オアフ島 ワイキキの開発と古代ハワイアンの聖地
記憶にはないけれど、幼い頃両親と住んでいた、ハワイ オアフ島、フラを習い始めたことにより、更に思い入れがある場所になってきています。訪れると体の緊張が抜けて、エネルギーが充電されるような、初期設定にリセットされるような気分になります。
両親が当時よく買い物をしていたという、Holiday Martは気が付いたら、ダイエーになっていて、今はドン・キホーテになっています。アメリカの田舎のオアフ島にも開発の手が入っていることはなんとなく感じておりましたが、今年訪れて開発が加速しているように思いました。「Comming Soon」と書いてある看板が何年もそのままなハワイ時間が好きなのになと、残念に思いました。
アラモアナショッピングセンターの隣に最低価格5億円の高級コンドミニアム Park Lane Ala Moanaが建設されていたり、インターナショナルマーケットプレイスがリニューアルされて、おしゃれなショッピングセンターになっていたり、ワイキキの再開発とカカアコ地区の開発による観光地としてのワイキキエリアの拡大を感じました。
アラモアナショッピングセンターにある、レストラン マリポサから撮影しました。右上の建設中の建物が、この高級コンドです。
個人的にはカカアコ地区はホームレスが沢山住んでいた記憶があります。その辺りを車で通るとビニールシート等で作られたお家がぎっしりと並んでいました。再開発や高級コンドミニアムの建設のために、ホームレスを一掃したというニュースを去年見ました。おしゃれな観光地エリアや居住地が広がる中、今なお増えるホームレスのためのシェルターの建設も進んでいるそうで、どんな場所にも光があれば影もありますね。
2015年にアラモアナショッピングセンターの新エヴァウィングのオープンも、2017年に完成予定のこの高級コンドミニアムの客を狙ってなのかもしれません。このオープンにともなって、白木屋も大幅に改装され、フードコートの値段も上がり、完全に観光客向けのお店になってしまいました。かつてのアラモアナショッピングセンターは、観光客と地元の人が混じった、ちょっとダサい感じのショッピングセンターだったので、ハワイ特有のゆるさが失われてしまったと感じました。
ちなみ今、地元の人は、ショッピングセンターだったら、ワイケレかパールシティに行くとタクシーの運転手さんが言っていました。
インターナショナルマーケットプレイスは、ワイキキの中心にあるにもかかわらず怪しさMAXの雰囲気でとても気にっていたのですが、こじゃれたショッピングモールになってしまい残念でした。バニヤンツリーは残っているのですが、その周りにいたオウムを肩に勝手に乗せてきて、お金をせびる胡散臭い人や、変なTシャツを売っているお店が無くなってしまい、何とも味気ない場所となってしまいました。彼らは一体どこへ行ってしまったのでしょうか。
一連の開発の加速は、2011年にオープンし、2013年に大規模に拡張した、ディズニーのアウラニ ホテルの影響もあると思いました。現在、長らくとん挫していたホノルル市営鉄道の建設が進められています。アラモアナからカポレイまでの路線を計画しているため、アウラニ ホテルからワイキキまでの交通の便が将来的にはぐっと良くなります。
オアフ島はバス路線が充実しており、この鉄道も地元の人は使わないのではないかと言われています。当初の予算よりも費用が掛かっており、この鉄道の建設も再びとん挫してしまうような気配があります。
アウラニホテルは、ワイキキからホノルル空港を挟んで逆方面に位置しています。パールハーバーを過ぎると観光地が何もない気がしていましたが、今後アウラニホテルが新しい人の流れを作って行くのでしょう。
そんな開発が日に日に進む一方で、ハワイには古代のハワイアンの神殿や聖なる場所(ヘイアウ)が数多く残っています。
ホノルル動物園があるカピオラニ公園には、今は何もありませんが、宗教的なものを嫌ったカメハメハ二世が、自分に権力を集中させるためにヘイアウを壊してしまう前は、多くのヘイアウがあったそうです。
マカプウ ヘイアフは、ダイアモンドヘッドを伝って来た神様が海へ帰っていくための場所で、悪いものを海へと流す場所であるそうです。その辺りの海はヒーリングプールと言われていて、体の悪い部分を入れるといいと言われています。ワイキキ、ハレクラニホテルの前のビーチにある、パワースポットのカヴェヘヴェヘのような場所ですね。
ケアイヴァ ヘイアウは、古代に病院のような役割を果たしていた場所だそうです。回りには薬草や魔除けとして使われるティーリーフが植えられていました。とても静かで心地よい場所です。ヘイアウはいまだにハワイの人たちには聖なる場所で、レイやフルーツのお供えが捧げられていました。
神聖な場所ということで、この場所で踊ったり、ろうそくに火をともして何らかの儀式をしている人々がよくいるそうです。行った日には、その様な人々に出会えず、残念でした。
ハワイ王朝の霊廟(マウナ・アラ)にも多くのレイが、捧げられています。王族やカラカウア家の誕生日には、門が開かれ、多くの人が集まるのだそうです。よく考えますと、ハワイが誇るサーファーのデューク・カハナモクやカメハメハ大王の銅像にはいつもレイが捧げられていますね。そこにハワイの人々の祖先や昔の人を尊敬する心を垣間見ることができます。
マウイ島にも少しずつ開発の手が入っており、先日開発されないよう、マウイが、Jaws Surfスポットの近くの土地を購入したというニュースを読みました。この手の話は聞きます。守る物の価値を考えて、行動することでハワイは開発と今も闘っているのだと思いました。
新しいもの、古き良きものとの共存への課題は、世界のどこでも見られます。残らないものにもそれなりに意味があるし、残るものにも意味があって、裏に携わる人たちの努力があったりします。気がついていたら、無くなっていたというのは、あまりにも残念なので、自分の分かる範囲で行動していこうと思っています。
落語に行ったり、それについて覚書を書いてみたり、着物を着たり、自国の歴史や文化を知ったり、それくらいしかできないですが、世界中の情報が入る現在において、世界の中での自分のアイデンティティを考えたら、”日本人”というものしかないのだから、良い部分も悪い部分も併せて知っていこうと思うのでした。
余談ですが、先日「通訳案内士」という通称”通訳ガイド”の資格を取るための学校説明会に行ってみたのですが、日本の歴史、文化を学びたいとおっしゃっているのが、60代以上の方々で驚きました。高齢化のせいなのか、若い人には文化とか歴史とかに興味がある人が少ないのか、それとも資格などなくても知識として一般的で習う必要がない人が多いのか、学校の顧客ターゲット層が60代以上の方なのか、これからこの現象についても、考えて行こうと思いました。
さて次のさんぽは、どこにいこうかな。またお付き合いしてくださると嬉しいです。