ぴこのねごと

さあ、つかの間の現実逃避へ。 旅とフラと時々経理の話

フィンランド イナリ オーロラを探して Day1

こんなご時世なのに大変申し訳ないが、前々から決めていたことだし、キャンセルフィーがかかってしまうので旅に出ることにした。

 


テレビは朝の天気予報とドラマ、アニメしか見ないようにしたので、世間がどう動かされているかよく分からない。一般人なので、フィンランド の雪とオーロラと戯れている写真をアップしたとしても、友達は減ることがあっても不謹慎だと炎上はしないだろうし、ブログ自体は現実逃避を目的としているので、こんなに良いタイミングはないだろう。


外国人を好まない人々は、全世界に存在する。この時期日本から外に出て行くのは心配性の私にはとても怖いことだ。当たり前のことではあるが、私も日本から出れば外国人枠になるのだから、一部の日本人やワイドショーがしている人種差別を受ける側になる。げに恐ろしきは人間な報道が多い中、ガクブルではあるがオーロラを求めて出国した。

 

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成田空港は土曜日にも関わらず、空いているように思えた。手荷物検査も出国手続きもあっという間に完了してしまった。

 

 

マスクをするのはヴァンター空港までとして、母が持たせてくれた消毒シートとともにフィンエアー搭乗。こんなに空いている飛行機に乗るのは初めてだ。

 

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私の席は3列の席の通路側。横の二席は空いていたので、三席使用させていただいた。

 

フィンエアーのCAさんは、日本人以外は特にマスクなしでサービスしていた。いつも通り親切な対応を受けた。


フィンエアーの機内のエンタメはあまり私の興味を引くものがないので、ネットフリックスでダウンロードしてきた鬼滅をひたすらに見る。桜井ヴォイスに飢えていたので、冨岡さんが出てくる所を中心に。本当はリチャード氏を持ってきたかったが、かなわなかった。

 

 

問題なくヴァンター空港に到着。トラブルを避けるためにマスクを外すが、マスク率はアジア人が多いものの、それ以外の人々もマスクしている人がいて驚いた。入国審査は自動化されていて、特にサーモグラフィーを撮られたり、検温されたりもなかった。至って普通。

 

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イヴァロ空港への乗り継ぎ便。意外と席が埋まっている。フライトの時間は1時間30分位なのだが、途中皆席を立ちあちらこちらで立ち話をしていた。皆ご近所さんなのか?というような盛り上がりだ。楽しそうだ。日本人のツアー客も10人くらいいた。年齢層高めだった。勇気ある。ガクブルの私とは違う。

 

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何の問題もなくイヴァロ空港に到着。虐げられることなくDay1完了。予約したシャトルバス内で前に座っていたフランス人のおばちゃんがごほごほしていて逆に心配になった。デリケートな国からやって来たばかりので、ナーバスが止まらない。

 

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すごい晴天だったが、この日はオーロラ見えず。しかし寒い。近年東京では雪が降らないので、この大量の雪はとても新鮮だ。予約していたコテージにダブルブッキングが発覚した。「よし、トラブル来たかぁ、やったるでぇ」と腕まくりしたものの、10分後、あっさりグレードアップしたサウナ付きコテージを用意してくれた。そっと袖を元に戻した。

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場所はコテージ群の一番北のはじっこ

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暖炉、ベッドルーム、ダイニングキッチ(オーブン、冷蔵庫、電子レンジ、食器完備)

 

サウナ、外気浴を繰り返しつつ、北の空にオーロラがあるかを確認することができる素晴らしいロケーションである。

 

ホリディ ヴィレッジ、コテージBのサウナ

2〜3人が一度に入れる。コテージの扉は二つあり、一つは玄関、一つはシャワー、トイレ、サウナ室から外に出る用だ。温まるのに45分くらいかかる。

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雪にダイブできるよ!

薬も過ぎれば毒になる こんな時こそハワイアンソングを聴こう

29日にジョシュ・タトフィさんの日本コンサートにハラウ(フラ教室)で出ることになっている。今の時点では中止の連絡は無く、参加者はマスク着用、具合が悪い人は参加しないを条件に開催の予定だ。

 

と、昨日から書いていたのですが、ついさっき日本公演延期のお知らせが来てしまった…。せっかく書いたので以下続けます…。

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アメリカは日本を渡航レベル2に引き上げたとの報道も出ているが、ジョシュさんは来日できるのか、こんな時期に無理に開催するのはどうなんだろうかと考えたりもするが、こんな時こそフラやハワイアンソングが癒しになるのではないかと思い直し否定的な考えを捨てた。


テレビをつければ、新型コロナウィルスの話題ばかりで気が滅入る。無知なコメンテーターが適当なことをいうTVショーは人々を不安にさせ、マスクや除菌シートの値段を高騰させる。マスクを奪い合って殴り合いなんてニュースも見かけた。この混乱に乗じて、怪しげな民間療法信者たちが湧き出して人の不安につけ込んで商売を展開する。


これは、東日本大震災後の放射能騒ぎにとてもよく似ている。経理を担当している会社の社長が、「東京に来ると放射能で肌がぴりぴりする」と狂気の発言を放った衝撃は忘れられない。そんなわけあるまい。その後その社長は沖縄に移住したが、花粉がひどくてという話を後々聞いた。「なんだチミは!」と思ったのは秘密だ。

 

どうして私たちは同じことを繰り返すのか。人間は忘れる動物であるからだろうか。


自分の額に刺さった自分の投げたブーメラン抜きながら、反省する。玉石混合の放射能の情報に振り回されて疲弊して、テレビで繰り返し流される津波の映像に気分が悪くなった9年前を再び繰り返しそうになった。朝の天気予報と映画・アニメ以外、テレビを見るのを早々にやめた。SNSは用法容量を守って控えめにするようにした。理性ある人間でありたい。

