ぴこのねごと

さあ、つかの間の現実逃避へ。 旅とフラと時々経理の話

ハワイ島 星降るマウナケア

ワイ島でやりたい事の一つにマウナケアでの天体観測があった。

 

マウイ島ハレアカラの朝日を見るツアーでは、深夜にロビーに取り残されてしまったので、ホテルのロビーで待っている間、少し緊張した。深夜2時、目を皿の様にして見張ってると、無事にツアーの車がやって来た。良かった。

 

サドルロードを通り、マウナケアに向かう。真夜中のハイウェイを進む。途中窓から見えた月がとても近く感じた。道路に街灯があまりないので、月明かりはとても明るい。

 

深夜2時頃なのによく見ると暗闇の中、車道を走っている自転車の人々がいる。何かの練習なのだろうか。ハワイ島には牧場から逃げた動物たちが野生化して、あちらこちらにいるらしい。夜、水や食料を求めて、山から下りてくるそう。暗闇で動く人と動物、ちょっと怖い。

 

マウナケアは、4205mの山で、ハワイ語でマウナは山、ケアは白いという意味で冬には雪が降る。ハワイ神話ではポリアフという雪の女王が住んでいる。ハワイアンにとってはとても神聖な山だ。観測所を作る問題で多くのハワイアンが心を痛めていたり、今も戦っている。

 

富士山よりも高い山に舗装した道路を作り、車で登っていけるのは世界中で、ここだけだそうだ。神聖な山に手が入るのはどんな気持ちなのか、少し申し訳なく思いながらも道路を使わせて貰う。

 

しばらく山を登ると、いつの間にか雲よりも上に来ていた。車から降りるとかなり気温が下がっている。

 

オニヅカビジターセンターにて星空観察をしながら、高所順応する時間。ガイドさんが作ってくれたココア、粉が溶け切ってなくて、じょりっとしていた。

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浮かび上がる天空の星々。プラネタリウムにいるみたいだった。行った時に見えたのは、射手座から牡牛座。黄道12宮の星座は、普段は見えなくても空にある事を実感した。

 

見ていると音もなく、どんどん星が流れていく。

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ビジターセンターから山頂へ移動する。高山病にならないように、車内で眠らないように頑張る。深い呼吸をする。そうこうしているうちに次第に夜が明けていく。もうすぐ日の出だ。

 

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空の色がどんどん変わってくる。山頂は風が強く、寒い。
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マウナケア

 

日の出の時間の少し前に、観光客以外の地元の人も集まってきた。日の出に向かって、チャンティングしている人もいた。ハワイアンの方だろうか。雰囲気に飲まれたせいか、とても自然で尊いものの様な気がした。


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マウナケアの日の出の反対側。日の光で一瞬だけ、空にマウナケアの影が映るのだという。

 

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同じくマウナケアの日の出の反対側。こちらは地球の影だそう。不思議だ。

 


マウナケア下山

 

 明るい時間に見たマウナケアは、地球であるのに地球でない所にいる感覚。他の星には行った事は無いけれど、自分がいつも生活してる場所とあまりに違うとそういう感覚になるのだろうか。車内に流れるフラソング、Lei Pikake(ピカケのレイ)が何とも雄大に聞こえる。

 

そこから先の帰り道は、酸素不足による頭痛と急激な眠気で寝落ちしてしまって、何も覚えていない。

 

山で神隠しにあって、どうやって戻ってきたか分からない子供のような心持ちで、ホテルの前でポストカードとブルーベリーマフィンを渡されて、ツアーは終わりを迎えた。

 

宇宙を旅した様な、ほんのひと時の時間。