ぴこのねごと

さあ、つかの間の現実逃避へ。 旅とフラと時々経理の話

フィンランド サウナ旅 UUSI Sauna

成田空港から9時間、2年ぶり2度目、フィンランド バンター空港に降り立った。今回の訪問は、ずばり「サウナ」だ。


前回行った時の、「ロウリュ」での体験があまりに素晴らしかったため、今回は2泊3日のスケジュールでサウナを巡ることとした。

 

サウナ好きも苦手な人も、旅先としてフィンランドを選んだならば、是非サウナも旅程に入れてほしい。そこに集う人々に触れたなら、ディープなフィンランドを感じるだろう。

 

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バンター空港で降りる人は少ない。ほとんどの人が他国への乗り換えのために、Transfer出口へ流れていく。前回と同じように心細い思いをしながら、入国審査へ向かう。6箇所くらいある入国審査窓口、全て空いているので悩み、歩いてきたながれのままに目の前の出口へ進んだ。

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呆気ないほどの簡単さで、入国が完了した。そそくさと電車とトラムでホテルへ向かい、チェックイン完了。時刻は17時、まずはサウナへ向かおう。夕食などはその後だ。
本日、ヘルシンキは良い天気。日があたる場所は暑いくらいだ。

 

UUSI Sauna

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uusisauna.fi


最寄りのトラムの駅を降りてからかなり迷い、歩いていたおばちゃんに道を聞いてやっとたどり着けた。トラムの駅からすぐの所にあったのに、方向音痴にもほどがある。

 

中に入るとお洒落なカフェやバーの様な店内。テーブルと左手にバーカウンターがある。サウナの入口がよく分からず、キョロキョロしていたら、近くにいたおしゃれなおじちゃん(多分オーナーの人)が、バーカウンターでお金を支払うんだよと教えてくれた。

 

ついでにサウナの入り方や更衣室についても、この3人に聞けばいいよとフィンランド女子を紹介してくれた。今日は、サウナのプロモーションのための写真撮影をしていて、こちらの3人はモデルさんだと、おしゃれおじちゃんが教えてくれた。余談だが、後日、このサウナのFBに私が写り込んでいる写真が載っていた…。フィンランド人女子3人とアジア人1人の写真、浮いていることこの上なし。

 

女子更衣室の荷物を入れるロッカーの赤い扉が、ポップでキュートだ。女子3人のうちの一人が、「ここで服を着替えて、奥のシャワー室へ行くのよ。準備ができたら一緒に行きましょう」と言ってくれた。撮影のモデルさんの一人。

 

もじもじと着替えて、タオルを巻き準備できたことを伝えると、「じゃあ一緒に行きましょう」と可愛いバスローブを勢いよく脱ぐ。良い脱ぎっぷりだ。ぎゅっとタオルを巻きつけている私が、何だかおかしくなった。

 

奥のシャワー室へ向かう。シャンプー、リンス、ボディソープは備え付けてある。その更に奥の扉にサウナ室がある。

 

いよいよサウナだ。扉を開けると優しい暖かさと木の匂い広がっている。
「さっきまでサウナ室でも撮影してたから、蒸気が足りないわね」とお姉さんは、どんどんサウナストーンに水をかける。一気にサウナが熱くなるけれど、蒸気が肌に気持ちいい。

 

女子3人はおもむろにバケツから取り出したヴィヒタ(シラカバの葉がついた枝)で体を叩き出した。バシッ、バシッと結構な強さで全身を叩く。とにかく打つべし、打つべしという感じ。


「さっきからするいい匂いは、ヴィヒタの香りだったんですね」と言うと
「血行も良くなるし、あなたもやってみなさい」とヴィヒタを渡された。


恐る恐る叩いてみると、
「もっと強く!もっと強く!」と言われるがままに強く叩かされた。意外とど根性系だ。
叩くとシラカバのいい香りがして、気持ちがいい。葉っぱが体に貼り付きさらにいい香りがする。「フィンランドでは、これが健康法なのよ。」と嬉しそうにお姉さんが言う。

