ぴこのねごと

さあ、つかの間の現実逃避へ。 旅とフラと時々経理の話

フラソング さんぽ 「Pua Mana」お家に名前をつけてみる?

    私たちのハラウ(フラダンス教室)では、一番初めに習う人が多い、プアマナというフラソング。ゆったりとした曲の中に、フラでよく出てくるハンドモーション(手の振付)がたくさん出てきて、とても勉強になります。

 

    プアマナと言うのは家につけられた名前です。マウイ島ラハイナにあり、海の近くのその家の周りには花がたくさん咲いていていい匂い。ヤシの木が揺れ、月がとても綺麗な場所にそのお家はあります。素敵なお家"プアマナ"はみんなに愛されているいう内容の曲です。

f:id:Cagedsheep:20160816213055j:image

    家に名前をつけるという習慣はあまり日本に無い感じがしますが、私は日本人で家に名前をつけている方を一人だけ知っています。

 

    彼女の家には、名前が付いていました。ご自分の表札の横に、家の名前の表札があり、外壁にしっかりと取り付けられていました。彼女は、当時、私の勤めていた会計事務所のお客様で、児童文学の翻訳をされている方でした。「海外では家に名前をつける事は、割と普通なんですよ」と、教えてくれました。

 

    個人の確定申告を私が担当していたのですが、ある年、資料がなかなか来ず、連絡してみましたら、病気でベットからも起き上がれない状態と言うこと。お見舞いも兼ねて、私は彼女の元に伺いました。

 

    その後しばらくして、彼女は亡くなり、銀座の教会で呆然とした面持ちでお葬式に参列し、最後の確定申告をして、全てが終わりました。

 

    プアマナを踊る時、いつも彼女の事を思い出しているわけでは無いのですが、死について考えてしまう、この時期なので思い出してしまったみたいです。

 

    自分が帰る場所を愛おしく思う、この素朴なフラソングは、人をゆったりと優しい気持ちにさせます。悲しかった思い出も、何だか大切で優しい時間だったと思うことが出来るようになった気がします。

 

 f:id:Cagedsheep:20160816212923j:image

   

    余談ですが、彼女は、大のSMAPファンでした。病床を訪ねた際も、「キムタクのお宝グッズが沢山あるんだけど、高く売れるかな、財産を旦那様に少しでも多く残したいなぁ」と、言っていました。今、このSMAP騒動を知ったら、彼女は何て言うのかな、怒るかな、面白がってしまうかな、なんてまた思い出してしまいました。

 

この時期はしんみりと、思い出をさんぽ。

 f:id:Cagedsheep:20160816213010j:image

渋谷らくご シブラクさんぽ

 落語、最近少し流行っているような気がしますが、どう思われますか。

 

 しばらく落語から遠ざかっていましたが、昭和元禄落語心中をアニメで初めて観て、落語熱が再燃しました。(ちなみにアニメ「じょしらく」には全く反応しませんでした。)

アニメ「昭和元禄落語心中」

 

 更に今月のポパイの特集で落語が出てきて、私のカラーバス効果じゃなく、流行りが来ているなと思ました。

ジャズと落語。 - ポパイ (POPEYE) マガジンワールド

 

 これは、落語に行ってみるしかない!しかし、どうやって寄席や噺家さんを見付ければいいのでしょうか。

 

1.渋谷らくごとの出会い

 以前少し落語を聴きに行っていたといっても、ほとんど素人でよくわからないまま、きままに寄席に行っていたので、何で調べたらいいのか、どんな噺家さんがいるのか全く分からない。ふらっと池袋演芸場新宿末廣亭に行って、何かを観てくるという時間の余裕はないので、どうしたものかと思案していたら、とてもよい寄席を見付けました。

 

 その名も「渋谷らくご」、渋谷の円山町の大人な場所にある、ユーロライブで毎月5日間開かれる寄席です。

 現在8月の渋谷らくごが16日(火)まで絶賛開催中です!

初心者でも楽しめる「渋谷らくご」|ユーロライブ

 f:id:Cagedsheep:20160814172328j:image

 Podcastで渋谷らくごでの「まくら」、たまに「本編」も聞くことができるので、雰囲気も事前に確認できます。Podcastでは、サンキュータツオさんが噺家さんついての説明などをしてくださるので、渋谷らくごに出演される噺家さんのことが分かり、興味が持てる噺家さんを見付けることができます。

 

2.創作落語 

 そのPodcastで初めて知ったのは、創作落語というジャンルです。これまで古典落語しか聞いたことがなかったので、え~なんか邪道じゃない?と素人判断で勝手に思っていたのですが、そんなことはありませんでした。無知もいい所です。

 

 Podcastで、第51回滝川鯉八さんのまくらと本編を少し聴いて、「何これ、素敵」となってしまいました。ランニングしながら聞いていていたので、一人で噴き出したり、にやにやしたり不審者でした。