 

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フラを始めたのは、ちょうど2011年4月。スポーツクラブの大好きなインストラクターがフラレッスンを始めると言うことで参加したのがきっかけだ。ハワイには何度も行っていたのに、何故私はフラを全くやったことがなかったのか。震災が無ければ触れることすらなかったかもしれない。


フラとハワイアンソングは、当時、申告書作成と地震計画停電、電車混雑、不安等で疲弊していた私を瞬く間に癒してくれた。何よりもハワイアンソングのゆったりとした曲調やウクレレの音、ハワイ語の発音がとても心地よい。それに合わせてゆったりとハンドモーションで曲の内容を現していく。フラのハンドモーションは手話のように意味があるのだ。


踊ればまるでここが曲の中であるかのように思えてくる。この殺伐した世界にハワイが突然現れたのだ。チートで異世界転生した級の衝撃を受けたのだった。

 

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ワイ島コナのおキャット様


ジョシュさんのコンサートで踊る曲は「カレオハノ」だ。


イズラエル・カマカヴィヴィオレが歌っているバージョンがとても有名だ。大切な場所を歌った曲で、曲中に繰り返し出てくる「ケアウカハ」は、ハワイアンホームステッドと言われ、ハワイアンの血を引く地元の人が住んでいる場所。ハワイアン王朝が崩壊した後、クヒオ王子がハワイアンの生活を守るためにいくつものこの様な場所を作ったそうだ。


ワイ島ヒロ空港の近くの海辺の街。その場所について歌ったこの曲は、優しくどこか切なく静かな気持ちになる。3番の大好きなマウナケア、寒い夕方、風の音を聴くという部分の歌詞と振りが個人的にはとても美しく、気に入っている。


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マウナケア山頂 日の出

こんな時だからこそ、少し情報取得を止めて、深呼吸をする。不安に飲み込まれないように、ハワイアンソングを聴いてリラックスしていこうではないか。正気を保つのが最優先事項だ。

 

消毒のし過ぎも、過敏になり過ぎも、騒ぎ過ぎも必要ない。情報もあった方がいいとは思うが、過多になれば判断ができなくなる。

 

今週はまだ申告書対応が続き慌ただしいけれども、余計なストレスを抱え込まずに繁忙期を乗り越えてみせるぜ。

 

皆さまも無理せずご自愛くださいませ。共に乗り越えていきましょう!

 


Josh Tatofi: Kaleohano. Written by Louis Moon Kauakahi


ジョシュver カレオハノ。これでずっと練習していた。優しく穏やかな気持ちになる。踊れる日まで練習しようと思う。また来日して!

 


Kaleohano "Live" Israel Kamakawiwo'ole "Iz"


イズver カレオハノ。私のリスニングがいまいちだし、ハワイ語が入ってるので完全に理解できてないが、ハワイアンのみんなへのメッセージがぐっとくる。ハワイの伝統が危機に瀕しており、我々は守っていく責任があると語りかけている。この動画はイズが、38歳で亡くなる1年前のものだそうだ。体調は万全ではなかったと思うが、迫力がすごい。ケアリーもうるっている。神回だったんだろうと思う。ライブはたまにそういう奇跡の回がある。曲は3分くらいからスタート。

 


Keali'i Reichel - Maunaleo (HiSessions.com Acoustic Live!)

上の動画に出てきた、ケアリー・レイシェルも有名なシンガー。「マウナレオ」という山に例えて、母について歌っている。

 

淡路島七福神めぐり 神話の島と太陽光パネル

七福神をめぐることがここ数年の新年のイベントとなっている。今年は東京を離れて、淡路島にやってきた。


古事記日本書紀によれば、「イザナミ」「イザナギ」が最初に産んだ島、淡路島。七福神を祀る寺院が広く全島にまたがっていることから淡路島自体が七福神の船としてみなされるているそうだ。


島自体がとても縁起がよさそう。

 

淡路島の七福神は一日で歩ける距離には無いので、車での移動となる。所要時間は8時間だ。

 

淡路島は友の故郷であるので、友のことを空想で空目しながら一緒に回ってみたいと考えたのだが、ちょっと我ながらキモいので早々に企画倒れとした。

 

淡路島の七福神の分部は下記の通り。神戸方面から大黒天から巡り、南あわじの毘沙門天を最後にするルートを取った。

 

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参照:淡路島WEBより

www.awaji-web.com


 それでは元気に橋を渡って参りましょう〜。

 

 

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この日東京は、雨また雪の寒い一日だったそうだが、ここ淡路島は春のような日差しと暖かい。晴れ女の斬魄刀卍解だ。

 

世界最長のつり橋明石海峡大橋明石海峡を渡れば淡路島だ。この橋ができるまでは本州からの移動はフェリーだけだったそうだ。橋がある無しが人の移動にとても影響する。島の旅は本州の旅と違い時間がかかるし、のんびり旅にはもってこいだが時間がない旅にはちょこっと不便だ。

 

橋を渡り海沿いの道を走っていくと、はじめのお寺が見えてきた。


八浄寺 大黒天

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1394年に建立され、その後他のお寺と合併し、今の八浄寺となったそう。


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七福神がお水をくれるかわいい手水場。必要ないのに七箇所全てで手を洗う。


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手前にあった大黒さん。箱を下からジャンプして叩くマリオのようだ。チャリーン。

 

大黒さんの「打出の小槌」は怠け心、よこしまな心、弱い心などの邪悪な心を打ち振って人の迷いを晴らすとのこと。

 

全てを内包している私の心を打ち振ってほしい。迷いが今日の天気の様に晴れるといい。


宝生寺 寿老人

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740年、聖武天皇の勅命をうけて、行基が祈念して、建立されたそう。最近は、大仏建立した方がいいのではと言う事案が多いので、聖武天皇というワードが個人的に目に止まりやすい。


