ぴこのねごと

さあ、つかの間の現実逃避へ。 旅とフラと時々経理の話

旅行気分で歩く、秋の吉祥寺 井の頭公園と自然文化園

「私、電動自転車がほしい」

唐突におばちゃんが話し出した。ある日のサウナ。

 

「え、でもあなた自転車乗れないじゃない」

もう一人のおばちゃんが驚いて返事をした。

 

「練習すれば乗れるようになるでしょ?」

「いやそうだけど、50も後半になって、自転車乗れるように練習って無理じゃない?しかも電動に乗りたいなんて、危ないわよ。」

 

その後も危ないと何度も止められても、言い返す自転車乗りたいおばちゃん。白熱したトークに飛び散る汗が、心の目で見える。

 

「そもそもさ、」

危ないおばちゃんが話し出す。

「なんで自転車乗りたいのよ。車運転すればいいじゃない。免許も車もあるんだから」

「自転車で吉祥寺に行きたいっっ…」

ぼそっとだが力強く乗りたいおばちゃんが言う。

 

「だったらやっぱり車で行けばいいじゃない」

「自転車で気軽に行きたい!近所の人は、気が向いたら自転車で皆吉祥寺へ行ってる!私も行きたいの!車じゃ駐車場とか探すの大変じゃない!」

 

そのパッションたるや!その時、サウナの温度、今日は200度を超えたかもしれない。

 

あまりのパッションに気圧された危ないおばちゃんは

「…。練習頑張ってね」

とエビの如くに水風呂へ向かって行った。よく分からないパッションの前に、共感できない人はハンズアップ全裸で撤退するしかない。

 

人は他人には理解できない理由で、情熱が燃え上がってしまうことがあるものだ。

 

「電動自転車で吉祥寺に行きたいのだっ!」というおばちゃんのパッションに煽られた訳ではないが、用事があったので久々に吉祥寺へ繰り出すことにした。もちろん電車でだ。

 

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駅前は今日も混んでいた。何故、吉祥寺に人がこんなに集まるのか、街の歴史についての知識がないのでちょっと意味不明だ。昔から吉祥寺はいつ来ても結構混んでいる。

 

吉祥寺パルコは数年前に屋上のビアガーデンでフラを踊ったことがある。踊ってる途中で、雷が鳴り出し雨が激しく降り大惨事だった。お客さんは傘をさして、濡れながら肉を焼いていたな。

 

LL Beanのあたりは、古着屋やタピオカ屋などがあり、裏原宿のようだ。人混みを避けて井の頭公園へ向かう。広い公園ではあるが、なかなかに人がいる。

 

そのまま少し歩いて、三鷹の境界線を超えてジブリ美術館に到着。

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トトロの出迎えにチケットもないのにテンションが上がる。今日のチケットは完売らしい。相変わらずの人気だ。

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以前、インバウンドの旅行会社にいた時、「タクシー送迎+ジブリ美術館チケット」と言う商品があった。ジブリ美術館のチケットは海外にある大手旅行会社にしか卸していない。そのため零細企業の我が社は予約が入ると、毎月10日の翌月分チケット発売日にロッピーで予約が入った日のチケットを一気に予約するというオペレーションで回していた。

 

30分以内にチケットを発券しなくてはならず、何十枚も予約するので、後ろに並んでいる人からの圧と時間との戦いだ。嫌な仕事だ。

 

ジブリは海外でもかなり人気で、予約がかなり多く、日本の休日に当たってしまうと予約を取れないことも多かった。予約が取れないと返金してもなお、お客様からの苦情が多く、英語で怒られて大変だった。

 

また取れたチケットは、お客様の宿泊先に送るのだが、手違いで受け取れなかったり、チケットが取れなかった連絡が上手くいかず、予約したサイトのバウチャーを持ってジブリ美術館へ行き門前払いをされた旅行者もたくさんいた。ジブリ美術館に行くために日本に来たのにと言われて、すまぬと謝る対応しか出来ずに辛かったな。

 

「はるばる日本にやってきて入り口でトトロを見てテンション爆上げの所で、美術館に入れない」という旅行者たちの絶望と「ワシ、経理なのに。予約担当じゃないのに」というつらみが、おもひでぽろぽろだ。

 

チケットが取れたら、その予約日時に合わせた吉祥寺・三鷹散策は楽しいかもしれない。

 

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せっかくだから自然文化園にも立ち寄った。


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檻の動物たちは少し窮屈そうだと思ったが、普段見ることが出来ない動物たちを見ることができて有難い。有難う。ごめんなさい。

 

くだんの旅行会社にて旅行者にハリネズミカフェのチケットも売っていた。日本に来てわざわざハリネズミに会いに行く?WHY?と思っていたが、普段街で生活していて中々出会えないし、触れない動物がいたら確かに見に行きたいかもしれない。

 

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ヤマアラシ

自然の中でヤマアラシに会ったら、かなりビビる。

 

入園してすぐの所にモルモットと触れ合える場所があるらしく、行列が出来ていた。触った後に横の水道ですごい勢いで皆が手を洗っていて、そりゃそうだけど何となく何だかなぁという気持ちになった。


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こんな檻もあった。もう少しよく写る鏡がいいかもしれない。姿がはっきり写らないのでパンチが弱い気がした。

 

最も感動したのは、リスの小径だ。

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リスの檻の中に人間がお邪魔すると言う仕組み。かわいいリスが縦横無尽に走り回っている。ストレスだったらごめん。時折、リスに紛れてネズミも走っていた。
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 この愛らしさ。もふもふさ。

 