 

 鯉八さんは創作落語しかされない噺家さんだそうで、落語の新たな進化の前線で活躍されている印象を受けました。落語には江戸時代の話が多いので、話の背景など理解しがたい部分(時間の単位とか働く習慣等)もあるのですが、落語のテイストそのままで、現代のお話になっています。

 

3.初 渋谷らくご、「しゃっべっちゃいなよ」

 満を持しての8月13日(土)、「創作らくごネタおろしの会」へ行ってきました。お盆にも関わらず、席はほぼ満席です。噺家さんの詳細な感想、分析は、お詳しい人にお任せするとして、簡単な感想です。

 f:id:Cagedsheep:20160814172251j:image

 昔昔亭A太郎さんが体調不良のため、春風亭昇々さんがピンチヒッターで出てくるという神回。前日に言われて新作の創作落語を颯爽と披露した姿は素敵でした。残念イケメンと言われている昇々さんの噺を聴けたことは、思わぬ幸運でした。

 

 笑福亭羽光さんのアダルトな噺に大爆笑でした。この噺を共有したくても一応女子なので口にできない。もどかしいっ。鯉八さんが次の出番で、「羽光がすみません」と言っていた事にも笑ってしまった。

 

 瀧川鯉八さんの「長崎」。始めはしんみり始まって、そのままよく分からない空気にのまれて、若いカップルの長崎旅行にどっぷり入り込んでしまいました。これはもう一度聴きたい。

 

 彦いち師匠の「長屋革命前夜」は作りが凝っており絶品でした。一見、AKBとかけていると思いきや、先月の参議院選挙や都知事選を古典落語の登場人物ともからめられていて何度もじっくり聴きたい噺でした。もっと落語の知識があれば、と学習欲を掻き立てます。

 

 談吉さんのシロサイは、○○県民としては、特にグッとくる内容で、まくらで、ご本人がファンタジー(メルヘンだったかも)ですと言っていたのには、ぶはっとなってしまいました。

 

 トイレ休憩なしの2時間ぶっ続けの公演でしたが、時間はあっという間に過ぎました。最後に、彦いち師匠とサンキュータツオさんが、感想と説明をシェアしてくれたので、さらに楽しめて、次の10月の創作らくごにも来たいという気持ちになりました。

 f:id:Cagedsheep:20160814172307j:image

4.初心者でも安心、更にここから深まる落語愛

 日本の伝統って敷居が高いものでなかなかとっつきにくい。バックグラウンドが分からないと楽しむこともできない、めんどくさいものが多いです。着物一つ着るにしても、袷だ単衣だ、訪問着だ小紋だ、季節の柄が、色合わせが、小物がって面倒くさい。でも入口さえ押さえてしまえば、知らないうちに奥深い世界を楽しむことができます。

 

 落語もよくわからないことが多いです。どんな噺家さんがいるのか、話をするのか、どこでやっているのか。テレビではほとんど見ることができないし、そもそも触れる機会がない。

 

 少しでも興味があるのなら、渋谷らくごのホームページからPodcastをダウンロードして、上から順番に聴いてみることをお勧めします。公演の様子も分かるし、解説も聴けるのでとっつきやすいと思います。その入り口から気になるならどんどん、ディープな世界へ向かっていけばいいと思います。

 

 余談ですが、今とても気になっているのが、立川志の春さん( 立川志の春 公式WEB )です。そのキャリアがインパクト大です。

 米国イェール大学卒業後、三井物産で勤務、その後噺家さんにキャリア変更されています。英語落語をされているということなので、近々聴きに行きたいと思っております。

 

 それでは、また次のおさんぽでお会いしましょう。

#シブラク #さんぽ

彼のことが気になって 西武鉄道さんぽ

 しばらく前に気になる彼を駅で見つけました。

 恥ずかしくて隠し撮りもできなかったのですが、ネットで調べてみましたら、彼は、SEIBUパスモツカイ隊のメンバーのお一人でした。

PASMO電子マネーのご利用:西武鉄道Webサイト

 

f:id:Cagedsheep:20160806113620j:plain

(プロフィールを読んで、どうかなと思ってしまいましたが。)

 

 小説も漫画もアニメもゲームもストーリーがあるものは何でも賞味します。昨今、アニメを観ていて、これ西武線だよなと思うものが多々あり、この施策はとても気になっていました。西武鉄道では、2007年に「アニメのふるさとプロジェクト」を行ったり、西武線沿線に多くのアニメスタジオやアニメ・漫画のゆかりの地があるそうで、それがアニメとの結びつきを強くしたようです。

 

