ひつじのおさんぽ

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ハワイ神話の女神様たちとダメンズたち

 数多くあるハワイアンソング。聴いていると何とも心地よく、似ている曲調のものも多いし、基本ハワイ語で何と歌っているのか分からずについウトウトとなるのも、なんか良いところ。

 

 フラを踊る時には、ハワイ語や英語の歌詞を訳すので、踊った曲については内容が頭の中に入っています。フラソングのジャンルとしては、①ハワイの美しい自然や土地を歌った曲、②恋愛や家族愛について歌った曲、③ハワイ神話について歌った曲に大まかに分けられるのではないかと思っています。

 

 私にとってはハワイ神話について歌った曲を踊るのが、苦手です。古事記ギリシャ神話もそうですが、ハワイ神話の神々の話も、ストーリーが奇想天外で、感情移入できる部分がほとんどないためです。モンスターエンジンの「暇を持て余した神々の遊び」ネタは大好きなのですが!(爆)

 

 今日は、そんな中、私が出会った気になる女神様たちと神話を見ていきたいと思います。

 

1.カハラオプナ

 オアフ島のマノアという場所にいる、虹の女神としてカハラオプナは有名です。マノアは現在は、ハワイの高級住宅地でハワイ大学があったり、うっそうと茂る森の中にマノア滝があったり、湿気の少ないハワイの中で雨がよく降る場所でもあります。

 

 カハラオプナのフラソングはとても美しいのですが、神話を調べるとちょっと怖いです。カイルアに住んでいた許嫁のカウヒに浮気を疑われて、ヌウアヌの山中で撲殺されます。守護神のフクロウがカハラオプナについていたので、この神様がカハラオプナを生き返らせます。カウヒは山道を逃げていると、殺したはずのカハラオプナが追いかけてきて、「何故何もしていない自分を殺したのか」と問いかけてきます。追いつかれたカウヒは、またカハラオプナを殺害、その後フクロウが生き返らせるのループを5回くらい繰り返します。殺しても殺しても追ってくるカハラオプナに恐怖しか感じません。

 

 その繰り返しの後、カハラオプナは首長マハナに助けられて、カウヒは裁判により死刑にされ、カハラオプナは、マハナと結婚し、ひと時幸せな時を過ごします。そのひと時のシーンが描かれているのが、フラソング「Kahalaopuna」のワンシーンです。

 

 ただその後、サメに生まれ変わったカウヒが、海に入ったカハラオプナを食べてしまい、体が無くなったカハラオプナをフクロウも生き返らせることができず、マノアの風カハウカニの父と雨カウアフアの母や祖父母が、マノアに毎日降る雨の後にかかる虹を見てカハラオプナを思い出すのでしたというエンディングが続きます。

 

 ダメンズ・カウヒの逆恨みの理不尽さと救いようのない話にライフを削られます。いい男のマハナと結婚しても、幸せになれなかったカハラオプナ、何を間違えてしまったのでしょうかね。「何で私の事を殺したのか」を問いながら追ってくる、ちょっと狂気のカハラオプナだったら、踊れそうな気がします。

 

2.ポリアフ

 ハワイ島マウナケアに住む雪の女神です。マウナロアに住む火の女神ペレとライバルで何度も闘っているという強気な一面を持ちます。マウナケアは、冬には山頂が雪に覆われることもあるそうです。

 

 「Poliahu」は、他の女性と結婚するために自分のもとから去っていったカウアイ島の王子アイヴォヒクプアに「帰ってきて」と、マウナケアから悲しんで嘆いている曲です。ポリアフは、この時自分から身をひいたとされています。

 

 一方、浮気者のアイヴォヒクプアは、第二のお嫁さん候補だった、マウイ島ハナに住んでいたヒナイカマラマと結婚すること決めました。しかし、二人が抱き合っているといつもポリアフが冷たい風を吹かせて、二人を凍り付かせただとか、その冷たい風をヒナイカマラマが怖がり、マウイ島へにげてしまったとかのエピソードがあります。

 

 お前は源氏物語六条御息所か!と突っ込みを入れたくなる、執念深さと嫉妬です。自分から身を引いたくせに、やっぱり許せないというのは、理解の範疇ではありますが、シンプルに怖い。歌詞の中で「E ho'i mai(帰ってきて)」という部分が何度も繰り返されていますが、一体どんな心持ちで踊ればしっくりくるのか、今でも分かりません。

 

 このカウアイ島のダメンズ王子、アイヴォヒクプアのエピソードは、第一のお嫁さん候補のラーイエイカヴァイの話にも出てきます。

 

3.ラーイエイカヴァイ

 ハワイ島のプナに住んでいた住んでいた絶世の美女で特別な力を持っており、彼女のいる場所には常に彼女を祝福する虹がかかっていました。カウアイ島の王子アイヴォヒクプアは、彼女にプロポーズし、さくっと断られ、去っていきます。彼は、3人の女神たちに振られる残念なプレイボーイな役どころでした。

 

 この後、ラーイエイカヴァイは、サーファーと呪術により恋をさせられ、のちにひどい目にあったり、アイヴォヒクプアのお兄さんである太陽の目の神カオーノヒオカアラーと結婚したりします。しかし太陽の目の神は、ラーイエイカヴァイの双子の妹のラーイエロヘロヘ(既婚)とダブル不倫をし、天から追放されてしまいます。

 

 その後、何を思ったかラーイエイカヴァイは、不倫してしまうほど、自身の結婚生活が不幸だったのかとラーイエロヘロヘを不便に思い、最後は地上で一緒に暮らすようになります。急展開過ぎて、ちょっとついていけませんでしたが、原本は壮大なストーリーのようです。

 

 その存在自体が高貴で尊いラーイエイカヴァイの光は強すぎて、その後ろに存在する闇が深く暗くなることで、彼女は存在を保っているように思いました。陽極まれば陰となる、陰陽道の対極図のようなイメージがこの女神さまの話にはあります。

 

 ただ「Laie-i-ka-wai」の曲と歌詞はとても美しいので、これからもし機会があったら、この曲は踊ってみたいです。 女神様の様な神々しい雰囲気は、どうやっても出せなそうですが。

 

 昔のハワイのしきたりでは、女性と男性は食事を一緒にしてはいけない、食べてはいけない食物が多くあったり、女性は漁の道具に触ってはいけない、女性はヘイアウに立ち入ってはいけないなどがあり、女性に課せられた禁止事項がとても多かったようです。不自由な生活で苦しめられたことや受動的に生きざるを得なかった事情を間接的に神話が示しているため、薄幸な女神たちが多いのかもしれません。

  

 今年も色々と世間を騒がせた離婚や不倫などの事件がありましが、男女関係はうまくいかない事が多いのは、今も昔も神様の世界も人間の世界も変わりないことなのでしょうね。

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 ハレアカラでロープで太陽を捕まえようとする破天荒な半神半人マウイ。最後は頑張りましたが、彼の母ヒナもなかなかの不幸体質な女神様です。

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