リスの小径

 

 

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白鳥や他の鳥たちも可愛かった。オシドリが想定外の美しさだった。

 

家からそんなに離れてないのにちょっとした旅行気分だ。昔の嫌なことも思い出したが、それもコミコミの人生だ。

 

 

 

結局、自転車乗りたいおばちゃんには、あれからサウナで会ってない。「吉祥寺電動自転車行軍計画」がどうなったのか、プランも現状も結果も不明だが、吉祥寺は自然と街が共存していて良い場所だ。気軽に行きたくなるのにもうなずけた。

 

地方出身の仕事仲間は、吉祥寺にどうしても住みたくて駅から徒歩25分の場所に住んでいると言っていた。「レディ、そこはまだ吉祥寺なのかね?」という疑問が湧くが、やはり住んでみたくなるほどいい場所なのだろう。

 

私はと言えば、ベットタウン育ちなので、駅の周りが栄えてると落ち着かないのと人混みが苦手なので、吉祥寺は用事があってぶらぶらするくらいで良いかな。

 

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結局、夕方までぶらぶらしていたので、LL Beanのツリーに電気が灯っているのが見れた。

 

負の感情も、驚きも発見も疲れるけれど、全てコミコミで今日もよき1日だった。

今日もお疲れ様でした。

e-Taxでラクラク申告できるのか?青色申告特別控除の適用要件が変わるので申請をやってみた

 年末が近づいてくると、憂鬱なシーズンの到来だ。外資系企業の決算が集中する年始から2月にかけては、一年で最も忙しい時期だからだ。更に自分の確定申告も行わなくてはならない。

 

令和2年分の所得税確定申告から65万円の青色申告特別控除の適用要件が変わると聞いて、YouはShock 俺の鼓動が早くなった去年。

 

所得税はいくらの所得にした方が得なのか等は税理士の先生にお任せするとして、自分のことだけを考えた。

 

  

青色申告特別控除の改正

現在は、紙で申告を提出しており、適用要件を満たしているので、青色申告特別控除65万円の控除を受けている。同じ条件でに令和2年分の確定申告した場合、青色申告特別控除55万円になってしまうが、誰しもが持っている基礎控除が48万円と10万円上がるので、±0で税額に影響がない。焦ったが、増税ではないので安心した。税金の対価は無いに等しいので、脱法しない程度に安くするに限る。

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65万円の控除を受けるには

よくよく資料を見ると青色控除65万円を引き続き受けられる要件がある。

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このいずれかの要件を満たせば、引き続き65万円の控除が受けられるし、基礎控除も10万円増えるので、私の場合は実質減税となる。

 

私の場合には、売上から経費を引いた金額が65万円以上あるため、10万円控除が増えることになるので、e-taxした方がよさそうだ。高額な所得の人は、別途税理士や税務署に相談されたし。所得税はなかなか奥深いので、素人判断はやめた方がいい。

 

e-Tax を利用して申告書及び青色申告決算書を提出する。


電子帳簿保存法に対応する会計ソフトを用いて記帳し、かつ、電子帳簿保存の承認申請書を税務署に提出する。

 

②は、専用ソフトの購入、申請書の提出とちょっと出費と手間がかかりそう。実際にやっている人にほとんど会ったことが無いことから推察して面倒さが推察できる。

 

①なら何とかできそうだ。10万円の控除のインパクトは意外と大きくて、以前税務署に聞いたところ、その人の所得によるが、所得税地方税で1万円ずつ合計2万円位税額に差が出てくるらしい。

 

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PCの環境も大丈夫そうなので、デジタルノンネイティブでもなんとか対応できそうだ。

 

出典 国税局HP

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/0019009-126.pdf

 

e-Taxでの申告方法はどうやるのか

e-Taxでの申告方法には現在2つの方法がある。 

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出典 国税局ホームページ

www.e-tax.nta.go.jp

マイナンバーカード方式

マイナンバーカードとカードリーダーを使用して申告する方法。今現在、マイナンバーカードを発行する予定はないので、こちらはあまり気乗りしない。ただ税務署としては、こちらを普及していきたいのだろうと思う。だが、断る。

 

ID・パスワード方式

税務署にてID・パスワードを登録して、それを使用して申告する方法。黄色で丸をつけた部分が最もハードルが高いだろう。隙を見て税務署へ行くことができれば大丈夫そうだ。

 

2の方法でe-Taxするのがどちらかと言うと楽だろう。

 

ID・パスワード方式のための申請方法

失礼ながら都内で比較的空いていそうと、練馬東税務署へ参上した。どこの税務署でもID・パスワードを設定することは可能なので、外出先や会社、用事のついでに近くにある税務署へ行くといいと思う。

 

入口を入って右手の受付で用件を伝える

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e-Taxを使用するためのID・パスワードの登録をしたい」と告げると下記の番号札を貰った。番号が呼ばれるまで、DQウォークでもやるかとスマホを手に取ると、すぐに係のお兄さんが対応に来てくれた。

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必要事項と暗証番号の入力

受付と同じ場所にある、こちらのPCで税務署の人立会いの下、必要事項(住所、氏名、電話番号等)を入力する。この時、自分で考えたパスワードを入力する必要があるので、事前に考えておくと焦らないかも。
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本人確認

入力後、本人確認で薄ら笑いの写真がついた運転免許証を恥じらいつつ見せると、本人を確認済みとお兄さんがPCに入力し、あっという間に登録完了。ID・パスワード方式の届出完了通知書をを入手し、手続きは完了。このIDパスワードを持って、e-Taxで申告ができるそうだ。

 