 西武鉄道とアニメとのつながりは、手塚治虫先生が沿線に住んでいたこともあり、レオをプロ野球埼玉西武ライオンズマスコットキャラクターとして採用した所から、始まっているそうです。地元民なのに知りませんでした。確かに絵のタッチは、手塚先生です。

妖怪ウォッチを射止めた、西武の「アニメ力」 | 鉄道ビジネス | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

 アニメとコラボをして、アニメのモデルとなった場所に巡礼したり、内容とリンクした演奏会を開いたり、ウォール・チチブを守ったり、ターゲット層になかなか偏りが見られる仕掛けですが、電車に乗りつつ、イベントを楽しめるし、地域活性を促せるので、西武鉄道と沿線のビジネスがお互いに手を組めるので、とてもいい企画だと思います。

 

 アニメや映画の舞台となった場所を訪れて、その時の登場人物たちの思考や自分の思いにふけるのは何とも、素敵ではないでしょうか。自分の心の振り返りや、その時の登場人物たちはどう思っていたのかに思いを馳せたり、友達と盛り上がったり、何らかの癒しを得ることもできるのではないかと思います。ついでにポケモンでも捕まえた日には、一石何鳥とるのよ!です。

 

 今日、SEIBUパスモツカイ隊のリンクを訪れましたら、新キャラクターが追加されていました。もう1人、メンバーがいるみたいなので、あと少し楽しめそうです。あまり流行ってはいないようなので、この後の展開はあまり期待していませんが…。

 

 それでは、また次のおさんぽでお会いしましょう。    

ゆるキャラ Shakaちゃんとの出会い 渋谷さんぽ

 7/16(土)~17(日)に渋谷ヒカリエで開催されていたHawaii Expoへおさんぽ
 
    ハワイ州観光局の主催で、航空会社、レンタカー会社、ホテル、ウェディング会社、ハワイで展開しているショップやウクレレ体験等ができるワークショップ、フラのステージ、ハワイ好き芸能人のトークショーなどがヒカリエにギュッと凝縮されたイベントでした。
 
 フラを習っている、そして教えてもいる私は、一度は行っておかなくてはならないと勇気を奮い立たせて、17日(土)の朝10時に会場に押して参りました。開場したばかりなので、ヒカリエ9Fは老若男女でひしめき合っています。その行列を見て心折れそうになりましたが、エントランスのフラステージで”Do the Hula”を踊っているらしく、その軽快な曲に自分を強制的に盛り上げています。入場にあたってインターネットでの事前登録が推奨されていましたが、事前に登録していない人があまりに少なく、入口は事前登録をしていなかった人用の方が空いているようでした。
 f:id:Cagedsheep:20160726194923j:image
 
    入ってすぐのホールは、企業ブースが設置されており、各ブースではアンケートに記載すると無料の航空券や割引券が当たるというようなキャンペーンをやっていました。あまり興味がなかったので、何一つ行いませんでしたが、多くの人はこぞって記入したり粗品をもらったりしていました。奥のホールは、物販ブースでハワイ各島からやってきた素敵なショップが連なっていました。
 
   フラが好きな事もあり、ハワイも好きなのですが、観光地やショッピングにはあまり興味が無く一通り会場を回って、帰ろうかなと思っていたところ、センターステージでミス ハワイの挨拶とフラお披露目があるというアナウンスに導かれて、最後に立ち寄ることにしました。
f:id:Cagedsheep:20160726194857j:image
 
    ミス ハワイと一緒に出てきたのが、ゆるキャラShakaちゃんでした。うわ〜ハワイ州やっちゃったよと一瞬引いたのですが、会場に流れたShakaちゃん誕生のストーリーに心を揺さぶられました。
 
 働き者のMr.グーが、導かれるようにハワイに行き、 そこで、優しさ(Akahai)、協調性(Lōkahi)、思いやり(‘Olu‘olu)、謙虚さ(Haʻahaʻa)、忍耐(Ahonui)、その頭文字を取った”ALOHA”に触れて、Shakaちゃんになるというストーリーでした。
 
 
 ハワイでもハワイ人とアメリカ人の争いがあったり、すぐに水道管が破裂したり、計画通りに事業が進まなかったり、どこかで凄惨な事件やどうしようもできない出来事があります。それでもALOHAと言える、その心の余裕にとても惹かれます。
 
 いつもいつも張り詰めた状態でいるのではなく、こまめにちょうどよい状態に戻して、生きていければいいと私は思います。生きていることは、それだけでとても大変なことだと思いますので。私の場合は、力が抜けるのは、ALOHA精神だったり、フラなのだなと思います。
 
 ただ、Shakaちゃんを観ている時、後ろにいた40代の女性が、「うちの社長すぐ、社員はオハナだとか言うんだよね~」「オハナって何?」「家族とか言う意味らしいよ」「ふーん」という会話をしていて、そういう社長はちょっと気持ち悪いなと思いましたので、仕事場では言わないでおこうと思います。
 
