フィンランド サウナ旅 ヴァンターの森へ Kuusijärvi
フィンランドと言えば、森と湖の国。そして、そこにサウナ小屋が建つ。これは必然ではないだろうか。サウナの後に、身体を冷やせる湖がそこにあるのだから。
ヘルシンキからバスで一本で行ける、森と湖のほとりに建つサウナ、クーシャルヴィ。全くの余談だがこのクーシャルヴィの発音が、全く通じなかった。後日フィンランド語を習っている友に教えてもらってもできなかった。
中央駅の横のバス停から出発。バスは、2019年4月現在は、731N, 738K, 739番のものがクーシャルヴィへ行く。
バスは降りるところがよく分からないので乗るのを避けていたが、運転手さんに言えば降りる場所を教えてくれるということなので、ためらいながらもチャレンジすることにした。
バスはハカニエミを過ぎてどんどん森の中へ進んでいく。白樺が茂ってきて、森の中の道を走っていく。と、突然バスドライバーが途中のバス停で違う人に交替した。交替とともに私のことも引き継ぎしてくれただろうか。
新ドライバーの運転のもと、バスはどんどん進む。モバイルWIFI代をケチったため、今一体どこらへんにいるのか検討もつかない。
だんだん焦ってきた。中央駅を出発してから30分は経った。そろそろだろうか。全く分からん。こんな森の中で間違った場所に降りてしまったら、もうどうしようもない。慌てた私は、隣に座っていた中学生くらいの男の子にお願いしてGoogleマップで調べて貰い、無事にたどりついた。少年よ、有難う。ダメなアラフォーでごめん。
交替した後のバスドライバーさんは、結局降りるバス停を教えてくれなかったからこれは英断だったと言える。恥ずかしかったけど。
受付でリストバンドをつけてもらい、湖のほとりへ。
(スモークサウナ小 2つ)
(スモークサウナ大 1つ)
スモークサウナ(大)に更衣室があるということなので、いそいそと一番奥にあるサウナ小屋に向かう。水着に着替えて、シャワーを浴びて、ビーサンをはいて、いざスモークサウナへ。
スモークサウナとは一体どんなものなのか。Visit Finlandに下記の様に記載されている。文字通り、煙で温めたサウナだ。
スモークサウナは伝統的で、煙突のない昔ながらのフィンランド式サウナです。サウナに煙が充満するまで、大きなストーブで薪を燃やし何時間もかけてサウナを暖めます。サウナが十分に暖まったら、煙を外に出します。
中に入ると真っ暗で暗順応するまで、よく見えない。見えない目で、よく見ると人がみっしりと座っているように思えた。
「ここ、いっぱい?座る所ある?」と聞くと「こっち空いてるわよ」とお母さんが呼んでくれた。
転ばないように階段を登り、お隣に座る。沈黙のサウナ小屋。雰囲気壊しちゃったかな…と思いながら煙の匂いを堪能しながら、サウナの熱さを感じる。サウナ小屋の外に木の板がおいてあり、サウナシートならぬ、サウナ板を敷いて座る。何せ室内は熱々になっており、壁もベンチも全てが熱い。
「お水足していいかな?」
一人が言う。皆が暗がりの中でうなずいた感じがする。では、という感じでおじさんが、サウナストーブまで下りて、水をサウナストーンにかける。じゅわーという音とともに温度が一気に熱くなる。これは熱い。そんなに色々なサウナに入った経験はないが、今まで入ったサウナの中で断トツの熱さだ。
そして、水をサウナストーンにかけるだけではなく、サウナストーンの上にある、持つところがない金属でできた鍋にも水を入れた。これはえぐい。サウナストーンに水をかければ、すぐに蒸気になって室内に熱さが広がるが、少し経てば温度は落ち着いてくる。しかし鍋にいれて水がぐつぐつとなっている場合、蒸気は出続け、常にサウナストーンに水をかけた時の状態が水がなくなるまで続く。蒸気の熱さと熱さの持続が半端ない。
フィンランドのつわもの達もこれには、「ぐううう」と言っている。隣に呼んでくれたお母さんも、顔を両手で覆いながら「おう、おおう」と苦しそうだ。耐えきれなくなり、お母さんと娘さん、旦那さんとついでに私も外に出る。
スモークサウナ(大)の前の湖に転ばないようにゆっくりと入る。膝くらいの深さの所まで入り、しゃがむ。3人家族は、胸までつかる所まで進む。
至高。
言葉はいらない。
湖の中で、ぼけーっと湖面と回りの木々を眺めていると、その様子をお母さんが「そんな風に湖に入っているとフィンランド人みたいね。観光客は、さっと入って、冷たいって騒いですぐ出ちゃうから。」と言ってくれた。
お母さんは、湖に首までつかっているが両手は水につけず、両指を合わせて三角形を作っている。何かの健康法だろうか。娘さんも両手は水につけず、バンザイをしているような格好で入っている。
そういえば私の母も、水風呂に入る時には手は水につけない。バンザイをして水風呂に肩までつかっている。その様子をちょっと思い出して笑ってしまった。国も人種も全く違うのに、サウナ後の水風呂(湖)の入り方に共通があるなんて、不思議だ。
何度かサウナ⇔湖を繰り返し、お母さんが「小さい方のサウナもいいから、体験してみるといいわ」とおススメしてくれたので、スモークサウナ(小)へ向かう。
小さいサウナは、6人も入れば結構な密度になる。入ってみると、高校生くらいの女子が5人くらいで楽しくおしゃべりしている。一つ席が空いていたので座る。こっちのサウナは明るい。しかし熱さは変わらない。
可愛い女子が集団で出ていくと、入れ替わりに静かなおじさんが入ってきた。水着姿に、不似合いな手袋をしている。挨拶をしたが、「うむ」とうなづいて何かフィンランド語でごにょごにょ言った。寡黙なおじさんは、おもむろにサウナストーンに水をかける準備を始めた。多分、さっきは「サウナストーンに水かけるね」と言ったのだろう。手袋をした手で、繊細な感じで水をかける。そして、例の鍋にも水をたっぷりと入れる。えぐい蒸気が一気に充満する。やけどするんじゃないかと思うほどの熱い蒸気。小さい小屋の方が熱さが伝わる速度が速い。
