ぴこのねごと

さあ、つかの間の現実逃避へ。 旅とフラと時々経理の話

熊野古道 小辺路 熊野本宮大社〜十津川温泉 Day1

自分の行きたいところへ、自分のタイミングで行く、一人旅も好き。周りの誰かと一緒に行く旅も好き。団体旅行は、楽だけど忙しくて苦手。

 

私の場合、誰かと一緒に行く旅は、たいてい”誘われ旅” だ。誘われて旅に出る、誘われ旅は、自分の発想の外からやってくるので、新鮮な気付きと刺激を与えてくれる。

 

熊野古道のうちの一つ、小辺路72kmを3泊4日で歩く旅は自分一人であったならば、決して候補には上がらなかっただろう。

 

旅のきっかけについては、準備①をご参照いただければ。

cagedsheep.hatenablog.com

 

誘われなければ、一生行く事はなかったであろう熊野古道への旅は、不安と興奮の中ついに始まってしまった。

 

旅の仲間は、男性(イギリス人)1人、女性(日本人)3人の4人。2年前に小辺路を歩いたというイギリス人のPさんに案内されて3名がついていくという、中々に面白い旅だ。お一人はイギリス在住、もうお一人はイギリスに20年住んでいたので私以外の2人が英語堪能。困ったら頼ればいいので言語の部分は安心だ。

 

熊野古道については、海外での方が知名度が高い様に思える。サンティアゴ・デ・コンポステーラという、スペインへ向かうキリスト教の巡礼の道があり、そこと熊野古道は提携している。熊野古道とコンポステーラを制覇すると、バッチだか何か証明書の様なものが貰える。

 

今回の道中、ほとんど人と会わなかったが、民宿の方々は、ここ数年で外国人の方の予約が増えたと話してくれた。

 

今日行程は、熊野本宮大社から十津川温泉までで、距離15km、所要時間7時間だ。

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 出典

十津川温泉(奈良県十津川村)~熊野本宮大社(本宮町)|和歌山県観光情報

 

9:45、まずはスタート地点の熊野本宮大社で旅の安全を祈る。

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10:00、出発。途中までは、中辺路を歩いていく。ゆるい上り坂で、着ていたフリースは早々にリュックの重みになった。

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その後、中辺路と別れ、車道に出る。熊野川を見ながら、アスファルトの道を歩く。

 

11:09、途中の道の駅で、お昼ご飯を購入。同行者は、黒にんにくや干し芋を購入していた。女性の一人歩きだった行方不明者のポスターを見て、これから行く道の大変さを何となく感じた。

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ここまでは楽しいハイキングだった。八木尾バス停から、小辺路が本気を出してきた。

 

11:30 、八木尾バス停 

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これは、小辺路の特徴なのか分からないが、車道から山道に入る時の坂は半端なく急だ。体感で45度くらいの傾斜を感じる。

 

数歩登ると呼吸が上がって進めない。慣れない山道で登り方がよく分からない。大股で登るのはとても無理だ。心臓がどくどくと音を立て、血液が身体中を巡る。汗がつぅっと流れる。

 

動画で研究した、ストックの使い方と半歩歩きを思い出し、ペースは気にせずに登るしかない。

 

前を見ると先に進む皆の背中と延々と続く坂道に、発狂しそうになるので、ひたすらに地面を見て歩く。秋のためか、沢山の落ち葉で覆われた山道は色とりどりだ。そのせいで、遠近感がなくなり、目が回る。

 

自分のはーはーという呼吸の音しか聴こえない。皆、先の方へ行っているので、気配も感じない。風もない、鳥の鳴き声もしない、携帯の電波も入らない。静かだ。

 

自分の呼吸を聴き、地面を見ながら、ひたすらに歩く。静かな山道の上の方で同行者の話し声が聞こえてきた。休憩だ。

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景色を見るとかなり登って来ていたことが分かった。

 

13:12、お昼は、先程、「道の駅」で購入した天むす。疲れすぎて、あまり食欲が無いが、我慢して完食した。
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お昼を食べたが、まだまだ登る。絶望感。

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15:07、果無峠に到着。ペースは悪くないと思うが、疲労の為歩くペースは遅くなっていると思う。このペースで日があるうちに下山できるのだろうか。
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15:27、遥か下に見える十津川温泉。あのグリーンの川のほとりに宿があるらしい。もう少しみたいな事を言われたけれど、あれ?まだまだ遠いよね?
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途中、水も尽きてきたので、観音堂での給水所は有難い。水の出方が個性的なので、ペットボトルに入れるのが一苦労だった。


給水所

 

観音堂から果無集落まで2.5kmで400mを下る。15:40に出発して、16:36果無集落に到着したので60分下りと格闘した事になる。下りは心拍数が上がらない代わりに、膝と腿の前、ふくらはぎにくる。
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黙々と下る3人。私は独り。


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果無集落の様子。

 

あちこち見ながら下りたいが、この下りの石畳がやっかいだ。表面が濡れていて滑るのだ。

 

ストックを慎重に置き、足運びも慎重にしないとたちまち転倒しそうだ。

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この日の日の入りは、16:49で、登山口から出たのは17:02、何とか光があるうちに車道に出られた。あと少し遅かったらと想像すると、怖すぎる。当たり前の事だが、山道に電灯はない。

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登山口から十津川温泉までも2kmくらいの距離があり、中々ハードモードだった。歩いているうちに真っ暗になるし、歩道がないので、車に轢かれそうだし。もうなんか辛い、しか言葉が浮かばない。


十津川温泉

17:24、本日のお宿に到着。へたっとなってしまった。

 

10:00に出発して、宿まで7時間30分かかった。途中、道の駅でお昼を購入したりしたので、まずまず予想時間通りだったと思う。

 

明日、どの位まで回復出来ているか、自分を信じるしかない。膝がやられなかったのは、素晴らしい事だ。しかし、急な下りで足の裏に水ぶくれができてしまった。破けたらやばいかもしれぬ。

 

明日は、何とこの旅最長距離19.2kmを歩くのだから!ハラショー!

 

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Day2に続く

 

いつも有難うごさいます。一緒に旅気分を味わっていただけると嬉しいです。