ぴこのねごと

さあ、つかの間の現実逃避へ。 旅とフラと時々経理の話

フィンランド イナリ サーミ Day4

3時過ぎに寝て、ゆっくり起きてブランチ。初日に購入したパンとスモークサーモン、チーズ、サラダを食す。普通のパンなのになぜこんなにおいしいのか。

 

今日は、満を持してオーロラハットというコテージに移動する。一泊450€というお値段だが、温かいお部屋からオーロラが楽しめるという。値段も値段なので、二泊だけ予約をした。

 

中に入っておどろいた。今までのコテージが二人で12,000円位だったので、2倍強のお値段設定だからと分かっていても、おどろく。しつらいが全然違う。豪華すぎて、部屋に入った途端笑ってしまった。キッチンとサウナは無いがとても広く素敵なお部屋だ。

 

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今までは部屋に入ったら、ベッドにシーツと布団カバーが置いてあって、せっせと布団と毛布にカバーをかける所からスタートだったのに、既にベッドは出来上がっており、おしゃれにディスプレイされていた。


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今までのシンプルな部屋と違い、無駄にもふもふがあったり、トナカイの毛皮が壁に貼り付けてあったり、おしゃれランプがあったり。北欧の底力を見た。


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トイレも広く、タイルも高級感がある。ハンドソープやボディソープが既においてあり、驚いた。今までにはない装備である。ドライヤーも全然ちがう。今までの何分やったらこのロン毛が乾くのだろうという風量ではない。

 

 

 

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しばしお部屋を堪能したあと、今日はSIIDA(サーミ民族博物館と北部ラップランド自然センター)へ向かう。窓口で来場者の国名を集計していて、恐る恐る「日本人」と答えたが、「今日初めての日本人ね!」と普通に言われて、「あ、はい」と拍子抜けしてしまった。日本と温度感が違う。

 

サーミとは、スカンジナビア半島北部ラップランド及びロシア北部コラ半島に居住する先住民族でトナカイとともに暮らしている遊牧民族である。フィンランドノルウェースウェーデン、ロシアに広がって住んでいるそう。イメージ的には北海道のアイヌと近いのだろうか。

 

サーミのことを知ったのは、去年ノルウェーに行った時だ。ヨイクという精霊と交信を行うために歌う音楽が流れる博物館で、不思議な気持ちで彼らの衣装や文化を初めてみた。ヨイクはなかなか興味深い。

 

シャーマニズムとの関連から、ヨイクは自然界とコミュニケーションを取るための道具、方法としてとらえられる。太陽や月、山、川などを対象に、その成立に関する物語を歌う、叙事詩のような形式を取ることもあれば、対象への賛美と感謝を歌う讃歌のような形式を取ることもある。

自然界に対してだけでなく、人間同士のコミュニケーションのためにも用いられる。赤ん坊が誕生した時、その子供に対して歌われたり、親しい人同士で、その人の外観、人格的美点、欠点、人生など描写したヨイクを歌い合うこともある。また、たった一人でトナカイが牽く橇に乗ったとき、その孤独を癒すためにも歌われる。

 

 https://ja.wikipedia.org/wiki/サーミ人#音楽

 

森羅万象に宿る精霊を信仰してる部分に、日本の神道アイヌ、ハワイでの多くの神々がいる状況と似ているなと思う。一神教の国が多い中、多くの迫害を受けることもあったのは、よくある話過ぎてつらい。第二次世界大戦の頃、多くのサーミフィンランド、イナリへ移動してきたそう。

 

shibuya.uplink.co.jp

スウェーデンを舞台にしての映画があるのでご興味ある方は、Amazon PrimeApple TVで見ることができる。私は闇落ちしてしまうので、メンタルが300%くらいHappyな時しか、この手の映画を見ない。ちなみにまだ見れていない。

 

トナカイとともに移動して生きる生活、全く想像ができない。家を借りないで住むところを転々とする人たちがいるけれど、今の日本ではそんなイメージだろうか。今は定住するサーミが多いそうだ。

 

ゴールデンカムイやヴィンランドサガを見て、雪深い冬が厳しい地域で生きていく人々に尊敬をしていたが、イナリに来てさらに尊敬Lvが上がった。雪がいっぱいあるとサウナの後、雪に飛び込めるから気持ちいいよね、とか浮ついてしまって、ごめんなさい。

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 SIIDA前のお土産屋さん。現在は閉まっている。夏はイナリ湖の観光船の発着場所になるそう。

 

 

 

イナリに来て、外食をほぼしていないので、ホテルイナリにてサーモンスープとイナリ湖で取れた魚盛り前菜をいただく。美味。ホテルイナリのレストランは少し混んでいたが、まったり食事できた。フランス人やドイツ人、中東の方々がいたが、ここでも特に嫌な思いもせず、心地よい時間と料理を楽しんだ。 アジア人は見当たらなかった。

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サーモンスープ。安定のおいしさ。フィンランドに来たら絶対にのみたい。


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何か色々な魚の前菜。どれも美味。緑の抹茶の粉みたいな調味料が最後まで何だか分からなかった。味はほのかに甘い。しけった触感。

 

 

早めの夕飯を楽しんで、いそいそとホリディヴィレッジに戻る。18時から21時まではKp3なので、北の空をパトロールしないとならない。暗くなる雪道を転ばないように急ぐ。この瞬間にオーロラが現れているかもしれないと思うと気が気ではない。

 

 

部屋を暗くして、窓からオーロラを探す。ゆっくりだが夜空に大きく広がる緑の光。しばらく楽しんでいたが、どうしても外で見たくて、服を着て5分後にイナリ湖畔へ向かう。部屋の中は、温かく極寒の外に出る服装だと暑すぎる。外に出るために服を着るとどうしても時間がかかる。焦っているから余計だ。

 

しばらく観察していたが、晴れた空に浮かぶ、オーロラのご機嫌は悪い。昨夜の様にカーテンの様になびいてくれないし、なかなか出てきてくれない。緑の靄のように見える。 

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この薄さだと、部屋からは認識できない。またこの日、湖に来ていた団体は、暗闇でヘッドランプをカメラの設定のために頻繁につけるので、暗順応がうまくできずにイライラした。眩しいって!


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大きくなるかと思えば、すぐに消えてしまう。はかない。


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薄っすらとして、雲と見分けがつきにくい。 

 

この後お風呂に入ったり一度休憩をして、12時から再度外に出たが、風が強く吹くだけで、オーロラは現れてくれなかった。昨日のオーロラは奇跡だったのかもしれない。奇跡は分からないうちに通り過ぎているものなのだ。

 

この時期は、フィンランドのコロナ罹患者は、二人だった。一人は、武漢からロヴァニエミに来ていた中国人、もう一人はイタリア旅行に行っていたフィンランド人。コテージでほとんど他の人々と合わない生活だった。今から考えるとホテルに宿泊するよりよかったかもしれない。

 

この時は緊急事態宣言が出ることになるとは、思っていなかった。