たまらず、外に出る。スモークサウナ(小)から湖は遠い。坂を下りて、湖に入る。
至高。
こちらの湖の方は、少しプールっぽくなっており、泳いでいる人がいた。野趣あふれるスモークサウナ(大)の前の湖もよかったが、こちらもよい。
のんびりとしているとさっきの親子3人のお母さんが帰る所に出会った。お礼とまた来るねといって、お別れした。
これまで行ったサウナとは全く違う経験だった。この気持ちのよさ、ゆっくりできる感は、ちょっと味わったことがない。
サウナでの沢山の出会いは、何事にも代えられない時間だ。後日、友達がクーシャルヴィを訪れた時の話も、とても興味深かった。その日その時間にたまたまサウナで出会った人たちと素敵な時間を過ごすこと、これこそフィンランドでのサウナの醍醐味であると私は思う。
ほぼ裸で人と人が話をして、気持ちよい時間を過ごして、また自分の生活に戻っていく。サウナを通して、人が交差していく。フィンランドのサウナのそういう所に、惹かれてやまない。
帰りのバス停。周りの森は歩けるようになっていて、走ったり歩いたりした人が意外とたくさんいた。まだ雪も残っていた。鳥のさえずりとかえるの鳴き声が、すごく春らしい。
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1.森と湖とサウナで THE フィンランドという体験ができる
2.ヘルシンキからとヘルシンキへのバスがだいたい一時間に一本。
3.週末は混むらしい
4. 最近は日本の番組で取り上げられたらしく、日本人観光客が結構いるらしい。ちょっぴり残念な気もするけど困った時には少し安心かも。
5. 更衣室にシャワーはあるが、ドライヤーがない。持参するか、宿泊先に戻ってから髪を乾かす等したほうがいい。
6. 身体がスモークサーモンの様な匂いになるので、苦手な人は電気サウナがいいかも。
時間に余裕があり、アウトドアが好きでスモークサウナを森と湖の環境で体験したい旅行者におススメです。冬には、AVANTOができるそうですよ!(凍った湖に穴をあけて、極寒の湖に入ること)
ここまで読んでくださり、有難うございます。
【noteのものを加筆修正し、再掲しました】
フィンランド サウナ旅 ALLAS SEA POOL
フィンランドのサウナに水風呂は見当たらない。ではサウナ後に水風呂に入りたい時は、どうすればいいのか。
そう、海か湖に入るのだ。
2年前に行った時は改装中で入れなかった。その少し後にマンウィズが気持ちいい青空の下、ここでビールを飲んでいるのをTwitterで見た時、行きたかった場所にオオカミさん達がいたことと行けなかった残念さが入り混じった「うわーーー」という音が口から出た。
DJサンタモニカト、混迷スル世界経済ノ行方ニツイテ語ッテマス。嘘デス。(「゚Д゚)「ガウガウ pic.twitter.com/V0LOoDD5Nn
— MAN WITH A MISSION (@mwamjapan) June 28, 2017
そんな因縁で今回は外したくなかったサウナだ。
アッラス シープール
カタヤノッカ、マーケット広場の近くにある。観覧車が目印だ。この日は残念ながら曇り。
受付の建物。入口を入ってすぐに受付があり、料金の支払いとリストバンドをつけてもらう。
受付の建物を出て、右に進む。施設の中に入ると近くに、貸切できるサウナ観覧車が見える。茶色の乗り物がサウナになっている。日本のサウナにはエンターテイメント性があるとか言っている人もいるけど、これを見てしまうと素直に信じていいものかと思う。発想の次元が違う。
サウナの入口は、こちらだ。海に面しており、行き交う船が見える。
右に曲がると、男性用、女性用、男女混合のサウナの順で並んでいる。現在、女性用サウナは改装中のため、男女混合サウナが女性用となっている。
恐る恐る、何故か半開きになっているドアを開けると、右手にサウナ、左手にロッカー、右奥にシャワーというレイアウトになっていた。
ロッカーの扉にはグレーの突起が出ていて、どうやら突起が出ているのが空きのロッカーのようだ。荷物をロッカーにしまい、ビーサン一丁になった所で鍵の閉め方が分からないことに気がついた。
暗証番号を設定できるようなものもないし、突起を押しても鍵はかからない。説明書きもない。仕方なく、近くのおばちゃんに聞いてみると、腕のリストバンドをグレーの突起に押し当てると鍵がかかるらしい。開ける時は再びリストバンドを突起に押し当てると、解錠されるとのこと。
リストバンド内のチップは手首側についており、手首を押し当てると施錠された。結構強い力で押し付けないと、突起が引っ込まないので、ちょっと手首の静脈の状態が心配だ。
シャワーで清め、いざサウナへ。ここのサウナも階段を5-6段登って上のサウナベンチに行くタイプのサウナだ。入ると中の空気は乾燥して暑くピリッとしている。日本のサウナに近い感じ。
私の他に誰もいないからか、乾燥がきつい。蒸気を足すために、サウナストーンに水をかけようとバケツを見ると、水が入っていない。水を汲むためにバケツの取手に手をかけるとあまりの暑さに日本語で「あつーーー!?」と言ってしまった。何でサウナに置くバケツの取手を金属で作るのだろうか。
グッと我慢してバケツを持ち、階段を降りて、水を入れようと蛇口をひねると、お湯が凄い勢いで出てきて、バケツにぶつかり飛沫が足に飛ぶ。再び「あつつつーーーーい!?」となる。
慌てて後ろに下がり、蛇口から距離をおく。ビーサン一丁でお湯が溜まるまでじーっと蛇口を観察し、お湯が跳ねてこない所まで近づき、お湯を止める。再び、熱々のバケツを持って早足で階段を登り、サウナストーブの前で座った。
右手の生命線が、取手の熱さで焼き切れるかと思った。
想像した通りサウナストーンに水をかけるための柄杓もバケツと同じ素材でてきているようでとても熱かったが、我慢して水をかけ続ける。蒸気が出てサウナは良い感じになってきた。