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こじんまりとしたお寺。小高い丘に建てられている。


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春日大社つながりのお隣さん。鹿が可愛いし、聖武天皇といい奈良と何か関係があるのかもしれない。

 

 

智禅寺 弁財天

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道がとても狭く、脇の水路にバスが転落しないかはらはらしながら到着。運転手さんの技術がすごい。


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入口の真ん中にぶら下がっている紐を引っ張って、ゴーンと鐘を鳴らして入る。表からはどこに鐘がついているのか全く分からなかったのだが、裏側にアンサーがあった。


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弁財天さまは、河川の流れる音の音楽の神様。言葉使いも音楽の一つ、何気ないあなたの一言ひとことが、他人を勇気づけたり、傷つけていたりするものです。常日頃、言葉ひとつに他人を思いやる知恵の一言一句が福を積む因でごさいます。

引用:淡路島七福神霊場会事務局パンフレットより 

 

パンフレットの説明にグッときてしまった。繁忙期で殺伐としているため、人の一言に傷ついたりして被害者ぶっていたが、自分もトゲのある言い方をしているかもしれない。反省。

 

中で住職さんのお話を聞いて、マツコデラックスさん似の弁財天様があると言うので探してみたものの全く見つけられなかった。住職さんに答えを教えてもらい、写真の許可を取った。思った以上に小さい。きゃわ!


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とても似ている。話題になっているみたいで、横に神戸新聞の記事も貼ってあった。


長林寺 福禄寿

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こちらも737年に行基がこの地に七堂伽藍を創建し、本蔵十一面観音菩薩像を安置したのがはじまり。

 

901年に菅原道真が九州に赴く時、御堂に参詣したそう。古い。行基や道真など社会科資料集に載ってる重鎮がバンバンに出てきて淡路島すごいな。


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こじんまりとしたお寺。中に入ったら普通に個人の法事をやっていたので驚いた。「法事をやってるんで、奥まで素早く進んで下さいー」と促され福禄寿の前までささっと進む。

 

中の福禄寿はちょっと暗くてよく分からなかったが、外にあった福禄寿を確認した。


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護国寺 布袋尊

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布袋尊は和合の神とも言われており、仲良く暮らせる人間の理想の姿を現しているそう。清濁も合わせのみ込むハラをお持ちだそうだ。自分と比べるのもおこがましいが、まだまだだなあ。


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屋根の装飾まで布袋さん。


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友は南あわじ出身で、護国寺は近所だそう。桜の名所で、だんじり祭りもあるそうだ。


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完全に蛇足だが全世界で起こっている片手手袋現象をこちらでも確認した。


万福寺 恵美酒神

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770年の僧侶の宿坊として草創したが時代の変遷とともにいつしか退廃。1394年に賀集氏により再興し、寺院となったそう。このあたりの地名が、賀集なので地元の人に愛されている感がある。

 

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ここの恵美酒さんは、木彫りで日本一大きい恵美酒さんだそう。身体の悪いところを触ると良くなるということで、右膝を触っておいた。


覚住寺 毘沙門天

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毘沙門天は、勇気の神と言うことで、勇気と決断を授けるお寺。

母の愛に対して、父親の慈悲。愛だけではこの人生の荒波を乗り越えることはできません。中略 父の慈悲と母の愛、相互に相まって一家和楽の風が吹く。

引用:淡路島七福神霊場会事務局パンフレットより 

 

様々な家族像がある昨今に置いて、なかなかどう変換していいか難しい。陰陽図の様に何事もバランスが大事とすればいいかな。優しさだけでは人は育たないとか?

 

推古天皇の頃(592年)に聖徳太子の命により創建されたと言われている。淡路島でも最古の寺院の一つと言われている。淡路島を巡っていると、船で島に渡らなくてはならないにもかかわらず、奈良・平安時代に建立されている寺、神社が多い。この時代日本の中心は、関西だったのだなと改めて実感する。


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団体さんと混ざってしまい、お堂の中はこの日1番の混雑。
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全ての七福神を巡り、今年もサバイブできそうな気がしてきている。それぞれの地で言われたり、感じたり、反省したり、元気になったり刺激的な一日を過ごした。

 

また淡路島の寺、神社はこじんまりとしていて、とてものどかな気持ちになった。毎年1月、2月が最も混む時期と聞いていたが、渋滞もなく心地よく過ごした。交通手段が車一択なので、運転が苦手な場合には、1泊2日でゆっくり回ってもいいと思った。いい温泉もあるそう。

 

 

そんなのどかな淡路島だが、頻繁に太陽光パネルだらけの土地に遭遇する。あまりに普通にあるのでびっくりする。田舎の使われてない広い場所はパネルだらけになりがちだ。日本の地方に旅するとわりと見る光景ではあるが。

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今回おまけで、イザナギイザナミの二柱を祀る淡路の伊弉諾神宮も回ってきた。時間がなくて有名な日時計は観ることができなかったが、淡路島自体の不思議さというか先人の知恵なのかを味わうことができた。

伊弉諾神宮を中心に東は伊勢神宮内宮、西は対馬の海神神社が同緯度に並ぶことが分かった。それだけではなく夏至には諏訪大社(長野県諏訪市など)の方角から日が昇り、伊弉諾神宮を通過して出雲大社島根県出雲市)の方角に日が沈み、冬至には熊野那智大社和歌山県那智勝浦町)から日が昇り、高千穂神社天岩戸神社(いずれも宮崎県高千穂町)に日没することが分かった。

引用: 産経ニュース

www.sankei.com

 

偶然かもしれないし、意図して行ったことかもしれないけれども、不思議だ。太陽光パネルで太陽の恩恵を受けて、神々をつなぐ陽のみちしるべとして、今日も淡路島は在るのだろうなあと東京から思いを馳せてこの旅を終わりたい。

 

ニュースをつけてるだけで気分が悪くなりそうな日々なので、護国寺でもらった布袋さんとともに最近は生きている。おすそわけしたい。今日もおんにこにこそわか!

