ぴこのねごと

さあ、つかの間の現実逃避へ。 旅とフラと時々経理の話

2月渋谷らくご感想 ふたりらくご 陰極まれば陽となり、陽極まれば陰となる

  2月の渋谷らくごは10日(金)から10公演。その初回を飾るお二人、立川こしら師匠と入船亭扇里師匠です。

 この組み合わせを見た時、目を疑いました。渋谷らくご公式読み物「どがちゃが」によりますと、去年一番共演した落語家さんは、どちらもこしら師匠と扇里師匠とのことで、私が去年はこの組み合わせのインパクトに気が付かずスルーしていただけなのでしょう。

 お二人の生の落語を聴くのは初めてですが、なぜこんなに気になっているのか。

 立川こしら師匠は、渋谷らくご公開稽古会のご機嫌伺いの人気者かしめさんの師匠です。こしら師匠は、2015年にかしめさんの名前の命名権を金銭的理由でオークションに出してしまうという破天荒っぷり。志らく師匠のお弟子さんなのに、志ら乃師匠と全然違う。Twitterを追っているうちにファンになってしまいました。つぶやきが恰好いいのです。

  入船亭扇里師匠は渋谷らくごのポットキャストに何度も登場し、いつか生で聴いてみたいとずっと思っていました。無理に笑わせようとしないところが、好きです。博多大吉さんのような、にじみ出る面白さの正統派な落語家さん。

 

 そんな二人の「ふたりらくご」どうなるのか、気になります。 プレビューに「お互いうわべだけの付き合いである」と書いてあり、「ビジネス仲良しかっ!」とテンションマックスです。

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 立川こしら師匠「鰍沢」は、扇里師匠のリクエストに応えての噺だったようで、冬にぴったりの話でした。ただし、サスペンス要素は全くなく、登場人物が紺屋高尾に変わっており、高尾太夫がサーフィンするがごとくに雪崩に乗って、追ってくる展開に。最後は、「3月15日に来い」でフィニッシュでした。次の扇里師匠が「全然知らない噺だった」発言にも爆笑してしまいました。

 入船亭扇里師匠 「崇徳院」は、恋煩いの噺でした。まくらで、こしら師匠と決別するとしたら、何か大きな事件があって、決別したいというような内容を話しており、例えば、「一人の女性を取り合って」といっていたのが、じわっときました。二人に取り合いされたい女性は、シブラクのGmailにメールをすれば立候補できるみたいです。

 崇徳院の導入部分を、「千両みかん」かと勘違いし、こしら師匠のリクエストはなんて天邪鬼なのだと思ったら、全然違いました。みかんに恋い焦がれたら扇里師匠のまくらも台無しですよね。

 こしら師匠の後だったからか、扇里師匠が高座に上がった途端に、ほんのり会場が静かになったような気がします。とても疲れていたので、息苦しくない静かさが心地よく、扇里師匠に何だか癒されてしまいました。

 

    院極まれば陽となり、陽極まれば陰となる、太極図のようなお二人の「ふたりらくご」、素晴らしかったです。太陽星座だけで言うと、こしら師匠は水の固定宮 さそり座、扇里師匠は水の活動宮 かに座で、行動の仕方は違えど、他者との関係性を重視する価値観は同じ。表現方法は違うけれど、気は合うのではないかなぁなんて思っています。ここに、水の柔軟宮 魚座志ら乃師匠を投入したら、水のグランドトラインでエネルギーが回る、何とも優しい落語会になるかもな、なんて妄想もまた楽しい。

 

  こしら師匠の鰍沢が、あまりに衝撃的だったので、本当の内容はどんなものだったのかを確認するためネット検索をしていたら、春風亭一之輔師匠と行く鰍沢のツアーを見つけてしまいました。パンフレットを読んで、本当は人情噺だったのかと衝撃を受けました。しかしこの一之輔師匠の写真、もっといいやつなかったのかな。

http://tourist-japan.com/public/_upload/type010_1_1/file/file_14833422391.pdf

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今月の渋谷らくごは、今日までです!毎回何が飛び出すか分からないのが魅力。

お時間あれば是非。

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