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ひつじのおさんぽ

不思議や奇妙な事,面白い事に心惹かれます。

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渋谷らくご 11月感想と粗忽長屋の奥深さ

落語

 渋谷らくごの期間は、どの回に行ってもお祭り気分なのですが、11月は、渋谷らくご2周年記念ということで、いつにもましてお祭り気分でした。2015年渋谷らくご大賞を受賞した瀧川鯉八さんが、毎日出演されたり、お楽しみゲストとして、当日誰が出演するか分からない演出があったり、ジャンル様々なトークゲストが会場を盛り上げたり、仕掛けが満載でした。

 

 私が行った会でのお楽しみゲストは、18時からの回では春風亭一之輔師匠、20時からの回では、柳家三三師匠でした。お得感が半端なかったです。ほかの回では、立川志らく師匠が出演されたのを知ってうらやましく思ったり、このメンバーならどんな人が入りそうか初心者ながら妄想したり、違った楽しみをしてしまいました。

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 お恥ずかしながら、一之輔師匠がされた「味噌蔵」の ”どがちゃが” がこの公式読み物のタイトルだと初めて知りました。また2年間の高座がまとめられている、ブルーの冊子で酒が飲めるとキュレーターのサンキュータツオさんがおっしゃっていて、またまた言い過ぎと思っていましたが、よくよく見ると楽しい。昔のものは、聴きに行きたかったと思うし、直近のものは、あ~そういえばそうだったと楽しさを思い出したり。一期一会の組み合わせというのが何とも潔くて良い。

 

 瀧川鯉八さんを知ったのは、渋谷らくごのポットキャストでした。その時は、まくらと本編の一部を聴いたのですが、その後の内容が気になって仕方ありませんでした。それからは時間を見付けては、鯉八さんを細々と追いかけています。創作落語のみをかけていらっしゃる方で、噺にでてくるキャラが押しなべて濃いです。

 

 今回、聴いたのは「イマジン」です。冒頭のシーンは、3人の侍が戦乱の世の中だったらと想像ごっこをするところから始まります。「え、何、古典落語みたいな創作落語なの!」と妙に感動し、武士みたいにふるまっている鯉八さんの男らしい事。初めて観ました。凝った噺の全体像が最後にはっきりとして、ああそうなのかと笑いつつも感動してしまいました。

 

 いつもは、げろっぱしか言わないニートや自意識過剰な女子、酸っぱいブドウの兄さんというような、人間らしい嫌らしさをふんだんに振りまいていく登場人物が多いので、その世界観とのギャップがすごく、まだまだ修行が足りないと感じました。(何のだ)

 

 11月のシブラクで、立川志ら乃師匠の噺が「粗忽長屋」だったとTwitterで見た時には何とも思わなかったのですが、11月28日の六本木 不動院寄席で、志ら乃師匠の「粗忽長屋」を聴いた時、衝撃を受けました。まくらの素晴らしさも相まって、こんな粗忽長屋は初めて聴きました。サゲの後、自分が「自分」と思っている「自分」は何で決まるんだろうかとよく分からなくなりました。熊の最後のセリフ「抱いてる俺は、一体何処の誰だろう」に底知れぬ不安感と怖さを感じました。

 

 粗忽長屋に怖さや不安を感じたのは初めてでした。基本的には粗忽者たちが最後までぼけ続ける、観客に脳内で突っ込みをさせつつ、笑える話だと思っていました。この感覚には、昔のリリパットアーミー(劇団)が、笑える演目と思わせて、ホラー「こども一生」をぶっこんで来た時の衝撃に似ています。

 中島らもさんの何かのエッセイで、観客が笑う準備ができている状態で、演劇に来て、どうでもないことにも笑う状況を良くないと思い、「こどもの一生」をかけたと読んだことがありました。落語、単純に面白くて笑えるものという思考停止の状態だった自分をはっとさせた噺でした。

 

 立川志ら乃師匠と瀧川鯉八さんの噺がシブラクのポッドキャストで有難いことに現在配信されています。だるい月曜の朝や落ち込んでいる時、笑いたい時にいかがでしょうか。 

 

shiburaku.seesaa.net

 

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