ここのサウナは何となく静かだ。平日朝9:00に来たからかもしれないが、皆さんはサウナにさっと入って、出て行く。朝の通勤前の時間かもしれないし、健康のために外のプールで泳ぎ、締めにサウナに入る人も多いのかもしれない。サウナへのんびり話に来ている人はこの時間にはいなかった。
フィンランドのサウナでは会話を楽しむと本に書いてあったが、今この時間のここのサウナは一人でぼんやり過ごすことがいいような感じがする。常に全開で他の人と話す状況は、私のような人間にはちょっとストレスだ。こういう雰囲気は落ち着く。
サウナの小窓からは船がこちらへやってくるのが見える。サウナから外が見えるっていい。
何度かサウナと水シャワーを繰り返し、十分に温まった所でいざ海水プールへ向かう。
この施設の名前からも推察できるように、ここは屋外にプールが3つある。温水プール、消毒した海水を入れたプール、子供用プール(夏季のみ)である。
(温水プール)
サウナの建物からプールまでは結構距離がある。今日は昨日の暖かさから一転して、曇りの12度-13度、風も強い。誰もいない海水プールへ向かうが、途中で体が冷えてくる。いそいそと階段を降りて、デッキを歩いていると監視員のお兄さんが監視員部屋から出てきて、海水プールまで着いて来てくれた。
外に出る時は水着を着用しているのだが、若いお兄さんにぷよぷよボディを晒すのは、日本でもフィンランドでもまだ恥ずかしいものだな。
(海水プール)
海水プールへ下りる階段は藻がびっしり生えている。よく見るとプールの壁にも生えている。少し怯んだが、思い切って入ってみる。
お兄さんは、本日の水温は7度と言っていた。30秒くらい入って、お兄さんにもう大丈夫といってプールを出る。水が冷たいからと言うよりは、茶色の海と海藻類にちょっと抵抗があった。海水プールは、もう、いいかなとベンチでぼけっと外気浴をする。
少し経つとお姉さんが海水プールへやってきた。あの茶色のプールで泳いでいる。私はちょっと怖くて、プールの階段から先に降りれなかったのに。すごいな。
後で、このお姉さんにサウナで会ったので、「泳いでましたよね。すごいですね、水も冷たいし」と話しかけたら、「冷たいけど気持ちいいのよ〜。せっかく来たのだから、泳がないと」とニコニコしていた。あの海水プール、慣れれば気持ちいいのかもしれないなあ。消毒もしてあるということだし。
帰り際、リストバンドを返却する時に、サウナ御朱印帳にスタンプを貰う。昨日行ったUUSI Saunaのスタンプを見たお兄さんが、「ここ行ったの?良かった?まだ行ったことないんだよね」と話しかけてくれた。
「良かったよ。サウナはここと同じくらいの広さだった。外気浴しかできないけど、ヴィヒタもあったよ。あそこのサウナ新しいの?」
「そう、去年の暮れぐらいにてきたんだよ。”UUSI”って”新しい”って言う意味のフィンランド語だしね!今度行ってみるよ」
フィンランドの人は日本人と少し似ていて、基本的に向こうから話しかけてきたりはしない。こちらが話しかけると、普通に話してくれるけど。サウナの話は、会話のきっかけになるし、旅人とフィンランドの人の壁を少し壊してくれるように思えた。
アッラスシープール、
1.トラムで簡単に行けるアクセスの良さ
2.朝6:30から営業していること
3.サウナの温度が日本に近い
4.近すぎない距離感
5.一人で来ている人が多いこと
を考えると、「ちょっと空いた時間にサウナ試してみたいな」「地元のサウナを軽く体験したい」と言う人にオススメ。
クールダウンに海や湖に入るスタイルのサウナの場合には、バスタオル、水着、ビーサン持参は必須だ。
(noteからの加筆修正の上再掲)
フィンランド サウナ旅 UUSI Sauna
成田空港から9時間、2年ぶり2度目、フィンランド バンター空港に降り立った。今回の訪問は、ずばり「サウナ」だ。
前回行った時の、「ロウリュ」での体験があまりに素晴らしかったため、今回は2泊3日のスケジュールでサウナを巡ることとした。
サウナ好きも苦手な人も、旅先としてフィンランドを選んだならば、是非サウナも旅程に入れてほしい。そこに集う人々に触れたなら、ディープなフィンランドを感じるだろう。
バンター空港で降りる人は少ない。ほとんどの人が他国への乗り換えのために、Transfer出口へ流れていく。前回と同じように心細い思いをしながら、入国審査へ向かう。6箇所くらいある入国審査窓口、全て空いているので悩み、歩いてきたながれのままに目の前の出口へ進んだ。
呆気ないほどの簡単さで、入国が完了した。そそくさと電車とトラムでホテルへ向かい、チェックイン完了。時刻は17時、まずはサウナへ向かおう。夕食などはその後だ。
本日、ヘルシンキは良い天気。日があたる場所は暑いくらいだ。
UUSI Sauna
最寄りのトラムの駅を降りてからかなり迷い、歩いていたおばちゃんに道を聞いてやっとたどり着けた。トラムの駅からすぐの所にあったのに、方向音痴にもほどがある。
中に入るとお洒落なカフェやバーの様な店内。テーブルと左手にバーカウンターがある。サウナの入口がよく分からず、キョロキョロしていたら、近くにいたおしゃれなおじちゃん(多分オーナーの人)が、バーカウンターでお金を支払うんだよと教えてくれた。
ついでにサウナの入り方や更衣室についても、この3人に聞けばいいよとフィンランド女子を紹介してくれた。今日は、サウナのプロモーションのための写真撮影をしていて、こちらの3人はモデルさんだと、おしゃれおじちゃんが教えてくれた。余談だが、後日、このサウナのFBに私が写り込んでいる写真が載っていた…。フィンランド人女子3人とアジア人1人の写真、浮いていることこの上なし。
女子更衣室の荷物を入れるロッカーの赤い扉が、ポップでキュートだ。女子3人のうちの一人が、「ここで服を着替えて、奥のシャワー室へ行くのよ。準備ができたら一緒に行きましょう」と言ってくれた。撮影のモデルさんの一人。