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旅行気分で歩く、秋の吉祥寺 井の頭公園と自然文化園

「私、電動自転車がほしい」

唐突におばちゃんが話し出した。ある日のサウナ。

 

「え、でもあなた自転車乗れないじゃない」

もう一人のおばちゃんが驚いて返事をした。

 

「練習すれば乗れるようになるでしょ?」

「いやそうだけど、50も後半になって、自転車乗れるように練習って無理じゃない?しかも電動に乗りたいなんて、危ないわよ。」

 

その後も危ないと何度も止められても、言い返す自転車乗りたいおばちゃん。白熱したトークに飛び散る汗が、心の目で見える。

 

「そもそもさ、」

危ないおばちゃんが話し出す。

「なんで自転車乗りたいのよ。車運転すればいいじゃない。免許も車もあるんだから」

「自転車で吉祥寺に行きたいっっ…」

ぼそっとだが力強く乗りたいおばちゃんが言う。

 

「だったらやっぱり車で行けばいいじゃない」

「自転車で気軽に行きたい!近所の人は、気が向いたら自転車で皆吉祥寺へ行ってる!私も行きたいの!車じゃ駐車場とか探すの大変じゃない!」

 

そのパッションたるや!その時、サウナの温度、今日は200度を超えたかもしれない。

 

あまりのパッションに気圧された危ないおばちゃんは

「…。練習頑張ってね」

とエビの如くに水風呂へ向かって行った。よく分からないパッションの前に、共感できない人はハンズアップ全裸で撤退するしかない。

 

人は他人には理解できない理由で、情熱が燃え上がってしまうことがあるものだ。

 

「電動自転車で吉祥寺に行きたいのだっ!」というおばちゃんのパッションに煽られた訳ではないが、用事があったので久々に吉祥寺へ繰り出すことにした。もちろん電車でだ。

 

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駅前は今日も混んでいた。何故、吉祥寺に人がこんなに集まるのか、街の歴史についての知識がないのでちょっと意味不明だ。昔から吉祥寺はいつ来ても結構混んでいる。

 

吉祥寺パルコは数年前に屋上のビアガーデンでフラを踊ったことがある。踊ってる途中で、雷が鳴り出し雨が激しく降り大惨事だった。お客さんは傘をさして、濡れながら肉を焼いていたな。

 

LL Beanのあたりは、古着屋やタピオカ屋などがあり、裏原宿のようだ。人混みを避けて井の頭公園へ向かう。広い公園ではあるが、なかなかに人がいる。

 

そのまま少し歩いて、三鷹の境界線を超えてジブリ美術館に到着。

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トトロの出迎えにチケットもないのにテンションが上がる。今日のチケットは完売らしい。相変わらずの人気だ。

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以前、インバウンドの旅行会社にいた時、「タクシー送迎+ジブリ美術館チケット」と言う商品があった。ジブリ美術館のチケットは海外にある大手旅行会社にしか卸していない。そのため零細企業の我が社は予約が入ると、毎月10日の翌月分チケット発売日にロッピーで予約が入った日のチケットを一気に予約するというオペレーションで回していた。

 

30分以内にチケットを発券しなくてはならず、何十枚も予約するので、後ろに並んでいる人からの圧と時間との戦いだ。嫌な仕事だ。

 

ジブリは海外でもかなり人気で、予約がかなり多く、日本の休日に当たってしまうと予約を取れないことも多かった。予約が取れないと返金してもなお、お客様からの苦情が多く、英語で怒られて大変だった。

 

また取れたチケットは、お客様の宿泊先に送るのだが、手違いで受け取れなかったり、チケットが取れなかった連絡が上手くいかず、予約したサイトのバウチャーを持ってジブリ美術館へ行き門前払いをされた旅行者もたくさんいた。ジブリ美術館に行くために日本に来たのにと言われて、すまぬと謝る対応しか出来ずに辛かったな。

 

「はるばる日本にやってきて入り口でトトロを見てテンション爆上げの所で、美術館に入れない」という旅行者たちの絶望と「ワシ、経理なのに。予約担当じゃないのに」というつらみが、おもひでぽろぽろだ。

 

チケットが取れたら、その予約日時に合わせた吉祥寺・三鷹散策は楽しいかもしれない。

 

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せっかくだから自然文化園にも立ち寄った。


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檻の動物たちは少し窮屈そうだと思ったが、普段見ることが出来ない動物たちを見ることができて有難い。有難う。ごめんなさい。

 

くだんの旅行会社にて旅行者にハリネズミカフェのチケットも売っていた。日本に来てわざわざハリネズミに会いに行く?WHY?と思っていたが、普段街で生活していて中々出会えないし、触れない動物がいたら確かに見に行きたいかもしれない。

 

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ヤマアラシ

自然の中でヤマアラシに会ったら、かなりビビる。

 

入園してすぐの所にモルモットと触れ合える場所があるらしく、行列が出来ていた。触った後に横の水道ですごい勢いで皆が手を洗っていて、そりゃそうだけど何となく何だかなぁという気持ちになった。


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こんな檻もあった。もう少しよく写る鏡がいいかもしれない。姿がはっきり写らないのでパンチが弱い気がした。

 

最も感動したのは、リスの小径だ。

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リスの檻の中に人間がお邪魔すると言う仕組み。かわいいリスが縦横無尽に走り回っている。ストレスだったらごめん。時折、リスに紛れてネズミも走っていた。
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 この愛らしさ。もふもふさ。

 


リスの小径

 

 

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白鳥や他の鳥たちも可愛かった。オシドリが想定外の美しさだった。

 