 最後に、下記、少々突っ込みたいです。
 ロマンス親善大使、痛いです。東MAXが出てくると途端にお金のにおいがしてきます。そしてここでも妖怪ウォッチです。USAからトムっちが遊びに来るミャウ!らしいです。ハワイを共通にイベントを立てているせいか、ターゲットとする来客層が多岐に渡り、若干迷走気味な印象を受けます。ヒカリエでは会場が狭いかなと思っていましたが、無料ですし、これくらいの規模の方が老若男女がいっぺんに楽しめるので丁度いいのかもしれませんね。
 

 f:id:Cagedsheep:20160728125528j:plain

 それではまた、次のおさんぽでお会いしましょう。
 有難うございました。

マレーシア・シンガポールさんぽ Day3 ー ボーダーを超えて行く

 

 シンガポールからマレーシアに入国すると明らかにマレーシアとは違う都会の雰囲気を感じます。ここは、整然と規律で管理された国、アジアの中心として、色々な種類のアジア人、欧米人が入り混じっています。

 

 シンガポールは、地下鉄のエスカレーターの速さも違います。すべてのエスカレーターが、東京メトロ副都心線のホームから地上に上がるまたは降りるエスカレーター級の速さで動きます。

 

シンガポールでのお夕食】

 

 団体ツアーの食事は経費削減対象なので、仕方ありません。お昼のヒルトンと比べると悲しい感じになりますが、誰のディナーショー会場かという場所で、中華料理ディナーです。シンガポールでは一般的な結婚式場だそうです。ここで注文されたビール代も込み込みでこのツアーが企画されているので、飲みたい人はどんどん注文してくださいませという優しい気持ちで持ち直します。

 f:id:Cagedsheep:20160718143913j:image

 団体ツアーの苦手な点の一つ、他のツアー客とともに食事をとらなくてはならないことです。ポジショニングを間違いますと、大変不愉快な思いをします。明日のチリクラブのディナーの際に、待っている出来事をこの時の私は知る由もありませんでした。

 

【夜のマリーナ・ベイ・サンズ】

 

 この日は自由時間があったので、夕食後マリーナベイサンズまで夜の散歩に行きました。MRTに乗ってタンジョンバガー駅からベイフロント駅まで行くと、そこはライトアップが美しい、シンガポールのベイエリアが広がっています。

 f:id:Cagedsheep:20160718143953j:image

 ガーデンズ・バイ・ザ・ベイのスーパーツリーのショーは、音楽に合わせて光の色が変わったり、点灯したり美しいファンタジーの世界観を感じます。イルミネーションというと冬の様にも感じますが、ここは赤道近くの南国、花火大会のよう。昼間より涼しいけれど、蒸し暑い空気の中、光に人々が集まって、談笑したり、ビールを飲んだり、名残惜しい日曜日の夜を各々が楽しんでいました。

 f:id:Cagedsheep:20160718144016j:image

 その後、マリーナ・ベイ・サンズへ向かって歩くと、イルミネーションのショー「ワンダフル」を観ることができました。フィナーレには多くのシャボン玉も飛び、なんとなく涼しげです。


 ツアー客の一部は、オプショナルツアーに参加してこのイルミネーションを観に行っていました。送迎付きで、クラークキーを散歩し、船からショーを観るそうなのですが、料金は7,500円です。正直コスパがいいかどうかは、その人の機動力と旅行の楽しみ方によります。ちなみに、私がかけたコストは、MRT 代、1.8シンガポールドル x2で、3.6シンガポールドル(約288円)でした。

 f:id:Cagedsheep:20160718223510j:image

 夜景を楽しみつつ歩き、人気のないマーライオンパークを通り、さみし気に水を吐き出すマーライオンを見て、帰路に着きました。

 

シンガポール市内観光からの健康寝具店】

 f:id:Cagedsheep:20160718171731j:image

 定番のマーライオンパーク、ラッフルズホテル、オーチャード通りの免税店、マリーナベイサンズの展望デッキ、植物園をぐるっと回り、団体ツアー定番のお土産屋さんへ連行されました。

 

 まじめに写真を撮っておけばよかったと今更ながら後悔しております。なぜなら、健康寝具店へ連れていかれたからです。海外旅行に来て、なぜマクラのお店に連れていかれるのか、荷物になるような少々お高いマクラを買う客がいるのか、マーケティングがおかしくないのかなど、疑問が一気に頭の中を駆け巡ります。確かに旅行の日程表にも健康寝具店へ行くと記載されていました。

 f:id:Cagedsheep:20160718222031j:image

 天然ラテックス素材のマクラ、ベットマットで、抗菌性、通気性、耐久性に優れているらしいです。ヨーロッパの王室・貴族で昔から使用されている最高級寝具で、東南アジアの自社工場で製造・販売をしているため、高品質・低価格を実現しているそうです。