もじもじと着替えて、タオルを巻き準備できたことを伝えると、「じゃあ一緒に行きましょう」と可愛いバスローブを勢いよく脱ぐ。良い脱ぎっぷりだ。ぎゅっとタオルを巻きつけている私が、何だかおかしくなった。
奥のシャワー室へ向かう。シャンプー、リンス、ボディソープは備え付けてある。その更に奥の扉にサウナ室がある。
いよいよサウナだ。扉を開けると優しい暖かさと木の匂い広がっている。
「さっきまでサウナ室でも撮影してたから、蒸気が足りないわね」とお姉さんは、どんどんサウナストーンに水をかける。一気にサウナが熱くなるけれど、蒸気が肌に気持ちいい。
女子3人はおもむろにバケツから取り出したヴィヒタ(シラカバの葉がついた枝)で体を叩き出した。バシッ、バシッと結構な強さで全身を叩く。とにかく打つべし、打つべしという感じ。
「さっきからするいい匂いは、ヴィヒタの香りだったんですね」と言うと
「血行も良くなるし、あなたもやってみなさい」とヴィヒタを渡された。
恐る恐る叩いてみると、
「もっと強く!もっと強く!」と言われるがままに強く叩かされた。意外とど根性系だ。
叩くとシラカバのいい香りがして、気持ちがいい。葉っぱが体に貼り付きさらにいい香りがする。「フィンランドでは、これが健康法なのよ。」と嬉しそうにお姉さんが言う。
サウナストーブは、床に置いてあり、サウナベンチは、階段を5,6段登った少し高いところにある。そのため、水をかけるためには一度下に降りて、サウナストーブの近くに行き、水をかけなくてはならない。モデルさんたちは、何度か下に降りて水を丁寧にかけ、サウナ室は適度に熱く心地よい空間となった。フィンランド語でのおしゃべりが始まり、3人とも楽しそうだ。
しばらくすると、シャワー室へ、三々五々に向かい、サウナ室で一人になってしまった。薄暗い中で、時計も温度計もない室内。静かで落ち着く。
自分でも階段で下に降りて、サウナストーブに水をかけてたりして、一人を満喫していると母娘のような2人組が入ってきた。サウナの温度が気に入らないようで、「水、足していい?」と言った後、水が入っているバケツとひしゃくを下からサウナベンチがある所まで移動し、座りながら水をストーブへぶち込む。上から下に投げつけられた水はサウナストーブでじゅわわーと大きな音を立てる。
シンプルに言って、水のかけ方が「雑」である。室内は蒸気が起こる音と二人の会話で騒がしく、一気に暑くなる。
堪らずシャワー室へ退散し、更衣室まで戻り、水を飲む。しばらくゆっくりとしていると、二人も出てきて、更衣室でバスローブを着て、外に出て行ってしまった。
そしてまた一人でサウナ室に戻り、静けさを楽しんでいると、おばあちゃん2人組が入ってきた。
おばあちゃんの一人も、もう少し暑い方がいいらしく「水、足していい?」ともう一人と私に聞いた後、母娘二人組みの方法を踏襲したのかどうか分からないが、サウナベンチからサウナストーブまで水を投げ飛ばす。
やはり雑だが、やはり何とも繊細な蒸気が室内に充満する。
「どこからきたの?」とおばあちゃんが聞いてくる。
「日本から来ました」
「旅行?それともこっちに住んでるの?」
「旅行です。フィンランドのサウナに入りたくて、来ました」
「私も日本行ったことあるわ。サウナにも入ったけど、フィンランドのとちょっと違うわよね」
「そうなんですよ。だからまた来たくて」
何となく会話が弾み、良いところで終わって、おばあちゃんたちは二人で楽しそうにフィンランド語で話し出す。
サウナを満喫した私は、おばあちゃんたちに声をかけて、サウナを後にした。
服を着て外に出ると、カフェ兼バーは大賑わいで、座るところもないほど。空いてたら何か食べて帰ろうと思ったが、難しそうだ。
サウナの入り方を教えてもらったモデルさん3人がバスローブ姿で楽しくおしゃべりしているのを見つけた。
「今日は有難う」と一言伝えると、「またね!」「サウナ楽しんでね」と返してくれた。
心も体もホカホカとなり、ヘルシンキでの1回目サウナを終了した。
ヘルシンキのお洒落なサウナ。地元の人たちと交流したい人にはぴったりなサウナ。土日は、混んでいて時間によっては、入れないこともあるそう。去年の暮れに出来たばかりそうで、別の「サウナでどんなだった?」とお兄さんに聞かれた話題のサウナでもある。新しいと言う意味の"UUSI"サウナ。
タオルレンタルすると貸してくれるだろう、マリメッコのガウンがめちゃくちゃ可愛かった。日本でガウンというと白いタオル地のもので何となくお金持ち感がして、敬遠してしまうが、マリメッコのは着てみたいと思った。
中庭で下半身にタオル巻いただけの姿で外気浴すると地元男子を見て、年甲斐もなくドキドキしてしまったのは、秘密だ。
(noteから加筆修正の上再掲)
ストライキ フライトキャンセル SAS - 私の場合
記念すべき令和第一回目のブログは、ノルウェー スピッツベルゲン島で真夜中の太陽を追いかけたり、フィヨルドを見たり、氷河をハイキングしたりする大スペクタクルな投稿をする予定だった。
しかし、結果として2019/4/26から5/3まで続く長いスカンジナビア航空(以下、SAS)のパイロットによるストライキにより、オスロからロングイエールビェンへのフライトがキャンセルになってしまったため、スピッツベルゲン島に行くことができなくなってしまった。
メーデーの日を挟んで旅行に行くなんて海外のメーデーを舐めてる、そもそもゴールデンウィークに長期海外旅行に行くのが悪い、個人手配をするべきじゃないなど、何かしらの突っ込みはあるかもしれない。しかし、将来、海外で乗る飛行機がストライキによりキャンセルになって、困っている人の手助けになればという趣旨で、このブログを更新した。
そのため、そんな風に思う方はここでお戻りいただければ幸いです。moi moi!