家からそんなに離れてないのにちょっとした旅行気分だ。昔の嫌なことも思い出したが、それもコミコミの人生だ。

 

 

 

結局、自転車乗りたいおばちゃんには、あれからサウナで会ってない。「吉祥寺電動自転車行軍計画」がどうなったのか、プランも現状も結果も不明だが、吉祥寺は自然と街が共存していて良い場所だ。気軽に行きたくなるのにもうなずけた。

 

地方出身の仕事仲間は、吉祥寺にどうしても住みたくて駅から徒歩25分の場所に住んでいると言っていた。「レディ、そこはまだ吉祥寺なのかね?」という疑問が湧くが、やはり住んでみたくなるほどいい場所なのだろう。

 

私はと言えば、ベットタウン育ちなので、駅の周りが栄えてると落ち着かないのと人混みが苦手なので、吉祥寺は用事があってぶらぶらするくらいで良いかな。

 

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結局、夕方までぶらぶらしていたので、LL Beanのツリーに電気が灯っているのが見れた。

 

負の感情も、驚きも発見も疲れるけれど、全てコミコミで今日もよき1日だった。

今日もお疲れ様でした。

e-Taxでラクラク申告できるのか?青色申告特別控除の適用要件が変わるので申請をやってみた

 年末が近づいてくると、憂鬱なシーズンの到来だ。外資系企業の決算が集中する年始から2月にかけては、一年で最も忙しい時期だからだ。更に自分の確定申告も行わなくてはならない。

 

令和2年分の所得税確定申告から65万円の青色申告特別控除の適用要件が変わると聞いて、YouはShock 俺の鼓動が早くなった去年。

 

所得税はいくらの所得にした方が得なのか等は税理士の先生にお任せするとして、自分のことだけを考えた。

 

  

青色申告特別控除の改正

現在は、紙で申告を提出しており、適用要件を満たしているので、青色申告特別控除65万円の控除を受けている。同じ条件でに令和2年分の確定申告した場合、青色申告特別控除55万円になってしまうが、誰しもが持っている基礎控除が48万円と10万円上がるので、±0で税額に影響がない。焦ったが、増税ではないので安心した。税金の対価は無いに等しいので、脱法しない程度に安くするに限る。

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65万円の控除を受けるには

よくよく資料を見ると青色控除65万円を引き続き受けられる要件がある。

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このいずれかの要件を満たせば、引き続き65万円の控除が受けられるし、基礎控除も10万円増えるので、私の場合は実質減税となる。

 

私の場合には、売上から経費を引いた金額が65万円以上あるため、10万円控除が増えることになるので、e-taxした方がよさそうだ。高額な所得の人は、別途税理士や税務署に相談されたし。所得税はなかなか奥深いので、素人判断はやめた方がいい。

 

e-Tax を利用して申告書及び青色申告決算書を提出する。


電子帳簿保存法に対応する会計ソフトを用いて記帳し、かつ、電子帳簿保存の承認申請書を税務署に提出する。

 

②は、専用ソフトの購入、申請書の提出とちょっと出費と手間がかかりそう。実際にやっている人にほとんど会ったことが無いことから推察して面倒さが推察できる。

 

①なら何とかできそうだ。10万円の控除のインパクトは意外と大きくて、以前税務署に聞いたところ、その人の所得によるが、所得税地方税で1万円ずつ合計2万円位税額に差が出てくるらしい。

 

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PCの環境も大丈夫そうなので、デジタルノンネイティブでもなんとか対応できそうだ。

 

出典 国税局HP

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/0019009-126.pdf

 

e-Taxでの申告方法はどうやるのか

e-Taxでの申告方法には現在2つの方法がある。 

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出典 国税局ホームページ

www.e-tax.nta.go.jp

マイナンバーカード方式

マイナンバーカードとカードリーダーを使用して申告する方法。今現在、マイナンバーカードを発行する予定はないので、こちらはあまり気乗りしない。ただ税務署としては、こちらを普及していきたいのだろうと思う。だが、断る。

 

ID・パスワード方式

税務署にてID・パスワードを登録して、それを使用して申告する方法。黄色で丸をつけた部分が最もハードルが高いだろう。隙を見て税務署へ行くことができれば大丈夫そうだ。

 

2の方法でe-Taxするのがどちらかと言うと楽だろう。

 

ID・パスワード方式のための申請方法

失礼ながら都内で比較的空いていそうと、練馬東税務署へ参上した。どこの税務署でもID・パスワードを設定することは可能なので、外出先や会社、用事のついでに近くにある税務署へ行くといいと思う。

 

入口を入って右手の受付で用件を伝える

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e-Taxを使用するためのID・パスワードの登録をしたい」と告げると下記の番号札を貰った。番号が呼ばれるまで、DQウォークでもやるかとスマホを手に取ると、すぐに係のお兄さんが対応に来てくれた。

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必要事項と暗証番号の入力

受付と同じ場所にある、こちらのPCで税務署の人立会いの下、必要事項(住所、氏名、電話番号等)を入力する。この時、自分で考えたパスワードを入力する必要があるので、事前に考えておくと焦らないかも。
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本人確認

入力後、本人確認で薄ら笑いの写真がついた運転免許証を恥じらいつつ見せると、本人を確認済みとお兄さんがPCに入力し、あっという間に登録完了。ID・パスワード方式の届出完了通知書をを入手し、手続きは完了。このIDパスワードを持って、e-Taxで申告ができるそうだ。

 

空いていたこともあり、所要時間10分だった。

 

本人確認が唯一の難所だが、混んでるかもしれないが確定申告書を税務署へ持参するタイプの人はついでに登録してくるといいと思う。来年分の申告から適用なので全然間に合う。

 

 