 

 セミナールームのような場所に連れていかれ、着席し、社員の方のプレゼンを聞きます。社員の方は、すべて日本人でした。マクラの上にダンベルを落としたり、触らせたり、笑わせたり、4つ以上マクラを購入すると日本へただで郵送してくれる、通気性がよいので、圧縮するとフェイスタオル位小さくなるなど荷物問題解決も提案し、型通りの商品説明が終わると、社員5人くらいが一気に営業開始です。

 

 オフィス内には、「世界ふしぎ発見」で、この会社が登場した時の映像がエンドレスで流れています。写真を撮りたかったのですが、社員の方々の視線が、それはもう怖くて。顔は笑っているのに、目が鋭い。日本人が海外で日本人をターゲットにビジネスをしているのが、少々怖かったです。旅先で出会った現地の日本人には気を付けた方がいい、詐欺の可能性が高いとよく聞いていたので、企業という後ろ盾があっても、騙されそうで警戒心が最高潮に高まった瞬間でした。この旅で一番警戒した時間を過ごしました。

 

 マクラは、1つ10,000円位、ベットマットは70,000円位しました。バスに戻ると、戦利品の数個のマクラとともに戻ってくるツアー客が多く、驚きを隠せません。まともそうな人だなと思った人も、家族分と言って何個も購入していました。この人たちは、何故シンガポールでマクラを購入してしまうのか。理解に苦しみます。共食い、という不穏な単語が浮かびましたが、購入者が満足しているのだからいいのでしょう。

 

【チリクラブレストランでの小さな出来事】

 

 シンガポール名物、チリクラブを食べずして、シンガポールに行ったとは言えないでしょう、ということでこの旅最後の夕食は、チリクラブで有名と(本ツアーで?)言われているレストランへ行きました。適当に円卓に座り、メインのチリクラブが出てくるまで待ちます。

 

 私が座ったテーブルには、夫婦ばかりが座っています。60代以上の夫婦たち、料理が出てくると奥様達がかいがいしく、料理を旦那様と自分に取り分けます。円卓なので順番に料理が回ってくるので、最後の方は残り物になっています。レストランも考えなしなのでどうかと思うのですが、エビの塩焼きが回ってきたときに、悲劇が起こりました。

 

 初めにエビを取った奥様が、旦那様と自分に一人二匹の計算で4匹エビを捕獲したので、その後の奥様方も4匹取っていきます。私の所に回ってくるまでに、エビは、1匹しか残っていませんでした。弟にそのエビを奪取したので、私自身は食べることはできませんでした。


    エビがそんなに食べたかったのかと言われれば、そうでもないのですが、自分の分がないという事にひどくショックを受けました。


 そのことについて、他の夫婦は気が付いていなかったのか、気づかないふりをしていたのか分かりません。私はポジショニングの失敗にひどく後悔しました。もっと女性ばかりのグループに入っていれば、がつがつと何も考えずに食事をとる男性も気の利かない奥様もいなかったのになと。

 

 人間年を取ると、視野が狭くなり、全体を見ることもできなくなり、また自分の頭で考えられなくなるものなんでしょう。飛躍し過ぎかもしれませんが、日本社会の縮図をこのシンガポールの最後の夕食で見たような気がします。そりゃあマクラも買っちゃうよねと残念に思い、利口な人にカタにはめられてしまうのも無理はないなと思いました。いい年した日本人が海外で詐欺のターゲットにされてしまうのも、仕方ない事です。命がある事を幸せと思った方がいい。

f:id:Cagedsheep:20160718170415j:image 

チリクラブ、前に来た時に食べたものと違うような

 悔しかったのとさみしい思い出で終わるのが嫌だったので、やる気のあるシンガポールセブンイレブンで、Ben&Jerry'sのアイスを奮発して、ホテルの部屋でおいしくいただきました。

    これで今回の旅は終わりを迎えました。 


【まとめ】

  • 団体ツアーは、キャッシュフローから見ればコスパはよい
  • 企画する会社の選択を間違えると、同じ日本人なのかとツアー客との価値観の相違に驚くが、日本人とは、世界から見た日本人について深く考えることができる
  • 食事は自分のタイミングで好きなものを楽しむことはできない。どうしても早食いになってしまう。自分の分が無くなっちゃうから!
  • 添乗員やガイドに従って行動していればいいので、楽
  • 移動手段についても基本はバス、電車に乗っていればいいので、楽
  • 某新聞系のツアーはネットを使わないような参加者が多数なので、年齢が上がり、今の自分には合わない人種が集まる

 

【思ったこと】

 