*5/11 友が情報を仕入れてくれたので、いくつか情報を更新しました。
*6/29 決着がついて、心が落ち着いたので、情報を更新しました。
さて、ここからは時系列に話を展開していこうと思う。
4/25 フィンランド ヘルシンキ 到着
事の発端は、4/25、SASからの1通のメールだった。
既に、フィンランドのヘルシンキに到着しており、メールを確認したのはホテルに到着してからだった。
2日後の27日にオスロで友人と待ち合わせをしていた。この時は、警告だけだったので、後2日もあるから、何とか28日朝のフライトには影響がないだろうと楽観的に考えていた。楽しみにしていたサウナへ向かう。
4/26 フィンランド ヘルシンキ 滞在2日目
朝、起きてみるともう一通SASからメールが来ていて、「お、問題なくストライキが終わったかな」と楽観的な気持ちでメールを開いた。
内容は、パイロットによるストライキでフライトの遅れやキャンセルで影響があったらごめん、フライト情報など確認しろとのことだった。ストライキが始まったようだった。
SASのホームページでも、28日の便がキャンセルされるか、されないかよく分からない状況。27日分でストライキに関係なく飛ぶフライトが10便程度表示されているだけだった。
何せヘルシンキにいるので、ノルウェーでのロングイエールビェン行きフライト状況が良くつかめなかった。日本- ヘルシンキ- オスロは、フィンランド航空で取っていたので確認をどうすればよかったのか、正直分からなかった。ひとまず、この日はサウナを2件はしごした。
この時、もしかしたらバンター空港に戻ってSASカウンターに行けばよかったのかもしれない。
*5/11追記 この時、サービスカウンターで最新情報を確認及び、代替便を確認した方がよかったようです。ただ今回はスピッツベルゲン島という僻地及び日程が限られていたので、確認しても渡航は難しかったかも。
4/27 フィンランド ヘルシンキ からノルウェイ オスロへ移動
朝のサウナを満喫後、ホテルで状況を確認してもらったが、さほど情報の更新は無く、明日は大丈夫なんじゃないとぼんやりと言われ、不安に駆られながらもオスロへ移動。
不安からなのか、サウナに入りすぎたのか、ガーデモエン空港に到着する頃に頭痛がひどくなり、予約してあった空港近くのホテルで、友人が来るまで仮眠をとることにした。この時メールを確認するとオンラインチェックインのメールが来ていた。チェックインだけをした。少しだけ希望が見えたが、自動で来るメールのような気もして何とも言えない感じ。
夕方、友人が空港に到着したので合流し、まずはご飯を食べてから、空港に向かった。出発ロビーのSASのサービスカウンターには人はおらず、この看板が出ているのみだった。
情報が何もないので、ホテルに帰ろうとしたところ、話をしているSASの職員を見つけ、無理やり状況を確認した。
彼によると、明日の朝5時からサービスカウンターが開いているので、その時間に来い、ホームページで公開されている情報を逐一確認しろということだった。
空港の掲示板には、明日の早朝便のフライトステータスが表示されており、既にCancelledのステータスになっていた。10時の便については何も記載がされていないが、不安しかない状況だ。
4/28 オスロ ガーデモエン空港
朝5時に空港へ行くとサービスカウンターに既に20組ほどがおり、列を作っていた。
番号札を受け取り、大人しく待った。色々な国の旅行者たちがここには集っていた。順番を待たずに直接カウンターでスタッフに話しかける人、番号札を適当に取って、カウンターの人に違うの取ってまた並べと言われた人、オンラインで取ったから自分は大丈夫だとちょっと意味不明な同じ話を周りの人にするおじさんや泣いている女の子などをぼんやりと眺めている。
1時間ほど待ったところで、番号が呼ばれてカウンターへ向かう。当たらなければ良いなぁと思っていたヒゲモジャの怖そうなおじさんの所だ。
彼によれば、本日のフライトはキャンセル、明日もキャンセルされている。ノルウェイジャンも今日は飛ばない。船や鉄道など他の代替手段はない。行き先が僻地すぎるので飛行機以外で行ける交通手段がない。ヒゲモジャさんは困ったような顔をして、どうするか?と言ってきた。予感はあったものの事実を突きつけられて、頭が真っ白になった。
フライトはキャンセルすることにして、返金手続きをしてもらった。ヒゲモジャさんは、意外と優しかったと追記しておきたい。
この時もキャンセルしない方が良かったのだろうか。
*5/11追記 キャンセルしてもしなくてもよかったらしい。この場合には、購入先のカスタマーセンター(日本/母国語)に連絡して、詳しい状況説明や返金等のスケジュールを確認した方がいい。飛行機代は、2日以内に返金されると言われたが、今日現在返金はされていない。(5/7 日本のカスタマーセンターに連絡済)
こちらから、この便に変更リクエストや他の航空会社のチケットを取るからキャンセルしてほしいとか言うのは絶対にしてはいけないらしいです。その後の補償が無くなるそう。
*6/29 この時キャンセルしないで、ダメ元で連絡待ちのステータスにすれば、ホテルと食事代1日分はSASから補償されたようだ。ただ状況確認のため翌日も空港へ行かなくてはならないと思われることから、翌日も時間が消費される。金銭面だけを考えれば、連絡待ちにした方がいいだろう。
ホテルに戻り、いったん朝食を取る。食べているうちに、感情がこみあげてきて泣いてしまった。去年の9月頃から準備してきて、まさかこんなにあっけなく行けなくなると思ってなかったからだ。少し泣くとすっきりした。帰りの飛行機でインサイドヘッドを見たのだが、「悲しみ」はこういう時に一定の効果がある。泣くの大事。
お腹が満たされると元気も出てくるものだ。まずは今日からのホテルの確保、ホテル・現地ツアー会社へのキャンセル連絡、返金の交渉、保険会社への連絡などを一気に進める。
ホテル・ツアー代はキャンセルポリシーにより返金不可という事で、かかった金額は二人分で約22万円。金額が大きく、ショックも大きかった。旅行保険で降りる金額ではとてもまかないきれない。
