詰んでノルウェー、下調べなしでめぐる涙のオスロ 4/27-28
比較的運のよい方だと思っているが、うまくいかない旅もある。何があったかは、下記を読んでいただければお分かりいただけると思う。
オスロからトロムソ、ロングイエールビエンまでのフライトがキャンセルになり、健闘むなしく失意のままオスロに帰国日まで滞在することになってしまった。今年のゴールデンウィークの話であるが、なかなかこの傷が癒えず、8月になってそろそろ写真や資料を見ても激しい怒りや悲しみが湧いてこないようになったので、この旅を振り返ってみようという気になった。
北欧の生活や文化が日本でブームになってるようだが、ノルウェー/オスロへの直行便は無く、ヘルシンキまたはコペンハーゲン等から乗り継ぎをする必要があるので他の北欧の国、フィンランドやデンマークへ行くよりは少し不便な場所である。
当初、オスロはトランジットのための滞在だったため、ちょっとご飯食べられればいいかなくらいのノリでほとんど資料もなく、情報収集もしていなかった。イメージとしては、寒いし見る所がほとんどない街だと思い込んでいた。
しかしそれは大きな過ちだった。オスロは、食事はおいしい、治安は良い、おしゃれな街並み、市内の移動はトラムで便利、人は優しい、現金は不要の素晴らしい街だった。悪い点があるとすれば、物価が日本の2倍くらい高い、サウナが無い(ちゃんと調べてなかったので、他のホテルや施設にはあるのかもしれない)ということくらいだ。
物価に関してはフィンランドもなかなか高いと思ったが、それよりも高く感じた。空港で売っていたペットボトルの水は30NOKくらいで、1NOK=13.11円の換算レートだったので、393円位の値段だ。
主なガイドブックは、「地球の歩き方 北欧」のノルウェー/オスロページ61ページ分である。その他、ホテルにあった英語のパンフレットだ。
それでは少しの間、そんな不幸であったが、楽しくもあったオスロ旅を楽しんでいただけると幸いである。以下、日本円表記は当時のクレジット精算時のレートである。
4/27 ヘルシンキからオスロへの移動日
SASのストライキが絶賛継続中の状況で不安を抱えつつ、オスロ ガーデモエン空港に到着。空港のラディソンブルを予約していたのでチェックインを済ませる。
その後ロンドン経由でやって来た友達と合流し、腹が減っては戦はできないと夜ご飯に向かう。空港からオスロ市内への行き方は、鉄道か空港バスになる。何がベストだかよく分からないので、まずはローカル電車のチケット(105NOK、1,380円)を券売機で購入してオスロ中央駅を目指す。
ガーデモエン空港駅の様子。
ローカル電車の車内の様子。普通列車とは思えないようなゆったり座席。
ちょっと北海道っぽいと思ってしまった。
30分位で到着。オスロ中央駅前の様子。到着した時には雨が降っていたが、思っていたより暖かく感じた。駅から少し歩いて、本日のレストランにたどり着いた。
FISKERIET フィスケリエット
サイトはノルウェー語の表記しかないのだが、とてもかっこいいのでよければ見てほしい。魚屋さんが直営している食堂。いわずもがな魚料理がおいしい。帰国時、フィンランド ヴァンダー空港でも同じお店を見つけたので、意外とあちこちにあるのかもしれない。
MANY、ノルウェー語の発音は分からないが英語読みなら可愛い響きだ。
ムール貝をふんだんに持ったスープ。一年分のムール貝を食した気がする。
サーモンハンバーガー。ノルウェーのサーモンは本当に美味。もう一皿は、カルパッチョだった。
3品注文して、557NOK(7,324円)。二人で食べて、かなり満腹になった。フィッシュスープがとても有名らしいが、この日は売り切れだった。隣のテーブルでフィッシュアンドチップスを食べている人がいたが、こちらもなかなかのボリュームだった。次回行く事があれば是非試したい。
帰りは、オスロ中央駅からガーデモエン空港までエアポート・エクスプレス・トレイン(196NOK、2,577円)で戻る。普通電車よりも10分位早く着くが、そんなに急いでなければ普通電車を選んだ方が交通費が半分に抑えられるのでいいと思う。