 今回は時間があった弟の首根っこをつかんで、一緒にツアーに参加しました。二人で参加していたので、初日から新婚さんだと思われていて、否定しても全然話を聞かないため面倒くさかったです。ガイドさんに姉弟で参加していると話したら、最終日くらいにはやっと姉弟だとツアー客が理解してくれました。と言うか、ガイドに聞くなよ、直接こっちに聞けよとも思いました。参加者が人の話を聞かず、思い込みで話しかけてくるのでひどく面倒くさかったからです。

 

 50代以上の典型的な夫婦(サラリーマン、専業主婦、子供在り)とは全く違う次元で生きていることを実感しました。そしてそういう人たちが日本にぎっしり詰まっているのかと思うと、私が日本で感じる閉塞感の原因の一部は、そういう人たちが作り出しているのかもしれないと思いました。

 

 自分に合った旅行企画会社を選べば、よいコスパで効率的に旅行ができるので、個人では行きずらい場所に行く時、時間の制約がある時には便利だと感じました。その国も景色も、一緒に行った人々やガイドさんもひっくるめて旅の構成要素なので、全て私の旅で大切にしたいと思っています。

 

【おまけ】

 マレーシアで使用停止になっていたクレジットカードについて、後日分かったことですが、去年カナダでヒルトンホテルに宿泊した際に使用したクレジットカード情報が、洩れて流出したそうです。ある一定期間に全世界のヒルトンホテルに宿泊した人のクレジットカードが被害にあったとのことで、私のカードもアメリカで不正使用されたことが確認できたため、急きょ使用停止になったそうです。これもまた旅。

 

    長々とお付き合い有難うございました。それでは、また次のおさんぽでお会いしましょう。 

マレーシア・シンガポールさんぽ Day2 ー ボーダーを超えて行く

 

 昨夜ホテルの下のショッピングセンターのスターバックスで何とかフラペチーノをカードで買おうとしたら、クレジットカードが使えない。何度やっても使用できず、リンギットも無く、シンガポールドルも使えず、すったもんだの挙句、お金を払う前にスタッフが作ってしまったフラペチーノを無料でいただきました。

 

 スタバのカード読取機がおかしかったんだとハーゲンダッツでもカードを使用しようとしたら、やはり使用できず。再び、お金を支払う前に作ってしまったアイスを無料でいただきました(デジャブ)。

 

 クレジットカード使えない詐欺みたいと申し訳ない気持ちで、ホテルの部屋で無料のフラペチーノをいただきながら、PINコードが間違っていたのだろうか、何が起こっているのだろうかと悶々としました。カードが利用停止になって使用できないのだから、不正に使用されることはないだろうし、日本に帰って連絡すればいいかとのんびりと考えながら、今朝を迎えました。

 

 旅にトラブルはつきもの。気持ちを切り替えて、いよいよマレーシア、シンガポールの国境を越えます。タンピン駅からマレー鉄道に乗って、ジョホールバルまで、5時間半の列車の旅から本日はスタートです。

  

ジョホールバルへ】

 本日の衝撃の朝食をバスで移動しながらいただき、タンピン駅に到着しました。

 f:id:Cagedsheep:20160714163748j:image

 マレーシアの電車は、時刻表があるにもかかわらず、時間通りには来ないとのこと、そして必ずしも到着が遅くなるわけではなく、早まることもあるそうです。朝6:37の電車のために、5:50頃から蒸し暑く、薄暗い構内で電車を待ち続けること、1時間。6:50に電車が駅のホームに到着しました。

 f:id:Cagedsheep:20160714163814j:image

 早速電車に乗り込み、添乗員さんから渡された電車のチケット片手に、自分の席を探しますが、指定された席が無いようです。どうやら乗る電車、車両はあっているのですが、電車の車体が予約時のものと違うらしく、席の配置が違うようです。適当すぎます。日本なら暴動が起きています。路頭に迷った30名は、うろうろした挙句、適当な席に着席。ほとんどが夫婦だったのですが、なぜか一人席には多くの男性陣が陣取り、いつの間に仲良くなったのか、奥さんとその他女性たちが固まって、平日のファミレスのような井戸端会議が延々と始まりました。

 

 マレー虎がうようよいるというゴムの木の森を抜けて、電車は走りますが、止まってみたり減速してみたり、歩みは非常に遅いです。高速鉄道の建設が話題になるのもわかります。

 

 乗車時間が4時間を過ぎて、固まって井戸端会議をしている女性陣たちの、一番の話題は、電車のトイレについてです。どうやらものすごく汚いらしく、どこにも触りたくなかった、なぜあんなに汚すことができるのかという話題で持ちきりです。旅の話のネタとして行くべきだったと思うのですが、日本でもトイレについてはデリケートな方なので、我慢をしてしまいました。

 