また、保険会社と話している中で、キャンセル証明書が必要ということも分かった。空港のサービスカウンターに再度向かい、貰いに行かないとならない。
空港へ再び向かい、キャンセル証明書を発行してもらう。貰えたのだか、なんだか小さい紙切れにフライト番号と、キャンセルになった事、サインがぐちゃっと書いてあるものだった。これは、フライトをキャンセルした時に同時に貰っておけば良かったと思った。
忙しそうな係のお姉さんに「ロングイエールビェンでのホテルやツアー代が全額返金不可なのだが、これはSASに請求できるか」と聞いた所、「できる」と言われたので、少し希望が湧いてきた。
4/29-4/30 オスロ市内
SASのホームページへ行ってツアーキャンセル料を請求しようとしたが、"あなたのフライトは既にキャンセルされているので請求できない"とアラートが出る。再び怒りがこみ上げてくる。
EU圏外からEUへ、EUからEU圏外へのフライトでキャンセル等になった場合にはEUR600までの補償が出る可能性(EU regulation 261/2004)があるらしいが、ストライキによるフライトキャンセルはこれに該当しないらしい。
現地でできることはもうこれ以上は無いので、後は日本に帰って行動する事にして、3日間をオスロで満喫した。
5/1-2 オスロ - ヘルシンキ- 日本
帰国の日がやってきた。オスロを全力で楽しんだとは言え、全く忘れたわけでは無かったストライキ案件。常に頭の片隅に潜んでいた。日本にさっさと帰りたいような、まだこっちにいたいような気持ちだ。
再び、ガーデモエン空港に行くのもあの朝を思い出すので、どよどよした気持ちになるが、とにかくお家へお家へ。
未だcancelledばかりのSASのフライト。
この美しい空港をなんとも言えない気持ちで出発する。こんな旅は初めてだと思う。
5/3 日本
ついにストライキが終わったらしい。メールのリンクは押せない。補償の詳細を知りたくてヤキモキするが、どうしようもない。
日本の問い合わせ先が9:00〜12:00まで空いているようなので、11:58にダメ元で電話してみたら、繋がったのでキャンセル料の請求方法を確認した。支払がされるか分からないが、請求しなければ、何も戻って来ないので請求する。
下記 Claim Formから今回のケースは請求することになるそうだ。
「General complaint or compliment」を選択、「Please select a topic for your feedback」「Select category」 で「Airport Service」を選択。
「What's your feedback about?」「Staff&Service」を選択、その下の 「Select category」「Other」を選択、 「What type of comment do you have?」「 Complaint」を選択すると、Booking Ref、コメントを入れる所、レシートを添付するページが出てきて、こちらで請求可能だ。添付ファイルは、5MBまで付けられる。
コメント欄の冒頭に、Japanese Pleaseと入れておくと日本語でコメントを記載でき、日本のスタッフがプッシュしてくれると言っていた。
最後に「SUBUMIT」を押すとCase IDが出てくるので、スクショを取っておくといいかもしれない。少し遅れてメールが来るが、画面がすぐに消えて不安になるので、念のため取っておこう。
請求後、自動返信メールが来た。青い部分が、強烈に腹立たしい。お客から見たら、SASもパイロット組合も同じなのでストライキでも何でも被害額は全額支払ってほしい。感情論ではあるが、とにかく悔しい。
保険会社からの書類が自宅に届いていたので、連休後半に仕上げて郵送したい。
まとめ
何事も学ばなければ、いつまでもただの馬鹿なので、今回のレッスンを記しておく。
1. フライトのチケットは、極力航空会社から直接購入した方が交渉しやすいと思う。この点は、航空会社から直接購入した自分を褒めたい。Expedia等で購入すると安いが、トラブルがあった時にどこに確認していいかの判断が難しい。担当者も面倒だとたらい回しにする。
2. 旅行保険は大事。損害だけでなく、遅延補償もついているのがいい。クレジットカードの補償については、私のクレジットカードは使えるものがなかった。友人のカードは、グレードが高いカードだったので、手厚い補償がついていた。
3. 僻地に行く際には特に交通を気を付けなくてはいけない。個人手配の場合には、その僻地のプロではないので、極力安定している航空会社で近くまで行くこと。できたらスケジュールに余裕を持たせ、スト情報を入手したら、予算を確認の上、他の航空会社に変更することも考える。
*5/11追記 あまり情報のない場所に行く場合には、旅行会社を通して手配した方が、何かあった場合には、情報を持っているので賢明だそう。スピッツベルゲン島へよツアーは日本の旅行会社では無く、これは仕方なかったと思う。
4. 現地のツアーは、僻地なこともあり、1週間前からのキャンセルでキャンセル料が100%請求された。キャンセルポリシーについては理解していたが、何が起こるか分からないため、個人で手配するなら、ツアー会社予約のタイミングは、慎重にすべきだと思った。混んでいないなら、現地で予約するなど。今回は不安になりがちな自分の性格が裏目に出た。
5. まさかと言うことは、本当に突然起こる。その時どう行動するか、自分が試されているように思える。落ち着いて最善を尽くすことはできなかったが、代わりにオスロを楽しめたので、良かったと思う。
日本に帰ってきて思うのは、日本のストライキと海外のものを同じものだと考えてはいけないという事だ。今回は、ノルウェイ、デンマーク、スウェーデンの若いパイロットたちが起こしたものだそうだ。イースター後を狙って、影響が少ない時期を選んだようにも思えるが、1週間もの長い間、ほとんどのフライトがCancelledになっているのでその影響は甚大だと思われる。それでもストライキを敢行するという覚悟なのだ。