空いていたこともあり、所要時間10分だった。

 

本人確認が唯一の難所だが、混んでるかもしれないが確定申告書を税務署へ持参するタイプの人はついでに登録してくるといいと思う。来年分の申告から適用なので全然間に合う。

 

 

注意事項1

マイナンバーカードとカードリーダーが普及するまでの対応だそう。いまのところ令和2年分の申告時(申告期限:令和3年3/15)には大丈夫のようだ。

<ID・パスワード方式>

 「ID・パスワード方式の届出完了通知」に記載されたe-Tax用のID・パスワードを利用して、「確定申告書等作成コーナー」からe-Taxを行う方法です。
 マイナンバーカードとICカードリーダライタは不要です。
 「ID・パスワード方式の届出完了通知」の発行は、税務署で職員による本人確認を行った上で発行しますので、運転免許証などの本人確認書類をお持ちの上、お近くの税務署にお越しください。
 なお、平成30年1月以降、確定申告会場などで既に「ID・パスワード方式の届出完了通知」を受け取られた方は、平成31年1月からご利用いただけます。

 ※ マイナンバーカード及びICカードリーダライタが普及するまでの暫定的な対応です
 ※ ID・パスワード方式は確定申告書等作成コーナーでのみ利用できます。

 

注意事項2

申告ソフトで作成した確定申告書、青色申告決算書は、この方式では利用できない。マイナンバー、カードリーダー方式で申告する必要がある。税務署のe-Taxのページ内に、申告内容を直接入力して提出しなくてはならない。

 

注意事項3

これは不慣れなのではっきり言えないが、添付書類(源泉徴収票、年金健保の個人負担額等)、はPDFで送れるようだ。一部送付不要な書類もあるようなので(一定の要件で保存)、確認して必要なものだけを送付するとよい。

 

スマホで申告だと提出不要の様だが、私はスマホではしないと思うので参考までにとどめる。

 

3 いつでもどこでもスマホで申告

 国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」では、スマートフォンタブレット(以下「スマホ等」といいます。)でも所得税の確定申告書の作成ができます。

<スマホで見やすい専用画面>

・ 給与所得者(年末調整済み)で、医療費控除又はふるさと納税などの寄附金控除を適用して申告する方は、スマホ専用画面をご利用いただけます。

 

<ID・パスワード方式で手続完結>

・ マイナンバーカード及びICカードリーダライタをお持ちでない方も、スマホ等から申告書を作成し、ID・パスワード方式を利用して送信すれば申告完了!

・ e-Taxで送信すれば、源泉徴収票など書面で提出が必要な添付書類も提出不要!
 (ご自宅で保管する必要があります。)

・ 申告書の控えはPDF形式でスマホ等に保存!

 

 

 

 

なお、10万円の控除を受けている人の用件には変更はないので、今まで通りの申告でよい。

 

最後に

個人事業主は、税金について知識があった方がいいと個人的に思う。いかに会社員が所得税、住民税について見えないようにされているのか分かるだろう。無知だと損する。

 

以前手伝っていた会社の顧問税理士が本当にダメな人で、支払調書が全て間違っていた。通常会社では、報酬額にのみ源泉税を課税して、交通費については立替金として税金をかけていなかったのだが、支払調書の報酬の額を報酬+交通費で作成し本人に渡していたことが分かった。

 

説明し、訂正をお願いしたが再発行してくれなかった。その支払調書の記載のまま素直に確定申告した人は、3月に多額に追加で納税したと考えられる。

 

支払調書は間違っていることも往々にしてあるので、自分がお客さんに出した請求書に基づいて申告する、または支払調書をチェック用の資料として補助的に使用できるくらいの知識を持っていた方がいいと思う。

 

会社の経理の経験上、源泉徴収を嫌がる個人事業主が多く見られるが、3月末に多額の追加納税することも考えられるので、請求書ごとに源泉徴収してもらった方が税金が前払されているので良いように思える。また強く主張するが、預かった所得税は税務署へ納付している。けして、会社ががめているわけではない。

 

手取りが減るのがいやなら0.8979で割り戻し、グロスアップして額面を増やしてもらおう。本当に税金については自己防衛のためにも学んだ方がいい。

 

この「最後に」の文章の意味が分からない人は、個人事業主をしないか、税理士を雇った方がいい。頑張って稼いだお金を、支払う必要のない税金と等価交換するだけだ。『無駄無駄無駄無駄無駄』とジョルノにゴールドエクスペリエンスを打ち込まれかねない。

憧憬のハワイ 住みたいかどうか胸に手をあてて改めて考えてみる

ここに一枚の写真がある。

 

右から、父、母、父方の祖父、祖母である。母に抱かれているのは私だ。撮影された場所は、今から約40年前のホノルル空港の駐車場と聞かされている。

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私の人生を振り返ってみれば、特筆すべきこともなく、人に自分の人生を話した時「つまらない人生だ」と言われたこともある。その時は何て失礼な人だと思ったが、言葉の選択がうまく出来ないただの素直な人だったのかもしれない。

 

山もなく谷もなくドラマティックで運命的でハラハラドキドキな盛り上がりもなく淡々と過ぎていく、日常ゆるふわ系な平穏な人生もきっとあるのだ。

 

少しのことから多くを感じ取ってしまう性格のため、自分では大興奮の嵐の場面であっても、多くの人にはそよ風が頬を撫でた程の場面なのかもしれない。また心の動揺を避けるために敢えて普通に目立たないように生きている節もあるので、第三者から見た私の人生がつまらないというのは致し方ないことだ。

 