 女性陣の反応は、様々でとても面白かったです。ある方は、そんなに騒ぐほどでもない、またある方は、誰か一緒についてきてとお願いし、他の方は、まあひどかったよと騒ぐのみ。人生経験や性格の差なんでしょうかね。いい年の奥様でも、いやーん怖くて行けないというテンションの方、いつまでも乙女で可愛いのですが、果たして素なのでしょうか。

 

ジョホールバルシンガポール

 

 お昼は、団体ツアーに珍しくヒルトンホテルでのビュッフェです。もっさい印象のクアラルンプール、ヨーロピアンな街並みのマラッカと比べると、ジョホールバルは今まで通ってきた都市とはまた違う印象を受けます。なんとなく整然としたシンガポールの気配を感じます。

 f:id:Cagedsheep:20160714164013j:image

ジョホールバル セントラル駅

 刑務所があり、バスで横を通り抜ける際にガイドさんが、むち打ちの刑について話をしてくれました。むち打ちの刑というと刑が軽いように感じるかもしれませんが、その鞭にはとげが埋め込まれており、10回も打たれれば打たれた部分の皮が剥け、血がほとばしるとのことでした。昔ながらの体罰とんでもないし、シンガポールイスラム国家でもこの刑は今でも行われているそうなので、マレーシア、シンガポールイスラム国家でむち打ちの刑を受けることがないようにしたいものです。

  f:id:Cagedsheep:20160714164208j:image

 腹ごしらえをしたら、ついに陸路での国境越えです。手荷物だけを持って、バスとは別に手続きをしなくてはなりません。マレーシアとシンガポール間の移動は、両国において日常の事のようで、この日も大混雑です。マレーシアに在住して、シンガポールで働いている人やマレーシアで安いものを購入するシンガポール在住の方など、普通だということです。


 学生の頃サンディエゴに滞在していた際に、メキシコのティファナでランチを食べて午後の仕事に戻るといった方もいたので、国境周辺に住んでいる人にとっては、特殊事情がない限り、昔からある日常の光景なんでしょうね。

 

 あっけないほど入国手続きは簡単にでき、地下で同じく手続きを終えたバスに再度乗車です。ツアーに申し込む前に、個人旅行で国境越えを画策していたのですが、バスは入国手続きに20分しか待ってくれないと知って、ガイドなしでは難しそうだと考えていました。バスが待っているターミナルは、多くの国境越えの人々でひしめいていて大混雑でしたので、旅の玄人ではないため、今回は国境越えを楽しむためにツアーにしてよかったなと思いました。

 f:id:Cagedsheep:20160714164230j:image

 いよいよシンガポールに入国、シンガポールには学生時代に旅行で一回、社会人になって仕事で一回来ているので、親しみがあります。 

 

  ここまでお付き合いいただき有難うございます。次回の、おさんぽ Day3でこの旅は終わりになります。

f:id:Cagedsheep:20160714225443j:image

    マラッカのセブンイレブン。店員は2人いて、一人はレジの後ろでスマホに夢中、もう一人はテーブルで何か書き物をしていました。ゆるい。

マレーシア・シンガポールさんぽ Day1 ー ボーダーを超えて行く

 国境、日本という島国住んでいるからかどうかは分かりませんが、その言葉にとても惹かれます。以前カナダとアメリカの国境の一つ、ホワイトロックへ行った時、この向こうがアメリカなのか、意外と平和な場所だと感じました。韓国と北朝鮮の国境のような物々しい雰囲気もなく、車が道路をすいーっと走り抜けて行きました。地続きの場所に違う国がある、とても不思議な感覚です。

 

 外資系の会社のアジア統括の部署があるのは大体シンガポール。税制、経済に特徴があるシンガポールともともとのマレーシアでどのような違いがあるのかを国境を超える旅で感じたいと思った所、お値打ちツアーを見付けたため、参加することにしました。また近年色々な意味で注目されているイスラム文化に触れてみたいと思ったこともきっかけの一つです。

 

 添乗員さんがいるツアーと言うのは、台湾に行った時と今回で二度目。どんな添乗員さん、ツアーメンバーがいるのかは重大な問題ですが、当日行ってみなければ分からない、開けてびっくり玉手箱です。深夜クアランルンプール空港に到着し、メンバーを観察したところ、参加者30名、年齢は50代以上、ご夫婦が多い感じです。添乗員さんのきつそうな感じが何となく苦手ですが、旅は始まった、何事も楽しんでいきたいと、ホテルへのバスの車窓から暗がりを見つめながら自分に言い聞かせていました。

 

【クアラルンプール~マラッカ】

 クアラルンプール市内観光では、王宮やモスク、独立広場、ペトロナス・ツインタワー、繁華街のブギッ・ビンタンなど観光地を巡ります。その中で印象が強かったのは、王宮とモスク、ペトロナス・ツイン・タワーです。

