ぴこのねごと

さあ、つかの間の現実逃避へ。 旅とフラと時々経理の話

出雲大社 神話の地へ 島根県出雲・松江あたりの旅2

 出雲大社については、特に説明は不要でしょう。60年ごと行われる大遷宮伊勢神宮の20年ごとに行われる式年遷宮で、去年は何かと話題になりました。

 

 出雲大社は、一般的には「縁結びの神」を祀っていると言われていますが、本来のオオクニヌシは、「国作りの神」であり、直接的には縁結びの神ではないようです。多くの八百万の神々が集まるという話が、全国の神様が縁結びの相談に出雲に集まるという話になり全国に広まったという説があったり、オオクニヌシの様々なエピソードからオオクニヌシが縁結びの神になってしまったという説が散見されます。

    人の思いから神様ができてしまう、人の心の不思議に触れました。

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 本殿へ続く松の参道。

 

    神楽殿の注連縄があまりに有名で、本殿に参拝しない方々がいるほどだそう。また注連縄に硬貨を投げ入れる方々もいるそうです。神様に失礼な行為だし、注連縄が痛みますし、そもそもそんな縁起担ぎの行為は出雲大社では存在しないので、止めてもらいたいです。

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 出雲大社の参拝作法は、少し他の神社と変わっていて、ニ拝四拍手一拝です。4回手を打つのは東西南北や四季を現しているとも、二拍手を2回打っているなど諸説あります。本当の事は分からないのも、人の世の常で面白いです。

 

 かつて、NHKの番組終了後の映像として使用されていた日の丸。風がないため、全然はためいてくれません。

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 境内には、相撲の祖である出雲出身の野見宿禰󠄀(のみのすくね)を祀っている神社もあり、土俵もありました。相撲は古代には、農耕儀礼や神事、として行われていたそうです。国譲りの神話でも大国主の息子タケノミカタが、アマテラスが遣わせた軍神タケミカヅキと相撲をするシーンがあったりもします。相撲にはほとんど興味がないのですが、依然として儀式的な行為が多く残されている所もあり、日本の国技としての伝統の深さをここで再認識しました。

 

 境内には神話が元になっている、大国主の国譲りや因幡白ウサギの像がありましたが、この像、出雲大社に本当に必要なのかちょっと考えてしまいました…。余計なお世話か。 

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 旧暦10月に日本全国から八百万の神様が、集まるとされる稲佐の浜へも行ってみました。出雲へ神々を先導してくるのは竜蛇様(りゅうじゃ)で、冬の日本海の荒波に打ち上げられた背黒海蛇の事らしいです。神迎祭は、夜に行われるようでとても幻想的で少し怖そうです。この海に海蛇が沢山泳いでいると想像すると怖い。

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 神道の考えの一つである「穢れ」という概念は、とても興味深いです。静かな場所であったり、森林浴の効果かもしれませんが、神社のような場所に行くと、あたかも穢れが落ちて心が軽くなったような気がします。ただただ心落ち着く場所を、人々が感じ取って神社が建てられているような気もします。

 

 人の心で神様ができてしまうのだから、良くないことも人の心次第なのかも。大遷宮式年遷宮の様に、定期的にいるものをいらないものを区分して、すっきりさせることが、人間には必要なのかもしれませんね。