ホテルの場所によっては、王宮近くのラディソン・ブル・スカンジナビア・ホテル・オスロまで行くエアポートバス(Flybussen) の方が便利だ。金額は、1,79NOK(2,359円)、所用時間は50分だ。オスロ中央駅のホテルに滞在の場合は、普通電車を選んだ方が最もコスパがいいと思う。
4/28 ガーデモエン空港からオスロ市内へ移動
翌日もストライキはやはり終わらず、ロングイエールビエンまで行く希望は絶たれた。何せ行ける交通手段が何もないのだ。朝5時から空港のSASカウンターへ行っていたので、 7時にラディソン・ブル・ホテルに戻り朝食を取り、チェックアウト12:00までの間に、スピッツベルゲン島のホテルやツアー会社、保険会社に連絡したり、今日から帰国日までのホテルの新たに予約をしたりした。
お昼は、フライトがキャンセルになったお詫びにSASのサービスカウンターで貰った、何かのパンとバナナだ。意外とおいしくて悔しい。
チェックアウト後、予約したオスロ市内のホテルへ向かう。
Cochs Pensjonat コクスペンジョナット
90年以上も前に作られた古い建物にあるホテルだ。
シングル、部屋にバストイレが付いているタイプを予約した。簡単なキッチンもついているので、鍋などのキッチン用具をフロントで借りれば簡単な料理はできると思う。私はお湯を沸かすくらいしかしなかったが。
3泊で2,070NOK(27,151円)だったので、一泊9,000円位だ。部屋は清潔、フロントのスタッフは傷ついた私たちに優しかった。このホテルは友人が私が帰国した後に2泊する予定で押さえていたもので、そこに滞在した方が移動の手間がかからないと思われるため、便乗して予約をした。このホテルもSASのストライキの影響でキャンセルが多発したため、運よく部屋が空いていた。
駅からスーツケースを持って24分歩くのは、さすがにしんどいので(しかも上り坂である)、ガーデモエン空港からバスでラディソンブル・スカンジナビア・ホテル・オスロまで行き、そこから歩いた。
https://www.cochspensjonat.no/?page_id=71
荷物を開き落ち着いたところで、近くのノルウェー王宮を散歩することにした。
ノルウェー王宮
夏場には英語のガイドツアーがあるそうだが、この時期は外から眺めることしかできない。
周りの公園はとても平和だ。それぞれが好きなことをしている。デザインも美しい。
王宮前の広場。カール・ヨハン通りがまっすぐに伸びているのが見える。
広場前のカール・ヨハン像。スウェーデン王。ノルウェーは、王宮が完成した1848年はスウェーデンの支配下にあったそう。今、絶賛放映中のヴィンランドサガを観てるので、何となく興味深い。
水仙が咲き乱れていた。
とても素敵な公園なのだが、所々にあるオブジェクトの何かがおかしい。
ヘルシンキは冬に近い春だったが、ノルウェーに来たら初夏というような気候でとても気分がいい。滞在中は、26度あり半袖でも十分な暖かさだった。予定していた旅先にも行けず、ホテル、ツアー代も戻ってこない怒りと悲しみに包まれた心にオスロはとても優しい。
部屋に戻り、友達とホテルの斜め前のレストランへ向かう。
LORRY
キリンが目印のレストランだ。中はちょっとカオスだけど、何となく統一感というか雰囲気があっており落ち着く。ノルウェー料理やカジュアルな地元料理を楽しめるお店。
ガスパチョ。外が暑かったので、ちょうど良い。
焼きサーモンとマッシュポテト。脂が乗ってて、生臭く無いサーモン美味。最高。
シーザーサラダだけど、ベーコン&鶏肉たっぷり。
合計金額はメモし忘れたが、2人で飲み物入れて1万円くらいだったかも。
Lorryの目印と言えば、繰り返しになるが、お店の前のキリンだ。先日キリンが何者かに盗まれたというニュースを友達から聞いた。このブログを書くにあたり「あれ、どうなったのかな」と調べてみたら、何だか無事に戻って来たようだ。地元の人たちも、キリンの帰還を喜んでいるみたいで、結構人気者だったことを知った。
しかしこんなに大きなものを何故盗んだのだろうか。
4/27-28は、ストライキに激怒しつつ、オスロいいね!という感情が混ぜ合わさり、何とも言えない不安定な心持ちで過ごした。必死で悲しみを忘れようと楽しさを見つける努力が涙ぐましい。
4/29-30の旅程に続く。