 

  • 国王の公邸「王宮」

 お恥ずかしながらマレーシアには王様がいると思いませんでした。しかも9名もいて普段はそれぞれの州を収めているそうです。9名の中から国王を選び、5年任期で順番に担当するそうです。しかも王様は、世襲制。なんとなくお国柄が読める感じがします。王様たちもなかなかキャラが濃いです。金髪大好きで、金髪美女ばかり妻にしては離婚する方や、カジュアルに自分で車を運転して街の様子を伺っている、遠山の金さんみたいな方がいるそうです。

 f:id:Cagedsheep:20160712161811j:imagef:id:Cagedsheep:20160712161736j:image

国の紋章にはマレートラが描かれています。


  • 国立モスク MASJID NEGARA

 マレーシア人の60%がイスラム教徒と言われており、国立のモスクが存在します。

 f:id:Cagedsheep:20160712162038j:image

 お祈りの時間もとても細かく決められています。

 f:id:Cagedsheep:20160712162116j:imagef:id:Cagedsheep:20160712162138j:image

 がらんとしたお祈りをするためのホールはとても静かで厳か。神聖な雰囲気が漂っています。全然荒々しい感じがしません。

 

 現地ガイドのおっちゃん、デイビットさんは豚肉食べられないからかわいそう~と言っていました。こういうおっちゃん、日本にもいるな。彼は中華系の人みたいでした。

 

 謎の住宅街から鑑賞。言わずもがな、有名な建物ですが、この建物自体には、あまり感動はなかったです。ただ周りが高級マンションばかりでびっくりしました。不埒な輩が侵入しないように、電気網が仕掛けられています。

 f:id:Cagedsheep:20160712162238j:image

【高速道路を通ってマラッカへ】

 高速のサービスエリアでトイレ休憩。ここにもプレイルームがあります。トイレはもちろん手で洗うためのシャワー付きです。

f:id:Cagedsheep:20160712162317j:image

 

    長距離ドライブに飽きてしまったお子さんに如何がでしょうか。よく分からないキャラクターです。

f:id:Cagedsheep:20160712162341j:image


【マラッカ】

 マラッカはスパイス狙いで色々な国に支配されていたことや、中華系の人々も多いため、クアラルンプールとは全然違う雰囲気を醸し出しています。

 

  • チェン・フー・テン寺院

 マレーシアに現存する最古の中国寺院です。中華系のお寺はとてもきらきらしていて、ゴージャスです。ひっきりなしに参拝客が訪れるので、ご利益があるお寺なのかなと感じました。

 f:id:Cagedsheep:20160712162530j:imagef:id:Cagedsheep:20160712162600j:image

  • オランダ広場

 マラッカと言えばこの場所の写真がパンフレットに掲載されています。ピンクのかわいい建物たちです。観光拠点でもあり、人がたくさん集まっています。

 f:id:Cagedsheep:20160712162913j:image

 トライショーもそれぞれ趣向を凝らして、観光客を勧誘しています。著作権なんて関係ありません。かわいい系、かっこいい系、派手で目立つ系、音楽ならし系色々です。

 f:id:Cagedsheep:20160712162955j:imagef:id:Cagedsheep:20160712163012j:image

  • スイスガーデンホテル&レジデンス マラッカ

 豪華で近代的なホテルでしたが、エレベーターの表示がわかりにくく、何度も登ったり、フロントに降りてきたり、うろうろしているツアー客を見かけました。ホテルのスタッフに聞けばいいのにと思うのですが、聞かずに何往復もしていたので、最後の方に鍵をもらった私たちの方が先に部屋に入ることができました。

f:id:Cagedsheep:20160712163045j:imagef:id:Cagedsheep:20160712163119j:image

お祈りする方向を示す矢印。マレーシアのホテルではよく見る光景です。

 日本ではできることを海外ではできない、日本でしないことを海外ではする、そういう参加者が多かったように思います。道を聞けない、金額を確認しない、朝のビュッフェの場所が変わったかどうか確認できない。

    このツアーに参加するような方々の特徴なのでしょうか。ツアーの仲間内では鼻息荒く話していても、日本人以外の方々に対して、無口になります。質問があってもガイドさんに確認しないで、周りの人に確認したり。何のために旅に来ているのだろうかと思いました。そして、そんな有様であるにもかかわらず、何か国行った、北京ダックは日本で食べるものの方がおいしかったなど旅自慢をしてきます。そんな話しかできないくらいの旅が、彼らの旅なんだなと思いました。もちろんそんな人ばかりではありませんでしたが、一般的な日本人の高齢者の特徴が現れている様に思いました。

 

  いよいよ明日は、国境越えです。まずはゴムの木の密林を電車で抜けて、ジョホールバルへ向かいます。