そんな私とは反対に自分の周りの近しい人は中々に選び取らない選択をし、波乱万丈な人生を送っていたりする。私はバブルリングに巻き込まれるクラゲの様に、時折そこに巻き込まれることがある。「波乱万丈」は私の人生にはあまりかかわりのないワードだが、必要とあらば否応なしに巻き込まれてしまうので、世界はうまくバランスが取れているのかもしれない。

 

写真が撮影された1970年代、両親はハワイ、オアフ島に住んでいた。父が料理人としてアラモアナショッピングセンター近くのレストランで仕事をしていた。母は生後2か月の私を連れて、慣れない育児と海外生活で苦労をしたと聞いている。

 

父は思考が自由な人で、ハワイで働くことが決まると、身重の母を残して単身ハワイへ飛んでしまった。母は父の実家に残されて、頑固な昔気質の祖父とその祖父に言いなりの祖母の下で大変苦しい日々を過ごしたそうだ。

 

私が生まれてからも苦しい日々は変わらず、ある日私を連れて家出し、母の親戚に逃げ隠れていたのを母の祖母が見つけた。母の実家には、折り合いのうまくいかない異父姉がおり、そこに逃げ込むことはできなかったらしい。

 

すったもんだの挙句、母と私は、ハワイで父と無事に暮らしだした。家出した母を祖父は怒り、私のベビーベッドやら母子手帳やらを捨ててしまったらしい。ランボー怒りの廃棄である。

 

海外旅行が高額だったと思われるこの時代に、そのランボーが何を思ってハワイに来たのかと、この写真を見ると考えを巡らせてしまう。二人とも既に亡くなっているため、今となってはよく分からない。

  

この後ハワイに永住することを告げた時、ランボーは「帰ってこなければ勘当する!」と父に言ったそうだ。ランボー怒りの勘当である。そのため両親は永住権を取得する手続きを途中でやめて、帰国した。後に母は「今考えると勘当されても、ハワイに永住すればよかったよね」と言っていた。メンタルタフネス母だ。

 

私のハワイでの暮らしは、3年弱で終わった。今でもこの時ハワイに永住していればどうなっていたかと考えることがあるが、それはあまり意味のないことに思う。それほどにこの件は昔の話であるし、巻き込まれ事案であるので私にはどうしようもできないからだ。

 

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その後、ハワイに再び訪れることができたのは私が高校生の時だった。

 

時差ぼけでフラフラの中、ウェルカムランチをホテルで食べている時「何かここいいな」とぼんやりと思った。子供の頃の記憶は全くないのだが、懐かしさを感じた。ハワイは多くの人にとって好きな土地なので、ただの勘違いの可能性も否定できない。

 

昔、父が勤務していたレストランも当時父と一緒に働いていたおじいちゃん、おばあちゃんが未だ働いていた。当時の話を聞いてとても不思議な時間を過ごした。ハワイに住んでいた当時の友達の家にもお邪魔した。そこの家の子供のおもちゃを取り上げた話等を聞いて、大変申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

 

この17年後のハワイ再訪は、過去と現在を結びつけるためのギリギリのタイミングだったように思える。

 

この後、レストランは焼肉屋になり、同僚のおじいちゃんは亡くなり、お友達はアメリカ本土へ引っ越していった。同僚のおばあちゃんとも連絡が取れなくなり、どうしているのか分からない。

 

最近では、当時日系人がよく行っていたという白木屋も雑然としていたインターナショナルマーケットプレイスも数年前に改装されてしまって、当時の面影はない。ホリデーマートというスーパーだった場所は、ダイエーになり今ではドン・キホーテとなっている。投資用の億ションやビルが立ち並び、ブルーシートの小屋ばかりだったカカアコも開発され、ホノルルはどんどん変わっている。

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それでも、ハワイに行けば懐かしい気持ちになり、戻ってきたような気になるから、不思議だ。

 

日本での今の生活を続けている限り、ハワイに住むことは無理だ。全てを捨てて、ハワイに住む選択肢はないので、50%くらいを捨てて、会社のハワイ支社に長期出張ということでお試しで住むことがお手軽にできるハワイ住みかもしれない。

 

何とかビザを取ってくれるなら、雇用関係を結んだっていい。しかしその場合、ビザ取得の等価交換として社長に24時間こき使われる可能性が大なので、その膨大なストレスを考えるとなかなか一歩が踏み出せない。

 

そういう所だ。そういう所が私の人生を平穏たらしめているのだ。平穏な人生時々バブルリングが私にちょうど良い生き方なのだと最近思う。

 

住むかもしれない、住まないかもしれない、懐かしく感じる、変わっていくことに悲しむ、いいなと思う、育った場所、ただいまという気持ち、一言で言い表せない複雑な感情が渦巻くそんな特別の場所が、私にとってのハワイである。住んだら住んだで順応し過ぎて、東京で生活できなくなるかもしれないリスクもある危険で魅惑の場所でもある。

 

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肩コリとバックオフィスワーカー 肩を取ってしまいたいと思う時もある

普段の仕事として外資系中小法人の経理業務を紹介してもらい、請け負うことが多い。

 

日本で会社を初めて設立するという海外のお客さんに日本の税制や商習慣を説明するのはなかなかに骨が折れる。

 

例えば、銀行手数料。売掛金から手数料を抜いて入金してくるお客さんに対して海外にある本社がぷんすこするケースは、満員電車で小競り合いをしている人くらいよく見る現象だ。

 

銀行手数料については、私もあまり差し引いて支払う習慣がないのでこれをやっている会社さんに出会うと「強気〜」とぴゅーっと口笛を心で吹く。

 