 

サウナストーブは、床に置いてあり、サウナベンチは、階段を5,6段登った少し高いところにある。そのため、水をかけるためには一度下に降りて、サウナストーブの近くに行き、水をかけなくてはならない。モデルさんたちは、何度か下に降りて水を丁寧にかけ、サウナ室は適度に熱く心地よい空間となった。フィンランド語でのおしゃべりが始まり、3人とも楽しそうだ。

 

しばらくすると、シャワー室へ、三々五々に向かい、サウナ室で一人になってしまった。薄暗い中で、時計も温度計もない室内。静かで落ち着く。


自分でも階段で下に降りて、サウナストーブに水をかけてたりして、一人を満喫していると母娘のような2人組が入ってきた。サウナの温度が気に入らないようで、「水、足していい?」と言った後、水が入っているバケツとひしゃくを下からサウナベンチがある所まで移動し、座りながら水をストーブへぶち込む。上から下に投げつけられた水はサウナストーブでじゅわわーと大きな音を立てる。


シンプルに言って、水のかけ方が「雑」である。室内は蒸気が起こる音と二人の会話で騒がしく、一気に暑くなる。

 

堪らずシャワー室へ退散し、更衣室まで戻り、水を飲む。しばらくゆっくりとしていると、二人も出てきて、更衣室でバスローブを着て、外に出て行ってしまった。
そしてまた一人でサウナ室に戻り、静けさを楽しんでいると、おばあちゃん2人組が入ってきた。

 

おばあちゃんの一人も、もう少し暑い方がいいらしく「水、足していい?」ともう一人と私に聞いた後、母娘二人組みの方法を踏襲したのかどうか分からないが、サウナベンチからサウナストーブまで水を投げ飛ばす。

 

やはり雑だが、やはり何とも繊細な蒸気が室内に充満する。

 

「どこからきたの?」とおばあちゃんが聞いてくる。
「日本から来ました」
「旅行?それともこっちに住んでるの?」
「旅行です。フィンランドのサウナに入りたくて、来ました」
「私も日本行ったことあるわ。サウナにも入ったけど、フィンランドのとちょっと違うわよね」
「そうなんですよ。だからまた来たくて」
何となく会話が弾み、良いところで終わって、おばあちゃんたちは二人で楽しそうにフィンランド語で話し出す。

 

サウナを満喫した私は、おばあちゃんたちに声をかけて、サウナを後にした。
服を着て外に出ると、カフェ兼バーは大賑わいで、座るところもないほど。空いてたら何か食べて帰ろうと思ったが、難しそうだ。

 

サウナの入り方を教えてもらったモデルさん3人がバスローブ姿で楽しくおしゃべりしているのを見つけた。
「今日は有難う」と一言伝えると、「またね!」「サウナ楽しんでね」と返してくれた。

 

心も体もホカホカとなり、ヘルシンキでの1回目サウナを終了した。

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ヘルシンキのお洒落なサウナ。地元の人たちと交流したい人にはぴったりなサウナ。土日は、混んでいて時間によっては、入れないこともあるそう。去年の暮れに出来たばかりそうで、別の「サウナでどんなだった?」とお兄さんに聞かれた話題のサウナでもある。新しいと言う意味の"UUSI"サウナ。

 

タオルレンタルすると貸してくれるだろう、マリメッコのガウンがめちゃくちゃ可愛かった。日本でガウンというと白いタオル地のもので何となくお金持ち感がして、敬遠してしまうが、マリメッコのは着てみたいと思った。

 

中庭で下半身にタオル巻いただけの姿で外気浴すると地元男子を見て、年甲斐もなくドキドキしてしまったのは、秘密だ。

 

 

(noteから加筆修正の上再掲)

note.mu