注意事項1

マイナンバーカードとカードリーダーが普及するまでの対応だそう。いまのところ令和2年分の申告時(申告期限:令和3年3/15)には大丈夫のようだ。

<ID・パスワード方式>

 「ID・パスワード方式の届出完了通知」に記載されたe-Tax用のID・パスワードを利用して、「確定申告書等作成コーナー」からe-Taxを行う方法です。
 マイナンバーカードとICカードリーダライタは不要です。
 「ID・パスワード方式の届出完了通知」の発行は、税務署で職員による本人確認を行った上で発行しますので、運転免許証などの本人確認書類をお持ちの上、お近くの税務署にお越しください。
 なお、平成30年1月以降、確定申告会場などで既に「ID・パスワード方式の届出完了通知」を受け取られた方は、平成31年1月からご利用いただけます。

 ※ マイナンバーカード及びICカードリーダライタが普及するまでの暫定的な対応です
 ※ ID・パスワード方式は確定申告書等作成コーナーでのみ利用できます。

 

注意事項2

申告ソフトで作成した確定申告書、青色申告決算書は、この方式では利用できない。マイナンバー、カードリーダー方式で申告する必要がある。税務署のe-Taxのページ内に、申告内容を直接入力して提出しなくてはならない。

 

注意事項3

これは不慣れなのではっきり言えないが、添付書類(源泉徴収票、年金健保の個人負担額等)、はPDFで送れるようだ。一部送付不要な書類もあるようなので(一定の要件で保存)、確認して必要なものだけを送付するとよい。

 

スマホで申告だと提出不要の様だが、私はスマホではしないと思うので参考までにとどめる。

 

3 いつでもどこでもスマホで申告

 国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」では、スマートフォンタブレット(以下「スマホ等」といいます。)でも所得税の確定申告書の作成ができます。

<スマホで見やすい専用画面>

・ 給与所得者(年末調整済み)で、医療費控除又はふるさと納税などの寄附金控除を適用して申告する方は、スマホ専用画面をご利用いただけます。

 

<ID・パスワード方式で手続完結>

・ マイナンバーカード及びICカードリーダライタをお持ちでない方も、スマホ等から申告書を作成し、ID・パスワード方式を利用して送信すれば申告完了!

・ e-Taxで送信すれば、源泉徴収票など書面で提出が必要な添付書類も提出不要!
 (ご自宅で保管する必要があります。)

・ 申告書の控えはPDF形式でスマホ等に保存!

 

 

 

 

なお、10万円の控除を受けている人の用件には変更はないので、今まで通りの申告でよい。

 

最後に

個人事業主は、税金について知識があった方がいいと個人的に思う。いかに会社員が所得税、住民税について見えないようにされているのか分かるだろう。無知だと損する。

 

以前手伝っていた会社の顧問税理士が本当にダメな人で、支払調書が全て間違っていた。通常会社では、報酬額にのみ源泉税を課税して、交通費については立替金として税金をかけていなかったのだが、支払調書の報酬の額を報酬+交通費で作成し本人に渡していたことが分かった。

 

説明し、訂正をお願いしたが再発行してくれなかった。その支払調書の記載のまま素直に確定申告した人は、3月に多額に追加で納税したと考えられる。

 

支払調書は間違っていることも往々にしてあるので、自分がお客さんに出した請求書に基づいて申告する、または支払調書をチェック用の資料として補助的に使用できるくらいの知識を持っていた方がいいと思う。

 

会社の経理の経験上、源泉徴収を嫌がる個人事業主が多く見られるが、3月末に多額の追加納税することも考えられるので、請求書ごとに源泉徴収してもらった方が税金が前払されているので良いように思える。また強く主張するが、預かった所得税は税務署へ納付している。けして、会社ががめているわけではない。

 

手取りが減るのがいやなら0.8979で割り戻し、グロスアップして額面を増やしてもらおう。本当に税金については自己防衛のためにも学んだ方がいい。

 

この「最後に」の文章の意味が分からない人は、個人事業主をしないか、税理士を雇った方がいい。頑張って稼いだお金を、支払う必要のない税金と等価交換するだけだ。『無駄無駄無駄無駄無駄』とジョルノにゴールドエクスペリエンスを打ち込まれかねない。

憧憬のハワイ 住みたいかどうか胸に手をあてて改めて考えてみる

ここに一枚の写真がある。

 

右から、父、母、父方の祖父、祖母である。母に抱かれているのは私だ。撮影された場所は、今から約40年前のホノルル空港の駐車場と聞かされている。

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私の人生を振り返ってみれば、特筆すべきこともなく、人に自分の人生を話した時「つまらない人生だ」と言われたこともある。その時は何て失礼な人だと思ったが、言葉の選択がうまく出来ないただの素直な人だったのかもしれない。

 

山もなく谷もなくドラマティックで運命的でハラハラドキドキな盛り上がりもなく淡々と過ぎていく、日常ゆるふわ系な平穏な人生もきっとあるのだ。

 

少しのことから多くを感じ取ってしまう性格のため、自分では大興奮の嵐の場面であっても、多くの人にはそよ風が頬を撫でた程の場面なのかもしれない。また心の動揺を避けるために敢えて普通に目立たないように生きている節もあるので、第三者から見た私の人生がつまらないというのは致し方ないことだ。

 

そんな私とは反対に自分の周りの近しい人は中々に選び取らない選択をし、波乱万丈な人生を送っていたりする。私はバブルリングに巻き込まれるクラゲの様に、時折そこに巻き込まれることがある。「波乱万丈」は私の人生にはあまりかかわりのないワードだが、必要とあらば否応なしに巻き込まれてしまうので、世界はうまくバランスが取れているのかもしれない。

 

写真が撮影された1970年代、両親はハワイ、オアフ島に住んでいた。父が料理人としてアラモアナショッピングセンター近くのレストランで仕事をしていた。母は生後2か月の私を連れて、慣れない育児と海外生活で苦労をしたと聞いている。

 