会社で銀行手数料は先方負担と決まっているのでそうしているだけなのだと思うし、また相手とのパワーバランスも影響しているので一様に激しく取り立てもできないのが難しい所だ。

 

とある外資系企業が銀行手数料を引いて入金してきたお客さんの翌月の請求書に前月の銀行手数料を乗せて請求していたのには驚いた。もちろんこのお客さんは毎回銀行手数料は差し引いてくるので、はてしない物語だ。

 

海外の本社の人にWhy Japanese People⁉︎ 入金時に銀行手数料を差し引いて入金をするのか?と聞かれると、Because それが多くの会社では普通そうしているからだ、とボンヤリとしたアホの子になって返事をする他ない。

 

この対応は、私自身が思考停止に陥っていることでもあり、改善・再考の余地があることにも気が付く。海外のお客様向けに経理の仕事をすると、私たちが普段当たり前と思っている日本の商習慣について改めて考えさせられることが多いのだが、そういう話がしたいわけではない。

 

もう少し話を進めたい。

 

海外親会社対応以外に、経費精算業務を請け負っていた場合、社内の人向けにも諸々気を使う必要がある。うまく説明しないと営業さんや制作さんの上の偉い人が出てきて、苦言されたり、経理の偉い人も登場して、「やられたらやり返す、倍返しだ」ばりの社内闘争が過激化してしまう原因にもなりかねない。経理部と仲のいい部署はない。

 

つまり外(海外本社)にも内(日本支社)にも気を使い、四面楚歌にならないように日々暮らしている。それがピースフルに経理を請け負う仕事をしている者の定めである。

 

働いていれば多かれ少なかれ、みんな同じ状況になるだろう。1日の半分の時間を仕事とそれに伴う準備と移動の時間に費やしている我らである。そんな環境の中で、少しでも仕事を効率よく進めるために愛用している品の1つや2つあるだろう。

 

私が愛用しているのは、こちらの3つ。バックオフィスワーカーの三種の神器と言っても過言ではないのではないか。

 

 電卓、30cm定規、肩凝り解消用ローションだ。2,000文字くらい書いて、引っ張った割には普通過ぎて申し訳ない。

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1. 電卓

言わずもがな、経理ワーカーの証だ。

 

これが無くては仕事にならないと今まで信じていたが、経理部の平成8年生まれの子が電卓を持ってなくて、どうやって仕事をしているのか不思議に思っていたら、パソコンに入ってる電卓アプリを使用していた。テンキーで数字を打つことができるし、履歴も見えるし便利かもしれないが、衝撃を受けた。

 

私が新卒で入社した会社の経理おっちゃんは、全ての計算をそろばんで行っていたので時代の変化を感じる。

 

若者ぶって私も使用してみたが、使いこなせなかったため引き続きCASIOの電卓を使用している。

 

PCのそばでしか使用できないのと、机のスペースに応じて右手でも左手でも電卓を打つし、時には社内の人の机で電卓を打つので、テンキーの場所でしか作業できないのが苦しかった。

 

全くの余談だが、この電卓はかつて税理士試験を受けていた際に、先生に貰ったシールが貼ってある。先生、法人税法、受からなくてごめんね、という気持ちを忘れないためにそのままにしてあるというのは建前で剥がす理由もないのでそのままにしている。かわいいし。

 

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2. 30㎝定規

何に使用するかというと、通帳などを手入力で会計システムに入力しなくてはならない場合に、入力する"行"に定規を合わせて、取引を見失わず入力するために使用する。

 

クラウド会計を利用している会社や銀行データを会計システムにアップロードできる環境では、ほとんど使用しなくなって来ている気がしなくもない。

 

細かいExcelデータ(支払いデータをまとめたものとか)の数字と紙の請求書や支払いデータ等をチェックする時にも使用する。絶滅危惧種なアイテムかもしれない。

 

重たい鉄製の素材を好まれる猛者もいるが、重いし冷たいし透けて下の数字が見えないので、私はプラスチックがいい。

 

3. 鎮痛消炎ローション剤(と後ろに書いてあった)

同じ格好で数時間パソコンに向き合っていたり、皆のご機嫌を伺いつつ、社内規定に従い厳しく経理業務を遂行することは骨が折れる。言わずもがな肩が悲鳴を上げてくる。これをこっそり塗って、コリを散らしている。

 

女性が化粧ポーチに入れられるように素敵な光沢が表面にあしらわれている。匂いもキツくない。オフィスで使用する用にデザインされた素敵な製品だ。

 

問題は塗りすぎると、たまに肌がヒリヒリしてしまう。

 

何故、社会の片隅にひっそりと生息している者が、誰得にもならない自分の仕事上の愛用品を恥ずかしげもなく披露しているかと言えば、今回のお題のコリコランが欲しくなったからだ。

 

繁忙期になると肩コリローションよりも物理的な刺激が欲しくなる。今までは、相方が結婚式の引き出物のカタログで取得した、足用の低周波マッサージを、あまりに肩コリがひどい時に使用していた。

 

手のひらサイズの機械から有線で繋がっている心電図を取るときに貼られる様な粘着性のシートを肩に貼り、振動を肩に与えていた。

 

これは家でしかできない。また足用なので、粘着性シートに付着した私のものでは無いスネ毛を愛おしく思いながら肩に貼っていた。

 

気になって調べたところ、コリコランには線が無い。これは場所を選ばずに使用可能である。肩がコリ過ぎて、もう少ししたら頭痛がくるかもという緊急時に使用できるのは安心感がある。

