美保神社と美保関 神話の地へ 島根県出雲・松江あたりその3
エビスと言えば、何を思い浮かべるでしょうか。ビール?ガーデンプレイ?ハワイアンショップがなぜかいっぱいある場所?
今回は、七福神の一人でもある恵比寿様が祀ってある神社の話です。
島根半島の東端に位置する、美保神社は大漁の神様「恵比寿様」を祀っており、全国各地にあるゑびす社3385社の総本社です。御祭神は、「コトシロヌシ」と「ミホツヒメ」で二人ともオオクニヌシの子で、異母兄弟です。
七福神詣でが始まった江戸時代以降に、コトシロヌシは、「大漁の神 恵比寿」としてされ、オオクニヌシの「大黒」と対をなす祭神として、広く信仰され、美保神社は出雲大社とともにお参りされたそうです。
古事記や日本書紀に比較すると、上記は新しい話ではあります。コトシロヌシやオオクニヌシといった神話の神様が、時を経て七福神に流用されてしまうなんて、何だか変な話です。神様の成分の98%は人の思いでできているのかもしれません。後の2%は歴史や言い伝え、かなと恐れ多くも適当に思っています。
野趣あふれる釣竿な絵馬たち。乱れ具合がかわいい。
美保神社のある、美保関は古代より漁業や交易がおこなわれた重要な場所だったそうですが、今は、静かな漁港のたたずまいです。
未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選にも選ばれた漁村でもあります。
青石畳通りに敷き詰められている青い石(青に見える?)は、海の色を意識しているそうです。
遠く雲の後ろに、大山がうっすら見えます。
今年は、スルメイカが不漁で、美保神社の近くの店先で販売していた干しイカは、700円で販売されてました。
コトシロヌシは、”事を知る”神様であり、オオクニヌシから国譲りの相談を受けた時、国を譲ることを促し、その後海中に身を隠したとされます。国を譲った後の自身の境遇について、何かを感じたからなのでしょうか。美保神社で行われる神事は、国譲り神話に由来しているもので、参加する地元の方々は神事の一年前から準備をされるそうです。
この国譲りの神話は、出雲の豪族が大和朝廷に屈服した歴史を表しているとも言われており、古代ロマンが漂います。
静かな漁港の余韻に浸りつつ、だいこん島の由志園へ。閑静な庭園に突如現れる假屋崎氏の作品群。その破壊力。草月流ってすごいね。
ばくはつ!