ぴこのねごと

さあ、つかの間の現実逃避へ。 旅とフラと時々経理の話

フィンランド サウナ旅 ALLAS SEA POOL

フィンランドのサウナに水風呂は見当たらない。ではサウナ後に水風呂に入りたい時は、どうすればいいのか。

そう、海か湖に入るのだ。

2年前に行った時は改装中で入れなかった。その少し後にマンウィズが気持ちいい青空の下、ここでビールを飲んでいるのをTwitterで見た時、行きたかった場所にオオカミさん達がいたことと行けなかった残念さが入り混じった「うわーーー」という音が口から出た。

 

 

そんな因縁で今回は外したくなかったサウナだ。

アッラス シープール 

カタヤノッカ、マーケット広場の近くにある。観覧車が目印だ。この日は残念ながら曇り。

受付の建物。入口を入ってすぐに受付があり、料金の支払いとリストバンドをつけてもらう。

受付の建物を出て、右に進む。施設の中に入ると近くに、貸切できるサウナ観覧車が見える。茶色の乗り物がサウナになっている。日本のサウナにはエンターテイメント性があるとか言っている人もいるけど、これを見てしまうと素直に信じていいものかと思う。発想の次元が違う。

サウナの入口は、こちらだ。海に面しており、行き交う船が見える。

右に曲がると、男性用、女性用、男女混合のサウナの順で並んでいる。現在、女性用サウナは改装中のため、男女混合サウナが女性用となっている。

恐る恐る、何故か半開きになっているドアを開けると、右手にサウナ、左手にロッカー、右奥にシャワーというレイアウトになっていた。

ロッカーの扉にはグレーの突起が出ていて、どうやら突起が出ているのが空きのロッカーのようだ。荷物をロッカーにしまい、ビーサン一丁になった所で鍵の閉め方が分からないことに気がついた。

暗証番号を設定できるようなものもないし、突起を押しても鍵はかからない。説明書きもない。仕方なく、近くのおばちゃんに聞いてみると、腕のリストバンドをグレーの突起に押し当てると鍵がかかるらしい。開ける時は再びリストバンドを突起に押し当てると、解錠されるとのこと。

リストバンド内のチップは手首側についており、手首を押し当てると施錠された。結構強い力で押し付けないと、突起が引っ込まないので、ちょっと手首の静脈の状態が心配だ。

シャワーで清め、いざサウナへ。ここのサウナも階段を5-6段登って上のサウナベンチに行くタイプのサウナだ。入ると中の空気は乾燥して暑くピリッとしている。日本のサウナに近い感じ。

私の他に誰もいないからか、乾燥がきつい。蒸気を足すために、サウナストーンに水をかけようとバケツを見ると、水が入っていない。水を汲むためにバケツの取手に手をかけるとあまりの暑さに日本語で「あつーーー!?」と言ってしまった。何でサウナに置くバケツの取手を金属で作るのだろうか。

グッと我慢してバケツを持ち、階段を降りて、水を入れようと蛇口をひねると、お湯が凄い勢いで出てきて、バケツにぶつかり飛沫が足に飛ぶ。再び「あつつつーーーーい!?」となる。

慌てて後ろに下がり、蛇口から距離をおく。ビーサン一丁でお湯が溜まるまでじーっと蛇口を観察し、お湯が跳ねてこない所まで近づき、お湯を止める。再び、熱々のバケツを持って早足で階段を登り、サウナストーブの前で座った。

右手の生命線が、取手の熱さで焼き切れるかと思った。

想像した通りサウナストーンに水をかけるための柄杓もバケツと同じ素材でてきているようでとても熱かったが、我慢して水をかけ続ける。蒸気が出てサウナは良い感じになってきた。

ここのサウナは何となく静かだ。平日朝9:00に来たからかもしれないが、皆さんはサウナにさっと入って、出て行く。朝の通勤前の時間かもしれないし、健康のために外のプールで泳ぎ、締めにサウナに入る人も多いのかもしれない。サウナへのんびり話に来ている人はこの時間にはいなかった。

フィンランドのサウナでは会話を楽しむと本に書いてあったが、今この時間のここのサウナは一人でぼんやり過ごすことがいいような感じがする。常に全開で他の人と話す状況は、私のような人間にはちょっとストレスだ。こういう雰囲気は落ち着く。

サウナの小窓からは船がこちらへやってくるのが見える。サウナから外が見えるっていい。

 

何度かサウナと水シャワーを繰り返し、十分に温まった所でいざ海水プールへ向かう。

この施設の名前からも推察できるように、ここは屋外にプールが3つある。温水プール、消毒した海水を入れたプール、子供用プール(夏季のみ)である。

(温水プール)

サウナの建物からプールまでは結構距離がある。今日は昨日の暖かさから一転して、曇りの12度-13度、風も強い。誰もいない海水プールへ向かうが、途中で体が冷えてくる。いそいそと階段を降りて、デッキを歩いていると監視員のお兄さんが監視員部屋から出てきて、海水プールまで着いて来てくれた。

外に出る時は水着を着用しているのだが、若いお兄さんにぷよぷよボディを晒すのは、日本でもフィンランドでもまだ恥ずかしいものだな。

(海水プール)

海水プールへ下りる階段は藻がびっしり生えている。よく見るとプールの壁にも生えている。少し怯んだが、思い切って入ってみる。

お兄さんは、本日の水温は7度と言っていた。30秒くらい入って、お兄さんにもう大丈夫といってプールを出る。水が冷たいからと言うよりは、茶色の海と海藻類にちょっと抵抗があった。海水プールは、もう、いいかなとベンチでぼけっと外気浴をする。

少し経つとお姉さんが海水プールへやってきた。あの茶色のプールで泳いでいる。私はちょっと怖くて、プールの階段から先に降りれなかったのに。すごいな。

後で、このお姉さんにサウナで会ったので、「泳いでましたよね。すごいですね、水も冷たいし」と話しかけたら、「冷たいけど気持ちいいのよ〜。せっかく来たのだから、泳がないと」とニコニコしていた。あの海水プール、慣れれば気持ちいいのかもしれないなあ。消毒もしてあるということだし。

 

帰り際、リストバンドを返却する時に、サウナ御朱印帳にスタンプを貰う。昨日行ったUUSI Saunaのスタンプを見たお兄さんが、「ここ行ったの?良かった?まだ行ったことないんだよね」と話しかけてくれた。

「良かったよ。サウナはここと同じくらいの広さだった。外気浴しかできないけど、ヴィヒタもあったよ。あそこのサウナ新しいの?」

「そう、去年の暮れぐらいにてきたんだよ。”UUSI”って”新しい”って言う意味のフィンランド語だしね!今度行ってみるよ」

フィンランドの人は日本人と少し似ていて、基本的に向こうから話しかけてきたりはしない。こちらが話しかけると、普通に話してくれるけど。サウナの話は、会話のきっかけになるし、旅人とフィンランドの人の壁を少し壊してくれるように思えた。

 

アッラスシープール、

1.トラムで簡単に行けるアクセスの良さ

2.朝6:30から営業していること

3.サウナの温度が日本に近い

4.近すぎない距離感

5.一人で来ている人が多いこと

を考えると、「ちょっと空いた時間にサウナ試してみたいな」「地元のサウナを軽く体験したい」と言う人にオススメ。

クールダウンに海や湖に入るスタイルのサウナの場合には、バスタオル、水着、ビーサン持参は必須だ。

 

(noteからの加筆修正の上再掲)

note.mu