父は思考が自由な人で、ハワイで働くことが決まると、身重の母を残して単身ハワイへ飛んでしまった。母は父の実家に残されて、頑固な昔気質の祖父とその祖父に言いなりの祖母の下で大変苦しい日々を過ごしたそうだ。

 

私が生まれてからも苦しい日々は変わらず、ある日私を連れて家出し、母の親戚に逃げ隠れていたのを母の祖母が見つけた。母の実家には、折り合いのうまくいかない異父姉がおり、そこに逃げ込むことはできなかったらしい。

 

すったもんだの挙句、母と私は、ハワイで父と無事に暮らしだした。家出した母を祖父は怒り、私のベビーベッドやら母子手帳やらを捨ててしまったらしい。ランボー怒りの廃棄である。

 

海外旅行が高額だったと思われるこの時代に、そのランボーが何を思ってハワイに来たのかと、この写真を見ると考えを巡らせてしまう。二人とも既に亡くなっているため、今となってはよく分からない。

  

この後ハワイに永住することを告げた時、ランボーは「帰ってこなければ勘当する!」と父に言ったそうだ。ランボー怒りの勘当である。そのため両親は永住権を取得する手続きを途中でやめて、帰国した。後に母は「今考えると勘当されても、ハワイに永住すればよかったよね」と言っていた。メンタルタフネス母だ。

 

私のハワイでの暮らしは、3年弱で終わった。今でもこの時ハワイに永住していればどうなっていたかと考えることがあるが、それはあまり意味のないことに思う。それほどにこの件は昔の話であるし、巻き込まれ事案であるので私にはどうしようもできないからだ。

 

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その後、ハワイに再び訪れることができたのは私が高校生の時だった。

 

時差ぼけでフラフラの中、ウェルカムランチをホテルで食べている時「何かここいいな」とぼんやりと思った。子供の頃の記憶は全くないのだが、懐かしさを感じた。ハワイは多くの人にとって好きな土地なので、ただの勘違いの可能性も否定できない。

 

昔、父が勤務していたレストランも当時父と一緒に働いていたおじいちゃん、おばあちゃんが未だ働いていた。当時の話を聞いてとても不思議な時間を過ごした。ハワイに住んでいた当時の友達の家にもお邪魔した。そこの家の子供のおもちゃを取り上げた話等を聞いて、大変申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

 

この17年後のハワイ再訪は、過去と現在を結びつけるためのギリギリのタイミングだったように思える。

 

この後、レストランは焼肉屋になり、同僚のおじいちゃんは亡くなり、お友達はアメリカ本土へ引っ越していった。同僚のおばあちゃんとも連絡が取れなくなり、どうしているのか分からない。

 

最近では、当時日系人がよく行っていたという白木屋も雑然としていたインターナショナルマーケットプレイスも数年前に改装されてしまって、当時の面影はない。ホリデーマートというスーパーだった場所は、ダイエーになり今ではドン・キホーテとなっている。投資用の億ションやビルが立ち並び、ブルーシートの小屋ばかりだったカカアコも開発され、ホノルルはどんどん変わっている。

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それでも、ハワイに行けば懐かしい気持ちになり、戻ってきたような気になるから、不思議だ。

 

日本での今の生活を続けている限り、ハワイに住むことは無理だ。全てを捨てて、ハワイに住む選択肢はないので、50%くらいを捨てて、会社のハワイ支社に長期出張ということでお試しで住むことがお手軽にできるハワイ住みかもしれない。

 

何とかビザを取ってくれるなら、雇用関係を結んだっていい。しかしその場合、ビザ取得の等価交換として社長に24時間こき使われる可能性が大なので、その膨大なストレスを考えるとなかなか一歩が踏み出せない。

 

そういう所だ。そういう所が私の人生を平穏たらしめているのだ。平穏な人生時々バブルリングが私にちょうど良い生き方なのだと最近思う。

 

住むかもしれない、住まないかもしれない、懐かしく感じる、変わっていくことに悲しむ、いいなと思う、育った場所、ただいまという気持ち、一言で言い表せない複雑な感情が渦巻くそんな特別の場所が、私にとってのハワイである。住んだら住んだで順応し過ぎて、東京で生活できなくなるかもしれないリスクもある危険で魅惑の場所でもある。

 

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肩コリとバックオフィスワーカー 肩を取ってしまいたいと思う時もある

普段の仕事として外資系中小法人の経理業務を紹介してもらい、請け負うことが多い。

 

日本で会社を初めて設立するという海外のお客さんに日本の税制や商習慣を説明するのはなかなかに骨が折れる。

 

例えば、銀行手数料。売掛金から手数料を抜いて入金してくるお客さんに対して海外にある本社がぷんすこするケースは、満員電車で小競り合いをしている人くらいよく見る現象だ。

 

銀行手数料については、私もあまり差し引いて支払う習慣がないのでこれをやっている会社さんに出会うと「強気〜」とぴゅーっと口笛を心で吹く。

 

会社で銀行手数料は先方負担と決まっているのでそうしているだけなのだと思うし、また相手とのパワーバランスも影響しているので一様に激しく取り立てもできないのが難しい所だ。

 

とある外資系企業が銀行手数料を引いて入金してきたお客さんの翌月の請求書に前月の銀行手数料を乗せて請求していたのには驚いた。もちろんこのお客さんは毎回銀行手数料は差し引いてくるので、はてしない物語だ。

 

海外の本社の人にWhy Japanese People⁉︎ 入金時に銀行手数料を差し引いて入金をするのか?と聞かれると、Because それが多くの会社では普通そうしているからだ、とボンヤリとしたアホの子になって返事をする他ない。

 

この対応は、私自身が思考停止に陥っていることでもあり、改善・再考の余地があることにも気が付く。海外のお客様向けに経理の仕事をすると、私たちが普段当たり前と思っている日本の商習慣について改めて考えさせられることが多いのだが、そういう話がしたいわけではない。

