ぴこのねごと

さあ、つかの間の現実逃避へ。 旅とフラと時々経理の話

マレーシア・シンガポールさんぽ Day3 ー ボーダーを超えて行く

 

 シンガポールからマレーシアに入国すると明らかにマレーシアとは違う都会の雰囲気を感じます。ここは、整然と規律で管理された国、アジアの中心として、色々な種類のアジア人、欧米人が入り混じっています。

 

 シンガポールは、地下鉄のエスカレーターの速さも違います。すべてのエスカレーターが、東京メトロ副都心線のホームから地上に上がるまたは降りるエスカレーター級の速さで動きます。

 

シンガポールでのお夕食】

 

 団体ツアーの食事は経費削減対象なので、仕方ありません。お昼のヒルトンと比べると悲しい感じになりますが、誰のディナーショー会場かという場所で、中華料理ディナーです。シンガポールでは一般的な結婚式場だそうです。ここで注文されたビール代も込み込みでこのツアーが企画されているので、飲みたい人はどんどん注文してくださいませという優しい気持ちで持ち直します。

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 団体ツアーの苦手な点の一つ、他のツアー客とともに食事をとらなくてはならないことです。ポジショニングを間違いますと、大変不愉快な思いをします。明日のチリクラブのディナーの際に、待っている出来事をこの時の私は知る由もありませんでした。

 

【夜のマリーナ・ベイ・サンズ】

 

 この日は自由時間があったので、夕食後マリーナベイサンズまで夜の散歩に行きました。MRTに乗ってタンジョンバガー駅からベイフロント駅まで行くと、そこはライトアップが美しい、シンガポールのベイエリアが広がっています。

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 ガーデンズ・バイ・ザ・ベイのスーパーツリーのショーは、音楽に合わせて光の色が変わったり、点灯したり美しいファンタジーの世界観を感じます。イルミネーションというと冬の様にも感じますが、ここは赤道近くの南国、花火大会のよう。昼間より涼しいけれど、蒸し暑い空気の中、光に人々が集まって、談笑したり、ビールを飲んだり、名残惜しい日曜日の夜を各々が楽しんでいました。

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 その後、マリーナ・ベイ・サンズへ向かって歩くと、イルミネーションのショー「ワンダフル」を観ることができました。フィナーレには多くのシャボン玉も飛び、なんとなく涼しげです。


 ツアー客の一部は、オプショナルツアーに参加してこのイルミネーションを観に行っていました。送迎付きで、クラークキーを散歩し、船からショーを観るそうなのですが、料金は7,500円です。正直コスパがいいかどうかは、その人の機動力と旅行の楽しみ方によります。ちなみに、私がかけたコストは、MRT 代、1.8シンガポールドル x2で、3.6シンガポールドル(約288円)でした。

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 夜景を楽しみつつ歩き、人気のないマーライオンパークを通り、さみし気に水を吐き出すマーライオンを見て、帰路に着きました。

 

シンガポール市内観光からの健康寝具店】

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 定番のマーライオンパーク、ラッフルズホテル、オーチャード通りの免税店、マリーナベイサンズの展望デッキ、植物園をぐるっと回り、団体ツアー定番のお土産屋さんへ連行されました。

 

 まじめに写真を撮っておけばよかったと今更ながら後悔しております。なぜなら、健康寝具店へ連れていかれたからです。海外旅行に来て、なぜマクラのお店に連れていかれるのか、荷物になるような少々お高いマクラを買う客がいるのか、マーケティングがおかしくないのかなど、疑問が一気に頭の中を駆け巡ります。確かに旅行の日程表にも健康寝具店へ行くと記載されていました。

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 天然ラテックス素材のマクラ、ベットマットで、抗菌性、通気性、耐久性に優れているらしいです。ヨーロッパの王室・貴族で昔から使用されている最高級寝具で、東南アジアの自社工場で製造・販売をしているため、高品質・低価格を実現しているそうです。

 

 セミナールームのような場所に連れていかれ、着席し、社員の方のプレゼンを聞きます。社員の方は、すべて日本人でした。マクラの上にダンベルを落としたり、触らせたり、笑わせたり、4つ以上マクラを購入すると日本へただで郵送してくれる、通気性がよいので、圧縮するとフェイスタオル位小さくなるなど荷物問題解決も提案し、型通りの商品説明が終わると、社員5人くらいが一気に営業開始です。

 

 オフィス内には、「世界ふしぎ発見」で、この会社が登場した時の映像がエンドレスで流れています。写真を撮りたかったのですが、社員の方々の視線が、それはもう怖くて。顔は笑っているのに、目が鋭い。日本人が海外で日本人をターゲットにビジネスをしているのが、少々怖かったです。旅先で出会った現地の日本人には気を付けた方がいい、詐欺の可能性が高いとよく聞いていたので、企業という後ろ盾があっても、騙されそうで警戒心が最高潮に高まった瞬間でした。この旅で一番警戒した時間を過ごしました。

 