 

また肌面に接する部分に貼る肌に優しいシールも気が利いている。塗るタイプだとどうして肌が熱くなったり、塗り過ぎると肌がヒリヒリとしてしまう。

 

効用を見ると、低周波のものより血行を良くし肩のコリがほぐれるようだ。ストレッチもサウナもいいけれどどうしても回復が追いつかない時もある。アラフォーだもの。

 

また低周波のものは振動があるのだが、あまり強くすると一緒に肩が揺れてしまう。ひょえっひゃあと気持ち悪い声が漏れてしまうため、あまり強くはできない。コリコランは振動無し。高周波が出ているかはチェッカー機能で確認できる。

 

人知れず肩コリ治療が可能だ。「今、私はあなたと普通に話してますが、肩にコリコラン貼ってあるんですよ。うふふ」という違った楽しみ方もありだ。

 

年末進行に向けて、仕事も日々も忙しくなるし、寒くなると肩がすくみ肩コリがひどくなるので、是非、コリコランと私の三種の神器のローションと交換したく存じます。何卒お取り計らいいただけますと幸いです。

 

この季節の移り変わりに体調崩されている方も多いと思いますが、無理せず生きていきましょう。今日もお疲れ様でした。

 

 

あなたのお部屋は大丈夫?ふと後ろを振り返ってしまう一人の部屋で 残穢 (ざんえ)- 小野不由美

中々まとまった時間が取れず、旅に出る時間がないと映画やアニメをひたすらに観る日々が始まる。

 

ただし仕事で忙しいと言うことは同時に目をパソコンで酷使することでもあり、ブルーライトや鮮やかな光が目にしみて耐え難い時もある。

 

そんな時には特に紙の本にお世話になる。スマホが普及してから、その便利さで電子書籍をよく利用するが、こう言う時は目への負担を考えて紙の本を手に取る。

 

今の私には、ホラーが現実逃避には最も適している感じがすると手に取ったのが「残穢小野不由美著である。初版が平成27年なので4年前の本だ。

 

転居した部屋で何かが畳をする音が聞こえ、背後には気配が…。と本の背面に書かれたあらすじにある。これだけ読むと何となくありふれた題材で安心して現実逃避できると安易に思った。

 

感のいい方ならこの次にどう言う感想が続くのかお分かりになるかと思うが、現実逃避どころかリアル過ぎて、フィクションなの?ノンフィクションなの?という疑問の天秤が左右に激しく揺れ動き最後まで一気に読んでしまった。

 

そして部屋で一人で読んでいる時が最高潮に怖かった。あまりに怖くて外も暗くなっていたけど、外出していったんサウナへ清めに行く始末だ。

 

家に何かが出る話は、原因を突き詰めて解消されて一件落着、更にちょっと付け加えてまだ浄化されていないものが少し残っていて、何かが起きそう…みたいに終わるパターンが多いような気がする。

 

しかしそういう展開ではなく、古い地図と付近の住民やその知り合いを取材し、調べ尽くした所で終わる。虚妄なのか現実なのか、登場人物もはっきりできない(はっきりしようがない)。

 

しかも物語の展開が、小野先生とお友達が実際に調査して、経験していくという形で進むため、臨場感が凄かった。

 

また調べるキッカケとなった怪異現象が独特なことがフィクションかノンフィクションなのかの判断を大いに惑わせた。これは意図されていることなのかもしれないが、そうだとしたら思い通りに動かされてしまった。

 

古い本なので、既にお読みになられた方も多いと思うが、ドキュメンタリーホラーがお好きな方は是非。ブレアウィッチ・プロジェクト(一番最初のやつ)くらい楽しめる。

 

 

フィクションとしての怖い話は好きだ。エンターテイメントととして手放しで楽しめる。怖い話が好きなくせに、本当にあった怖い話にはあまり近づかないようにしている。大体の事象に理由がつかないのが怖いからだ。

 

しかし気をつけていても時折私の元に怖い話がやってくる。同じフラスクールに通っているAさんの話だ。7,8年の長い付き合いなのにそういうものを感じると聞いたのは初めてだった。意外と近くにそういう人がいるものだ。

 

いくつか聞いたが、部屋に関するものが下記の3つ。

 

[その1]

発表会の前日、仕事が忙しくてフラの衣装の準備を真夜中にしていた所、キッチンの方から何かがこっちを見ている気配がした。キッチンとリビングはドアで仕切られており、その時ドアは開いていた。電気は消えていて何も見えなかった。気のせいだと再び準備を始めたら、寝ていたはずのケージの中のウサギがじーっとキッチンの暗闇を見ていた。

 

[その2]

ある日、仕事から帰ってきて、電気をつけたまま寝落ちていたら、夜中2時頃に肩を何かに「つん」と押された。それで目が覚めたのだが、肩を突かれた感触が残っていた。

 

[その3]

部屋で寝ている時に遠くでお祭りのお囃子が聞こえて目を覚まして、何かと思って窓を開けても何も聞こえなかった。ネットで近所のイベントや祭りを調べたが何も無かった。

 

比較的新しい物件だったし、大島てる(この時までこういうサイトがあるのを知らなかった)で調べても何もなかった。また悪さをしてくるわけではないので大丈夫だと思うと彼女は言っていた。原因は分からないのだ。

 

この時彼女は私の最寄駅の隣の駅の近くに住んでいたので、妙にリアルで身近に感じてしまった。結局、彼女に生活の変化があり、2年の更新も待たずに引っ越してしまったので、遊びに行くことも叶わなかった。今も隣の駅の物件にはそういう部屋があると思うと怖いし、引越しするにしてもアタリは絶対に引きたくないと強く願う。