 

もう少し話を進めたい。

 

海外親会社対応以外に、経費精算業務を請け負っていた場合、社内の人向けにも諸々気を使う必要がある。うまく説明しないと営業さんや制作さんの上の偉い人が出てきて、苦言されたり、経理の偉い人も登場して、「やられたらやり返す、倍返しだ」ばりの社内闘争が過激化してしまう原因にもなりかねない。経理部と仲のいい部署はない。

 

つまり外(海外本社)にも内(日本支社)にも気を使い、四面楚歌にならないように日々暮らしている。それがピースフルに経理を請け負う仕事をしている者の定めである。

 

働いていれば多かれ少なかれ、みんな同じ状況になるだろう。1日の半分の時間を仕事とそれに伴う準備と移動の時間に費やしている我らである。そんな環境の中で、少しでも仕事を効率よく進めるために愛用している品の1つや2つあるだろう。

 

私が愛用しているのは、こちらの3つ。バックオフィスワーカーの三種の神器と言っても過言ではないのではないか。

 

 電卓、30cm定規、肩凝り解消用ローションだ。2,000文字くらい書いて、引っ張った割には普通過ぎて申し訳ない。

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1. 電卓

言わずもがな、経理ワーカーの証だ。

 

これが無くては仕事にならないと今まで信じていたが、経理部の平成8年生まれの子が電卓を持ってなくて、どうやって仕事をしているのか不思議に思っていたら、パソコンに入ってる電卓アプリを使用していた。テンキーで数字を打つことができるし、履歴も見えるし便利かもしれないが、衝撃を受けた。

 

私が新卒で入社した会社の経理おっちゃんは、全ての計算をそろばんで行っていたので時代の変化を感じる。

 

若者ぶって私も使用してみたが、使いこなせなかったため引き続きCASIOの電卓を使用している。

 

PCのそばでしか使用できないのと、机のスペースに応じて右手でも左手でも電卓を打つし、時には社内の人の机で電卓を打つので、テンキーの場所でしか作業できないのが苦しかった。

 

全くの余談だが、この電卓はかつて税理士試験を受けていた際に、先生に貰ったシールが貼ってある。先生、法人税法、受からなくてごめんね、という気持ちを忘れないためにそのままにしてあるというのは建前で剥がす理由もないのでそのままにしている。かわいいし。

 

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2. 30㎝定規

何に使用するかというと、通帳などを手入力で会計システムに入力しなくてはならない場合に、入力する"行"に定規を合わせて、取引を見失わず入力するために使用する。

 

クラウド会計を利用している会社や銀行データを会計システムにアップロードできる環境では、ほとんど使用しなくなって来ている気がしなくもない。

 

細かいExcelデータ(支払いデータをまとめたものとか)の数字と紙の請求書や支払いデータ等をチェックする時にも使用する。絶滅危惧種なアイテムかもしれない。

 

重たい鉄製の素材を好まれる猛者もいるが、重いし冷たいし透けて下の数字が見えないので、私はプラスチックがいい。

 

3. 鎮痛消炎ローション剤(と後ろに書いてあった)

同じ格好で数時間パソコンに向き合っていたり、皆のご機嫌を伺いつつ、社内規定に従い厳しく経理業務を遂行することは骨が折れる。言わずもがな肩が悲鳴を上げてくる。これをこっそり塗って、コリを散らしている。

 

女性が化粧ポーチに入れられるように素敵な光沢が表面にあしらわれている。匂いもキツくない。オフィスで使用する用にデザインされた素敵な製品だ。

 

問題は塗りすぎると、たまに肌がヒリヒリしてしまう。

 

何故、社会の片隅にひっそりと生息している者が、誰得にもならない自分の仕事上の愛用品を恥ずかしげもなく披露しているかと言えば、今回のお題のコリコランが欲しくなったからだ。

 

繁忙期になると肩コリローションよりも物理的な刺激が欲しくなる。今までは、相方が結婚式の引き出物のカタログで取得した、足用の低周波マッサージを、あまりに肩コリがひどい時に使用していた。

 

手のひらサイズの機械から有線で繋がっている心電図を取るときに貼られる様な粘着性のシートを肩に貼り、振動を肩に与えていた。

 

これは家でしかできない。また足用なので、粘着性シートに付着した私のものでは無いスネ毛を愛おしく思いながら肩に貼っていた。

 

気になって調べたところ、コリコランには線が無い。これは場所を選ばずに使用可能である。肩がコリ過ぎて、もう少ししたら頭痛がくるかもという緊急時に使用できるのは安心感がある。

 

また肌面に接する部分に貼る肌に優しいシールも気が利いている。塗るタイプだとどうして肌が熱くなったり、塗り過ぎると肌がヒリヒリとしてしまう。

 

効用を見ると、低周波のものより血行を良くし肩のコリがほぐれるようだ。ストレッチもサウナもいいけれどどうしても回復が追いつかない時もある。アラフォーだもの。

 

また低周波のものは振動があるのだが、あまり強くすると一緒に肩が揺れてしまう。ひょえっひゃあと気持ち悪い声が漏れてしまうため、あまり強くはできない。コリコランは振動無し。高周波が出ているかはチェッカー機能で確認できる。

 

人知れず肩コリ治療が可能だ。「今、私はあなたと普通に話してますが、肩にコリコラン貼ってあるんですよ。うふふ」という違った楽しみ方もありだ。

 

年末進行に向けて、仕事も日々も忙しくなるし、寒くなると肩がすくみ肩コリがひどくなるので、是非、コリコランと私の三種の神器のローションと交換したく存じます。何卒お取り計らいいただけますと幸いです。

 

この季節の移り変わりに体調崩されている方も多いと思いますが、無理せず生きていきましょう。今日もお疲れ様でした。