1泊2日で巡る松山~高松 未知の島、四国へ
島には何となく閉塞感や独特の空気があるような気がする。
国全体を見れば、日本も島であるが、内陸県の埼玉で育ち、居住地の大移動も転勤も無い人生をこれまで歩んできたので、本州は何となく島感が薄い気がする。飽くまで、個人の感想である。
2018年2月、11:05、四国に始めて上陸した。羽田発9:30、ANA585便は通路側だったし、座ったらたちまち寝てしまったため、飛行機から降りたら、愛媛、松山空港に到着していたという体たらく。島に到着した感は全くなかった。
松山の道後温泉の改装工事が行われる前に訪れたかったのと、友だちが松山に住んでいたので、ずっと来てみたいと思っていた。そんなに行きたかったくせに、有効期限が切れそうなマイルを利用しようとしたため、行き:松山、帰り:高松の飛行機しか取ることができなかった。ケチである。
というわけで、いい歳の割に弾丸ツアーになってしまったが、欲張りな大人の貴方のための、1泊2日で巡る松山・高松の旅をまとめてみた。
松山空港よりリムジンバスに乗る事15分、松山駅前に到着。すぐに目についたのは、いよてつの路面電車。可愛いみかん色。
路面電車を大街道で下車、お昼を軽く食べて、お散歩がてら松山城へ向かう。
1. 松山城
春や昔 十五万石の 城下哉 ー 正岡子規
松山城は、武将、加藤嘉明が1602年に築城を開始し、4世紀半かけて完成したそう。サグラダファミリアもびっくりな年数だ。標高132mの勝山の山頂に本丸、中腹に二之丸、ふもとに三之丸がある、連郭式平山城である。見る角度によって、異なる様子を見せる大きな城だ。
天守閣は行くには、徒歩、リフトとゴンドラと手段がある。2月中旬だが、いいお天気だったので、リフトを選択。友達は運動がてら、徒歩でよく登るらしい。リフトから下を見ると結構歩いている人もいる。
リフトから降りて、緩やかな上り坂をおしゃべりしながら歩く。
石垣が天高く伸びていて、美しい。
本丸前の広場、ちょうど梅が満開で綺麗だった。
大天守からの眺め。この天守は江戸時代に建築された12天守の1つだそう。昔のお殿様もこの城下の景色を見ていたのだろうか。小高い場所に立っているけれども、山城と違い回りが街なので、何となく偉くなったように感じる。見晴らしは良くなかったが、霞がなかなか春らしさを醸し出していた。
中に入ると甲冑を着用して、写真を撮ったり、カタナの重さを体験できる。
2.10FACTORY 松山本店
15:20、愛媛と言えば、みかん。オレンジジュースをいただく。何の種類を飲んだのか忘れてしまうという痛恨のミスをおかしたが、非常に美味であった。
松山城から、いよてつ大街道駅に戻る道にはたくさんのカフェやおしゃれショップがあって、のんびり散策してしまった。
3.第51番札所 石手寺
道後温泉駅へ移動、荷物をホテルに置いて、16:30、石手寺へ向かう。四国お遍路の札所の一つで、神亀5年に桓武天皇の勅命で創建したという、とても古いお寺だ。金剛力士像は雲慶派、薬師如来像は行基の作とされており、仏像クラスタにも興味深いお寺だと思われる。
四国遍路を歩くことに少しだけ興味があり、四国の札所の一つに訪れたく思っていた。道後温泉から歩いて15分位だったので、旅程に組み込んだ。
一言でいうと、黄昏時のお寺は腰が抜けるほど怖い、ということがよく分かった。熊野古道を一緒に歩いたP氏も四国遍路は、怖い雰囲気のお寺があるので、やらないと言っていた。高野山もそうだったけど、個人的に密教は、かなり神秘的でそれゆえに怖さを感じる。
本堂の前の門。お遍路さんもいた。
大仙窟、マントラ洞窟、この後先に進んで、漏らすかと思うほど、怖かった。
境内には人がいたのだが、奥の院への道には人はいない。山(森?)の中に入っていく。
山の中の一木彫りの羅漢像たち。括りつけられている。
ちょっともう難しい。中川ホメオパシー先生風の建築物。
道路沿いに突然現れる。怖いよう。
写真は結構明るく映っているのだが、2月の17時あたりの時間帯だったため、結構暗かった。
石手寺に伝わる名前の由来の話は有名で、春風亭昇々さんの創作落語「弘法大師」でも聴いたことがある。
4.鯛めし 宇和島風
17:40、丸水 道後店。宇和島風なので鯛のお刺身に卵をかけていただく。松山は魚介類が新鮮で美味しい。ほっこりする。
5.道後温泉本館
十年の 汗を道後の 温泉に洗え - 正岡子規
18:30、ついに道後温泉 本館にやってきた。
せっかくなので、霊の湯(たまのゆ)3階個室を選択。入口はかなりの混雑だったので、何分待ちになるのかなあと心配していたが、待たずに3階個室へ案内された。
お風呂は、42度と熱め。お客さんが長湯をしないように熱くしていると友人は言っていた。お店の趣旨に反するが、これで水風呂があれば完璧なのにと思った。3階の霊の湯はとても狭くて、5名も入ればいっぱいになってしまう。その後、一階の神の湯をはしご。
湯上りに坊ちゃん団子とお茶をいただき、おいしそうなジュースを飲んでまったりとした時間を過ごした。
写真撮影は禁止だったのだが、夏目漱石が利用していた3階の部屋や、皇室専用の風呂を見学して楽しんだ。漱石が先生をしていた頃の写真を見たが、イケメン過ぎて驚いた。
2月の夜だというのに、館内は暖房も入っておらず、窓は開けっぱなし。お風呂に入って、身体を冷ますのにはちょうど良かったけど、働いている人たちは寒くないのかな。
温泉あり、城あり、みかんあり、鯛めしあり、路面電車ありで、1日ではとても時間が足りない。魅力あふれる松山は、正岡子規や夏目漱石の聖地だったり、坂の上の雲ミュージアムもあるので、文学、明治時代好きクラスタも楽しめるなと思った。
宿泊した「道後やや」のフロントでは、2種類のみかんジュースが蛇口から出てくる。飲み放題なんて最高かよ。
こんな素敵な松山旅だったのに、何故一年も下書きに眠らせていたのか。それは、お寺の怖さを思い出したくなかったことが原因だろうと思われる。
先日、久々に会った友達とこの旅の思い出話していたら、「お遍路は、霊感なくても怖い所多いよ。お寺に行くなら10:00~14:00の晴れた日がいいよ。あと、お遍路さんには、行方不明者が多いのも怖いよね」と言われて、鳥肌がたった。
「水曜どうでしょう」でも、お遍路するたびに、大泉さんが病気になったり、変な音がしたり、車のエアコンが壊れたりする回があったし。このブログを書いている時も、インターネットの接続がおかしくなったり、編集や保存ができなくなったりした。が、新年早々、それらは怖いから、秘密である。
高松へ続く