現地ツアー代の請求について、現在SASがボールを持っている。進捗があったら、追記していきたい。途中、誤った選択肢を選んでいるかもしれない。ゲームではないので分岐点でセーブはできない、これが人生だ。
*5/11追記 返金やクレームについては、カスタマーサポートに連絡して終わりではなく、状況が進展しない場合には、何度もカスタマーサポートに連絡してプッシュしてもらうこと。待っているだけだと、半年や1年待たされたり、最悪クレームを無視されることもあるそうです。私にとってはすごくハードルが高いのですが、”クレーマーになったつもりで何度も連絡すること”が大切だそうだ。
*6/29 結果としては、SASからは航空券代以外は補償されなかった。何度もカスタマーセンターと交渉したが、同意には至らなかった。
SASの言い分は、下記の通り。
1. 4月中旬からストライキの情報は流していた。その時点で心配な客についてはフライトの変更キャンセルは無料で行うと通知していた。(これについて聞いていない、連絡したという証拠を出せと言ったが、拒絶された)
2. ストライキに入った時点でも30%の便は稼働していたので、自分たちは最低限の責任をはたした。(主要都市のみの話で.マイナーな地域に行く便については全便欠航だったのだから、その主張はおかしいと言ったが、無視された)
3. SASの規定でストライキにより、行けなかったコンサートチケットやホテル代は補償しないと書いてある。(これは悔しいけどその通り。)
そして最後にこの決定に不満なら、下記に訴えることができるとリンクを送ってきた。「お前のこと訴えてやるからな」と最後っ屁のごとくに文句のメールを送ったが、正直怒りで心が疲れてしまったので、今現在訴えてはいない。お腹いっぱいである。
If you are not satisfied with SAS final decision in this case, you can submit a petition to your local Consumer Complaints Board. See link below:
NEB Europe
National Enforcement Bodies (NEB) | Mobility and Transport
しばらくして、食後のデザートとして、下記のメールが送られてきたので、全ての項目を5段階評価の一番下”Very Poor” として返答しておいた。まず飛行機に乗ってねぇし、自動送信であってもクレームつけてる客に送ってくんなという感じである。控え目に言って、Bankruptしてしまえと今でも強く願っている。
もっと交渉ができる人なら良かったと思うが、そういう性格ではないので、仕方ない。
楽しい休暇、リスク管理をしつつ、皆さんお楽しみ下さいませ。
次回からは、楽しかったヘルシンキ、オスロ旅の事を書いていきたいと思います。
ハワイを探して、フラガールたちは春の熱海へ
春、日照時間が伸びてくると何となく、ハワイに行きたくなってしまう。そう言う気持ちになったことはないだろうか。
全くご賛同いただけないかもしれないが、私はある。
ぶっちゃけてしまえば、いつだってハワイには行きたいのだ。とは言え、なかなか時間と予算を避けないのが現状だし、春は気持ちを抑えきれない。
このハワイに行きたい気持ちを沈静化するため、週末日帰りで熱海へ向かった。
熱海には、ハワイで有名なTシャツ屋さんが日本で唯一出店しており、カフェも併設しているらしい。
海、Tシャツ屋さん、そしてハワイアンカフェ、ハワイ気分を満喫した1日を過ごせるのではないか!?と日曜日、東京駅発9:09の東海道線快速アクティ号に乗り込んだ。
10:47、熱海へ到着。特急にも乗らずに行けるなんて、すごい。お恥ずかしながら、熱海には、はるか昔の社員旅行で一度訪れた事しかない。しかもシャンデリア付きの宴会仕様のバスで行ったため、熱海駅には降りたことがない。
一緒に来た友達は、熱海駅の駅ビルや駅前商店街の人の多さに驚いていた。2〜3年前は本当にさびれた場所だったらしい。
干物がとても美味しそうだった。食べ歩きもできるそう。
お店を冷やかしながら、商店街を抜けて、海岸への道へ向かう。目的のお店は、お宮貫一像の前あたりにあった。
11:27、88TEES CAFEに到着した。
お店に入って右側のスペースにはTシャツが並んでいる。数が多すぎて迷う。Tシャツの他には、ステッカーやエコバッグ、サンダル等が販売されていた。
食事を注文した後、Tシャツを見ていたが、種類が豊富すぎて決めきれない。
そうこうしているうちに、料理が運ばれてきたので、一旦Tシャツ探しはお預けとした。ロコモコ、ガーリックシュリンプ、パンケーキ、アサイボールを頼み、皆でシェア。
何だか、外の景色もカラカウア通りに見えてきた。
デューク・カハナモクの像が見え、ハワイアンミュージックが聞こえてきたら、この旅は大成功だと言える。
*Photo by my friends
咲いている花も植わっている木も何だか、南国を感じる。プロテアは、南アフリカの花らしいが、雰囲気が大事だ。向こうに見えるのはダイヤモンドヘッドかもしれない。
食事も終わり、海岸に出てみる。彼方に見える熱海城を、ピンクのロイアルハワイアンホテルに置き換えてみる。ここはワイキキビーチだ。
この砂浜で、何となくフラソングを聴きたくなったので、今レッスンしている曲をかけてみた。
1.Ka Polio Waimea カ ポリオ ワイメア
-ワイメアの中心、ワイメアの土地について歌っている
2.Pua Milo プア ミロ
-ミロの花と恋人の歌。裏の意味があり、想像すると楽しい。
3.Hana Waimea ハナ ワイメア 古典フラ
-ワイメアでの兵士たちの様子を歌っている
4.Anoai アノアイ 古典フラ
-この場所へようこそ、皆歓迎していますという歌
今年の発表会は、ハワイ島の曲を中心に構成されているので、オアフ島ではなく、ハワイ島の曲ばかりで恐縮だ。せっかく、エア オアフ島、カラカウア通り、ワイキキビーチなのに。