 マクラは、1つ10,000円位、ベットマットは70,000円位しました。バスに戻ると、戦利品の数個のマクラとともに戻ってくるツアー客が多く、驚きを隠せません。まともそうな人だなと思った人も、家族分と言って何個も購入していました。この人たちは、何故シンガポールでマクラを購入してしまうのか。理解に苦しみます。共食い、という不穏な単語が浮かびましたが、購入者が満足しているのだからいいのでしょう。

 

【チリクラブレストランでの小さな出来事】

 

 シンガポール名物、チリクラブを食べずして、シンガポールに行ったとは言えないでしょう、ということでこの旅最後の夕食は、チリクラブで有名と(本ツアーで?)言われているレストランへ行きました。適当に円卓に座り、メインのチリクラブが出てくるまで待ちます。

 

 私が座ったテーブルには、夫婦ばかりが座っています。60代以上の夫婦たち、料理が出てくると奥様達がかいがいしく、料理を旦那様と自分に取り分けます。円卓なので順番に料理が回ってくるので、最後の方は残り物になっています。レストランも考えなしなのでどうかと思うのですが、エビの塩焼きが回ってきたときに、悲劇が起こりました。

 

 初めにエビを取った奥様が、旦那様と自分に一人二匹の計算で4匹エビを捕獲したので、その後の奥様方も4匹取っていきます。私の所に回ってくるまでに、エビは、1匹しか残っていませんでした。弟にそのエビを奪取したので、私自身は食べることはできませんでした。


    エビがそんなに食べたかったのかと言われれば、そうでもないのですが、自分の分がないという事にひどくショックを受けました。


 そのことについて、他の夫婦は気が付いていなかったのか、気づかないふりをしていたのか分かりません。私はポジショニングの失敗にひどく後悔しました。もっと女性ばかりのグループに入っていれば、がつがつと何も考えずに食事をとる男性も気の利かない奥様もいなかったのになと。

 

 人間年を取ると、視野が狭くなり、全体を見ることもできなくなり、また自分の頭で考えられなくなるものなんでしょう。飛躍し過ぎかもしれませんが、日本社会の縮図をこのシンガポールの最後の夕食で見たような気がします。そりゃあマクラも買っちゃうよねと残念に思い、利口な人にカタにはめられてしまうのも無理はないなと思いました。いい年した日本人が海外で詐欺のターゲットにされてしまうのも、仕方ない事です。命がある事を幸せと思った方がいい。

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チリクラブ、前に来た時に食べたものと違うような

 悔しかったのとさみしい思い出で終わるのが嫌だったので、やる気のあるシンガポールセブンイレブンで、Ben&Jerry'sのアイスを奮発して、ホテルの部屋でおいしくいただきました。

    これで今回の旅は終わりを迎えました。 


【まとめ】

  • 団体ツアーは、キャッシュフローから見ればコスパはよい
  • 企画する会社の選択を間違えると、同じ日本人なのかとツアー客との価値観の相違に驚くが、日本人とは、世界から見た日本人について深く考えることができる
  • 食事は自分のタイミングで好きなものを楽しむことはできない。どうしても早食いになってしまう。自分の分が無くなっちゃうから!
  • 添乗員やガイドに従って行動していればいいので、楽
  • 移動手段についても基本はバス、電車に乗っていればいいので、楽
  • 某新聞系のツアーはネットを使わないような参加者が多数なので、年齢が上がり、今の自分には合わない人種が集まる

 

【思ったこと】

 

 今回は時間があった弟の首根っこをつかんで、一緒にツアーに参加しました。二人で参加していたので、初日から新婚さんだと思われていて、否定しても全然話を聞かないため面倒くさかったです。ガイドさんに姉弟で参加していると話したら、最終日くらいにはやっと姉弟だとツアー客が理解してくれました。と言うか、ガイドに聞くなよ、直接こっちに聞けよとも思いました。参加者が人の話を聞かず、思い込みで話しかけてくるのでひどく面倒くさかったからです。

 

 50代以上の典型的な夫婦(サラリーマン、専業主婦、子供在り)とは全く違う次元で生きていることを実感しました。そしてそういう人たちが日本にぎっしり詰まっているのかと思うと、私が日本で感じる閉塞感の原因の一部は、そういう人たちが作り出しているのかもしれないと思いました。

 

 自分に合った旅行企画会社を選べば、よいコスパで効率的に旅行ができるので、個人では行きずらい場所に行く時、時間の制約がある時には便利だと感じました。その国も景色も、一緒に行った人々やガイドさんもひっくるめて旅の構成要素なので、全て私の旅で大切にしたいと思っています。

 

【おまけ】

 マレーシアで使用停止になっていたクレジットカードについて、後日分かったことですが、去年カナダでヒルトンホテルに宿泊した際に使用したクレジットカード情報が、洩れて流出したそうです。ある一定期間に全世界のヒルトンホテルに宿泊した人のクレジットカードが被害にあったとのことで、私のカードもアメリカで不正使用されたことが確認できたため、急きょ使用停止になったそうです。これもまた旅。

 

    長々とお付き合い有難うございました。それでは、また次のおさんぽでお会いしましょう。