 

怪奇現象などの怖い経験にはあったことがないので、怖いもの見たさでとても惹かれるのだが、怖がりなので、ドッピオに出会った時のリゾットばりに「私は近づかない」を貫いている。

 

しかし、ちょっと怖い場所はざらにあり、大昔に某乙女ゲーにはまっていた時に、梶原景時が刀を洗っていた場所(梶原景時刀洗水)に聖地巡礼気分で行ったことがある。友達と二人でここ何か怖いねと早々に立ち去ったりした。まあ朝比奈切通しがなかなかの場所だったのだか…。

 

また去年行った高野山 奥の院も朝行っただけだがとても雰囲気が怖かった。夜のツアーがあるみたいだが、参加しようとは思わなくなった。

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穢れるということに中々敏感な我々ではあるが、物理的にどうかということではなく、お気持ち的なものが多いので、何でもかんでも祟りや穢れのせいだと思うとまともに生活してられない。周りがお塩だらけになってしまう。

 

残穢の登場人物たちのように疑い、観察して、そういうこともあるかもしれないと考え過ぎない方が、何事も良いのかもしれない。

 

洋物ホラーのように、心霊スポットに迂闊に訪れて行くとタヒなフラグが立つ可能性もあるので、楽しめる範囲で現実逃避も楽しみたいものである。用法、用量を守り使用する事で、怖い体験はしばしの間現実を忘れさせてくれるものである。

 

ただ小説読了後、お部屋の中でシュッと音がしても振り返らないことをお勧めする。

 

 

乙女と低気圧と無断欠勤と

「体調不良で迷惑をかけているので、契約を週4日にしたい」

とバイトの子からメールが来た。

いや、その前に君は先月は10日も出社してないし、今月1回も出社してきてないよね。と一人で突っ込んだ今月中旬。今日も曇り。件の子も、お休み。

 

低気圧による体調不良は私の周りでもよくある話で、薬を飲んで対応している人も多い。そのバイトの子も雨が降ると会社を休みがちになり、台風が発生すると同時に体調不良で来なくなってしまう。

 

旧石器時代から平日は会社に詣でているわけなので、こういった事案は珍しくはない。石を投げれば低気圧っ子に当たるという諺の如くざらに存在している。自分だって体調が万全ではないと頭痛になったりするから、多かれ少なかれ人は気圧に体調を左右されるものだ。

 

電車で気分が悪くなる、胃が痛くなる、お母さんが倒れる、階段から落ちる、自転車で横転する、枝毛が無限に沸く、サイコパスが濁るなど全て低気圧のせいだそうだ。

 

その理由に呆れたりはするものの、疑った所でのちのち重い病気を患っていたという事実が判明することがあり、バツが悪い思いをした経験もあるのでいちいち目くじらを立てない様になった。年の功だ。

 

とは言え、人力を期待してバイトに来てもらっているので、出社してくれないのはたいそう困る。病状に一定の理解を示しつつも、残念ながら、新しい人と交換するしかないフェーズまで来てしまっている。

 

学校を卒業してからの人生は選択の連続だ。

 

人は選択肢が沢山あると選べなくなるそうだが、働き方や生き方が多様になるほど自分の人生をどうしたらいいのか選べない人も多そうな気がする。

 

そのバイトの子は、主体をさほど求められていない世界から主体のみの世界に飛び込んで、泳ぎ方が分からず溺れている人のように思えた。

 

低気圧のせいで体調不良なのだから仕方ないと静かに逆ギレされても、テレパス能力がない私は困惑するばかりだ。多くの人は、自分の目的(生活、経験を得る、人脈作りなど)のために自分の時間を切り売りしている。

 

結局は、その子はお金には困っていないのだ。口では経験を得たいと言っているが、それは皆が納得するような答えを言っているだけなのかもしれない。低気圧で具合が悪いかもしれないが、来たくない(来なくても困らない)ので来ないのだ。そう思うことにして、これ以上の思考は私のサイコパスを濁らせるし犯罪係数も上がるのでドミネーターに撃たれる前にやめたいと思う。

 

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昨今は発達障害やメンタル不健康な人が職場にかなり潜伏しているので、事実を鑑みての慎重な対応が、バックオフィス業務やマネジメント業務には求められる気がする。しかし気にしすぎていても業務が進まない。はい、次の方!と割り切って、法令遵守しつつサクサク進むしかない。時代は変わったのだ。人材は取り替え可能だし、市場の門戸は広く開かれている。

 

個人的には自分の人生をどう使おうかは本人の自由だと思う。働けないなら、他で働けばいいし、頑張りたいなら頑張ればいい。しっくりするところで幸せに暮らせばいいのだ。

 

ただ一緒に働くのなら無断欠勤はやめてほしい。無断欠勤した人の家に訪れたら、三途の河を渡っていたこともままあるので、本当に心配して消耗してしまうからだ。

 

 

 

今日も良き日をお過ごし下さいませ。台風がまたまた来ています。ご自愛くださいませ。

フラの発表会が終わり、退職代行会社から手紙が届く 日々は続く

フラの発表会が終わった。100億%の方が、ご興味を持たれないだろうと思うが、2年に1回の開催なのでハラウ(フラ教室)内では、大大大イベントである。

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自分も何曲も踊る、生徒さんの踊りも確認する、インストラクターとして裏方の事務仕事を手伝うなどを家計を稼ぐ仕事の合間に行わなければならず、なかなかの忙しさだった。

 

