ぴこのねごと

さあ、つかの間の現実逃避へ。 旅とフラと時々経理の話

上越新幹線で朝食を

会計事務所に入りたてほやほやの頃、ある会社の担当をしていた時、通勤手当になるのかで、お客さんから質問があった。

 

その重役は、7月から夏の間は、軽井沢の別荘から東京にあるオフィスに通勤するので、新幹線を含んだ金額に交通費を変更してほしいと会社にリクエストをしてきた。

 

税理士ではないので、詳細は省くが、結局、一部は給与扱いになると言うことで処理することになったと思う。

 

所得税が課税されるとか給与になるとかそういうことではなく、ただ世の中には、夏の間だけ軽井沢の別荘から出勤してくる会社員がいると言う事実に驚いた。

 

あれから10年以上たち、この話はすっかり忘れていたのだが、群馬の高崎に泊まり、高崎から翌朝10:00にオフィスへ行くというスケジュールにこの3月になってしまったことで、埃をかぶった記憶が呼び覚まされた。

 

 

東京の朝の通勤がとても苦手である。電車に乗っている人のイライラや不機嫌な感情、混雑に疲れてしまうのだ。ほとんどの仕事を在宅勤務に移行してしまったが、それでも朝電車に乗らなくてはならないことがある。以前より苦痛は減ったが、嫌なものは嫌だ。

 

朝の高崎駅から東京駅までの移動は、全くの未知の世界だ。小心者の私が、目を覚ます。

 

朝だし、すぐに電車の席は埋まってしまうかもしれない。普通の電車で、もし席に座れなかったらと考えると気絶しそうなので、予定が決まってすぐに、朝の新幹線チケットを予約した。

 

その後は繁忙期だったため、不安を感じる隙もなく、群馬から通勤するという日の前日がやってきた。

 

その日、東京を出た時は、雨だった。しかし群馬に近づくにつれて天気次第に晴れていった。少し離れただけで、天気も変わるんだ。

 

今の仕事をしていると、ほとんど生活パターンは変わらない。オフィスや家でひたすらに会計データを入力、お客さんに内容確認、関係者へのメール連絡。個人事業主となってからは早朝も深夜も土日もあまり関係なく、仕事とプライベートの境目が曖昧だ。

 

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用事も無事に終了し、翌日の朝を迎えた。

 

駅の近くのスタバでコーヒーとスコーンを購入し、新幹線で食べようと思う。駅での混雑を考慮して、30分前に高崎駅に着いたが、想定よりも駅前も駅中も空いている。

 

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Maxとき302号、高崎 07:48発で東京まで1時間の出勤だ。1階席を選択したのだが、2階の方が楽しいのだろうか。


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車内は満席と言うわけではないが、80%位の乗車率くらいだろうか。朝の出勤や、出張の人が多いかなと思いきや、旅行者のような人々もいて、車内は和やかムードだ。

 

テーブルを出して、コーヒーを飲みながら、スコーンを食す。車窓の景色がどんどん流れていく。前の人が降りないかなともんもんと思ったり、我先に人にぶつかりながら降りる人にイラついたりする自分はここにはいない。

 

あの時の重役もこんな状況で、夏の間、軽井沢から会社に通っていたのだろうか。優雅だ。

 

アドレスホッパーなる人たちがいる。そう言う風に生きられるなら、何ということもないことなのかもしれない。

 

しばりがあるからこその少しのいつもと違う行動が、何か特別なような優雅なような朝の時間を与えてくれた。新幹線の通勤だったら、毎朝通勤でもいけるかもしれない。

 

勝手にあの時の重役気分になって、新鮮な朝の時間を楽しんでしまった。たまにはこんな朝もいい。