場人物たちの思考や自分の思いにふけるのは何とも、素敵ではないでしょうか。自分の心の振り返りや、その時の登場人物たちはどう思っていたのかに思いを馳せたり、友達と盛り上がったり、何らかの癒しを得ることもできるのではないかと思います。ついでにポケモンでも捕まえた日には、一石何鳥とるのよ!です。
今日、SEIBUパスモツカイ隊のリンクを訪れましたら、新キャラクターが追加されていました。もう1人、メンバーがいるみたいなので、あと少し楽しめそうです。あまり流行ってはいないようなので、この後の展開はあまり期待していませんが…。
それでは、また次のおさんぽでお会いしましょう。
ゆるキャラ Shakaちゃんとの出会い 渋谷さんぽ