特に自分の踊りについては、生徒さんがいる手前、みっともない踊りは出来ないと何度も動画撮影をして踊りを確認して修正を繰り返した。

 

動画撮影をして、動いている自分の様子を客観的に認識する。これは中々の苦行であった。最近の子は、自分がタピオカを飲んでいるだけの動画を撮って公開したりと自分の姿を動画で見ることに何の抵抗もないのかもしれないが、デジタルノンネイティブ、幻の6人目(シックスマン)として常に立ち振る舞っている自分にはとてもハードルが高かった。

 

踊りの未熟さは、高い棚の上に置いておくとして、何より気持ち悪かったのが、「自分の頭の中の自分」と「実際の自分」の差だ。

 

気分良く踊れて完璧なつもりで動画を確認すれば、上半身はグラグラ、目線もおかしい、誰これ?という人物が映っているのだ。私だ。お前か。

 

遥か太古の昔、まだ私が大学生だった頃、心理学概論かなんかの教授が、「人は客観的に物事を見ることはできない」と言っていた。客観的風には見れても、自分のフィルターを通して物事を見ているので、それはやはり主観なのだと言う。

 

ビデオや写真によって限りなく客観的に自分の踊りを見ることが可能であるが、それでも自身の変なフィルターが入り「本番ではこんな風に踊らない」「この時は考え事をしていたからこの踊りになった」など無限言い訳が出てきたり、下手だと思った踊りが他の人に褒められたりするともう何が何だか分からなくなってくる。藪の中だ。

 

結局「本当の自分」というのが玉ねぎの皮むき*に例えられるように、「客観的な自分」の姿というものもどこにも存在しないのだ。自分の見たいものを見て、私たちは生きている。 

 

 *玉ねぎを自分として例えると、自分探しというものは玉ねぎの皮むきに似ており、全て向いてしまえば結局何も残らないし、本当の自分というものはどこにもないのだと、マックで女子高生が言っていた。

 

 まあやる事はやりきったので、後は実力不足だ。それは仕方ない。ダメな所は修正していくしかない。人生は100年あるみたいなので、後60年位あれば少しはましになるだろう。

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真の客観にはたどり着けなくとも、客観的風に見ることは、普段の仕事や生活にも役に立つのではないかと思っている。

 

先日、私が経理を手伝っている会社に退職代行会社から1通の手紙が来た。「退職代行」についてはニュースで知っていたが、都市伝説の類かと思っており本当に存在しているとは思わなかった。

 

内容は、「貴社の○○様が、○月○日付で退職を希望している。直接連絡を取ることはできない。要件があれば退職代行会社まで連絡しろ」というものだった。

 

その新入社員君は、金曜日に客先へ行く予定だったが無断欠勤し、そのまま週末にあったアポもすっぽかし、連絡が取れず行方不明だった。チームのメンバーが慌ててフォローしなくてはならなかった、彼は一体どこへ行ったのかという話で社内がざわついていた時にその手紙は届いたため、騒がしさは更に増した。

 

その手紙を見た時、「落ち着け新人!」と手遅れながら思った。

 

新卒から会社勤めを始め、今はバックオフィスの業務委託と雇用契約の兼業社会人。20年色々な会社に在籍し、お客様の会社や自社を見てきたが、この会社は辞めたいと言って辞めさせてくれない会社ではない。業種の都合上、業務は忙しいかもしれないが、それもいわゆるブラック企業のそれとは違う。

 

そして「君は戦力でもなんでないんだ。辞めてほしくない人材でもなんでもないんだよ」とも思った。だって新卒新人の戦闘力は、枯れ木も山の賑わい程度なのだ。

 

私自身も新しい職場、仕事を始める時にいつも心にとめていることでもある。会社単位で見た場合、替えがきかない従業員はいない。場合によっては、社長さえ代替可能なのだ。一社員の存在など推してて知るべしだ。

 

代行会社に支払う報酬は5万円が相場らしいが、「辞めたいです」のその一言とその後の諸々の面倒くさい事が等価交換というのは、安いのだろうか。自分が辞める意思を言うことができる性格であるのと、私が新卒一般職で働いていた旧石器時代に手取りが15万円だったことから考えると、私にとっては高いと思うのだが。

 

客観的風に見れば、この会社は簡単に辞められる環境だったと判断できるため、サクッと退職の意を自分で伝え、5万円は辞めた後の生活費の足しにすればよかったのではないかと思う。

 

現状や自分の立場を客観的風にみるのは、やはりとても難しい。経験、周りの人の意見、職場の観察、事実、どれだけ並べても自分フィルターを通した主観でしか判断できない。私たちは、主観、自分の中の自分に、支配されている。

 

若い人たちに限らないが、私たちは選択肢が多い反面、選択するのが難しい時代にいるのかもしれない。ただお金も時間も自分の能力もできるだけ、大事に使ってほしいと思う。何しろ人生100年だそうなので、その配分を間違えると地獄が待っていると思われる。

 

うまくいかない時は吐きそうでも、自分を限りなく客観的に見ること。これは、解決策の一つになるかもしれないし、現状突破のヒントをくれるかもしれないと、自分のフラ動画をもやもやと見ながら自分を鼓舞している。

 

だって、フラの発表会が終わっても、または会社を退職したって日々は続くのだ。

 

去っていった新人君には、日割りの給料と未清算の経費を支払ってお別れをした。会社の彼の机には、彼が使用したいと所望して購入したごついゲーミングキーボードが残されていた。これどうすればいいのさ…。

 

 

 

大型台風が外でうねっていますが、来週もサバイブしていきましょう。命大事に!