最後のAnoaiは、カヒコの始めに歌うハワイ語の曲だ。人気のないこの海岸で、立ち尽くしながら、ハワイ語の曲を歌っている女子4人、少し異質だったかもしれない。
一番この海岸にあっていた曲は、カ ポリ オ ワイメアだった。ハワイ島の北の方で、少し山の上の土地で全く海は関係ないのだが、広々とした感じ、朗々と響くチャントが、雰囲気にぴったりだった。
余談だが、去年、台風の被害にあったホテルニューアカオが見えた。オーシャンビューの素晴らしい立地だ。
ジェラート屋さんへ向かうというので、移動。
*Photo by my friend
ジェラートは2種選んで500円だった。
*Photo by my friend
4月誕生日の私ともう一人のために、友達がサプライズでお祝いしてくれた。ここまで、Happy Birthdayプレートを折らずに持ってきてくれたことに感激した。そして、4人のジェラートの色合いが同じなのがウケた。
ジェラート屋さんでも(カフェでもしてくれた)お祝いしてくれることは、決まっていたそうだが、海岸からジェラート屋さんまでのナビは、お誕生日の私がするという。
何とも私の友達らしいではないか。愛しているよ、マイフレンド。
15:00、帰りの電車まで時間があるので、熱海のパワースポット、來宮神社へ向かう。ここからは全くハワイ感を感じられないが、ハワイには出雲大社もあるのだから、許容範囲であろう。
境内はさほど広くない。かなりSNS映えを意識した境内の様子に少し驚いた。神楽坂の赤城神社を彷彿とさせるお洒落な空間だ。
*Photo by my friend
樹齢2000年の大楠を見に奥へ進む。
周囲23.9m, 高さ26mの本州1位の巨木は、圧倒的な雰囲気を醸し出していた。気功をやっているという友達は、木の幹を触った手が熱く感じると言っていた。
幹を1周廻ると寿命が1年延命すると言われている。また心に願いを秘めながら、1周すると願い事が叶うそうだ。
大楠にパワーを貰いすぎたこと、春の海に30分ほど立ち尽くしていたこと、または帰りの電車のババ抜きで興奮しすぎたことが理由か分からないが、熱海に行った4人中2人が翌週風邪をひいた。その一人が、お恥ずかしながら私である。フラガールと自称しているが、寄る年波には逆らえないということか。
東京近郊で海を楽しめると言えば、鎌倉だと思う。適度に都会でお洒落、お手軽に旅行気分を味わえるためか、最近はどこに行っても混んでいる。
あまり遠さは変わらないのなら、少し地方感があるが、熱海はどうだろうか。日曜日でも、お店は空いているし、混雑もない。今回は温泉には入らなかったが、よいサウナがあるのだったら、それ目当てに行ってもいいかなと思う。
それでは今日も良き日を。
上越新幹線で朝食を
会計事務所に入りたてほやほやの頃、ある会社の担当をしていた時、通勤手当になるのかで、お客さんから質問があった。
その重役は、7月から夏の間は、軽井沢の別荘から東京にあるオフィスに通勤するので、新幹線を含んだ金額に交通費を変更してほしいと会社にリクエストをしてきた。
税理士ではないので、詳細は省くが、結局、一部は給与扱いになると言うことで処理することになったと思う。
所得税が課税されるとか給与になるとかそういうことではなく、ただ世の中には、夏の間だけ軽井沢の別荘から出勤してくる会社員がいると言う事実に驚いた。
あれから10年以上たち、この話はすっかり忘れていたのだが、群馬の高崎に泊まり、高崎から翌朝10:00にオフィスへ行くというスケジュールにこの3月になってしまったことで、埃をかぶった記憶が呼び覚まされた。
東京の朝の通勤がとても苦手である。電車に乗っている人のイライラや不機嫌な感情、混雑に疲れてしまうのだ。ほとんどの仕事を在宅勤務に移行してしまったが、それでも朝電車に乗らなくてはならないことがある。以前より苦痛は減ったが、嫌なものは嫌だ。
朝の高崎駅から東京駅までの移動は、全くの未知の世界だ。小心者の私が、目を覚ます。
朝だし、すぐに電車の席は埋まってしまうかもしれない。普通の電車で、もし席に座れなかったらと考えると気絶しそうなので、予定が決まってすぐに、朝の新幹線チケットを予約した。
その後は繁忙期だったため、不安を感じる隙もなく、群馬から通勤するという日の前日がやってきた。
その日、東京を出た時は、雨だった。しかし群馬に近づくにつれて天気次第に晴れていった。少し離れただけで、天気も変わるんだ。
今の仕事をしていると、ほとんど生活パターンは変わらない。オフィスや家でひたすらに会計データを入力、お客さんに内容確認、関係者へのメール連絡。個人事業主となってからは早朝も深夜も土日もあまり関係なく、仕事とプライベートの境目が曖昧だ。
用事も無事に終了し、翌日の朝を迎えた。
駅の近くのスタバでコーヒーとスコーンを購入し、新幹線で食べようと思う。駅での混雑を考慮して、30分前に高崎駅に着いたが、想定よりも駅前も駅中も空いている。
Maxとき302号、高崎 07:48発で東京まで1時間の出勤だ。1階席を選択したのだが、2階の方が楽しいのだろうか。
車内は満席と言うわけではないが、80%位の乗車率くらいだろうか。朝の出勤や、出張の人が多いかなと思いきや、旅行者のような人々もいて、車内は和やかムードだ。
テーブルを出して、コーヒーを飲みながら、スコーンを食す。車窓の景色がどんどん流れていく。前の人が降りないかなともんもんと思ったり、我先に人にぶつかりながら降りる人にイラついたりする自分はここにはいない。
あの時の重役もこんな状況で、夏の間、軽井沢から会社に通っていたのだろうか。優雅だ。
アドレスホッパーなる人たちがいる。そう言う風に生きられるなら、何ということもないことなのかもしれない。
しばりがあるからこその少しのいつもと違う行動が、何か特別なような優雅なような朝の時間を与えてくれた。新幹線の通勤だったら、毎朝通勤でもいけるかもしれない。
勝手にあの時の重役気分になって、新鮮な朝の時間を楽しんでしまった。たまにはこんな朝もいい。